第178話 新生役員会 始動・・・・したけど、
新生役員会が開催される事になり、新旧役員が勢ぞろいして引継ぎ書にサインをしてお互いに確認をしてから教官の承認印を貰い、正式に 小田 澪 学生会長体制がスタートした。
「小田新会長 頑張ってください。」と旧会長から激励を受け取ると
「はい、頑張ります。」とお互いに握手をしながら、学園の広報の人が写真を撮っていた。
澪姉は心の中で
(・・・これは葵は嫌がりそうね・・・本当に目立つの嫌がるし・・・)と葵の事を思いつつ、撮影に取材と早速、新会長の仕事はスタートした。
「では、最初の役員会を開催します。」と澪姉が開催を宣言すると、副会長以下が
「よろしくお願いします。」と、言って役員会は始まった。
「最初の議題は4月の新入生歓迎会の件ですね。」と澪が言うと、副会長が
「はい。今年度の新入生歓迎会も例年通りに四属性別の実演となっております。」と言うと澪新会長は
「でも、それだとなんだか代わり映え無いし、なんか違う事でもした見たくない?」と役員全員に聞くと
「・・・・確かに、一昨年、去年と全く同じ内容でしたし、正直その様な取り組みもいいと思います。」
「そうですね。その方が新入生も喜んでくれるでしょうし。」
と大半の役員は賛同してくれたが
「いいんじゃないですか?前例に倣う。これも大切ですし何より、色々手続きが大変でしょうし。ここは慎重に検討した方がよろしいかと思いますが。」と一部の役員は難色を示してきた。澪は心の中で
(・・・まぁそうよね・・・役員になれば、評価は一定貰える。だからこそ波風立てずに一年を過ごしたい・・・・それもまた評価につながるからね・・・・でもね・・・)と澪は反対意見を述べた役員に対して
「確かに色々大変な点等あるかと思います。しかし最初から否定されては何も進みません。是非とも皆さんのお力添えをお願いします。」と反対意見を述べた役員に力強く言い放ち、
「まだ時間はあります。次回の役員会までに各々考えてみて下さい。・・・では次の議案に移りたいと思いますがよろしいですか?」
「・・・はい・・・」と反対意見を述べた役員は不満そうであったが、その後の役員会は粛々と進んだ。議案も一通り終わり澪会長は
「では、本日はこれにて終了します。次回は二週間後の午後4時からの開催になりますのでよろしくお願いします。」と言って役員会は終了となった・・・役員が次々と役員室を退室して最後に残った澪は天井を見つめながら
(・・・やっぱり、私なんかじゃ荷が重いわね・・・・」と少しナーバスになっていると、役員室の扉の前に気配を感じた・・・・
(・・・・全く、カワイイ妹や弟達の前ではカッコ付けないと・・・・)と気合を入れ直すと
「ほら、あんた達そこにいるんでしょ?」と聞くと、ひょっこりと司が顔を出した。
「なんでわかったの?」と不思議がってると
「あれ司だけ?・・・他の面々は?」と聞くと
「・・・皆、色々ありまして・・・」と司は明らかに何かを隠している様な口ぶりだが、澪はあえてツッコむ事はしなかった。
「・・・そっか、皆は忙しいお姉ちゃんをほったらかしにして楽しんでいると。」悲しむ素振りを見せると、司は
「・・・澪姉、明らかに分かって分かってるでしょう・・・」とこの全く意味の無い茶番劇を一通りした後に
「一応、新会長就任お祝い会を開くからいつもの喫茶店に集合、それで俺が栄えあるエスコート役ってわけ。」と手を差し出す司をしり目に
「じゃ、行こうか。」と澪姉はそそくさと役員室を後にした・・・・一人残された司は
「・・・・ハァ~・・・・まだまだだね・・・・よし!・・・行くか。」と澪姉の後について行こうと役員室の外に出るとそこには澪姉がおり
「鍵閉めないといけなし。」と鍵を閉めると
「では、エスコートよろしくね。」と澪姉が手を差し出してきたので司はその手を取り
「仰せのままに。」と言って二人は歩き出した・・・・・・
「なんか違うわ。」と、澪姉はスグに手を振りほどいたのは、ほんの数歩歩いただけだった。