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第177話  あの人がまさかの・・・・


 新学期が始まり、学園長の退屈な話を聞き、各々のクラスに向かう事になったが、葵だけ教官に呼ばれ指導室に向かって行った・・・・


 休み時間も、移動やら用意などで葵のクラスに行けず、お昼ご飯にやっと会う事が出来た。


 「・・・葵、さっき教官に呼び出されていたけど、何かあったの?」と聞くと葵は


 「・・・うん、学生会長やらないか、て言われた。」と答えたので自分達は少し納得した


 学生会長、分かりやすい言えば、生徒会長みたいなものだが、選挙では無く、教官達の推薦により、学園長が任命する形態を取っていた。


 (・・・学業や日頃の態度等での結果だし妥当と言えば妥当だな・・・)と思っていたが葵があっさり


 「でも、断ったけどね。」と言い放ち、皆愕然とした・・・・学生会長に指名されるだけで大変名誉な事であり、将来的にも昇進等で非常に有利になるからである。その名誉を捨てた事に皆で驚いていると葵は


 「・・・あんまり目立ちたく無いし・・・」とトンでもない理由で断った事に、皆驚愕していた・・・・澪姉が


 「・・・なんか、葵らしいと、いえば葵らしいね・・・・」と少し呆れつつも、その事については皆それ以上何か言う事は無かった・・・しかし翌日・・・・


 「・・・ごめん皆、・・・学生会長 引き受ける事になっちゃった・・・・」と澪姉が言ってきたのが最大の驚きであった・・・


 「・・・なんで・・・」と紬が聞くと


 「ほら、葵が断ったでしょ。一応他にも候補は何人もいたみたいで、次点で 私 みたいな流れで・・・」と澪姉が簡単に経緯を説明すると、葵の方を見ながら


 「だから、葵。そんなに申し訳なさそうにしないの。大変だけど結構楽しみなんだから。」と言うと


 「・・・澪姉・・・本当に、ごめ・・・」と言おうとしたところで


 「葵、こういった場合は、違うでしょ。」と澪が言うと


 「・・・澪姉。頑張ってね。」と葵の声援に


 「お姉さんに任せなさい。」と言ってピースサインで答えた。その後澪姉は再度教官達に呼び出され、役員会の打ち合わせに向かって行った。


 学生会長他、副会長、会計、庶務、書記、監査等の役員も教官達の指名制であり、選挙戦なんてものも無く、その後の学生総会で承認された。その一連の流れの中で


 (・・・あれ、あるラノベみたいな選挙戦は?・・・)と疑問に思いつつ、役員会の面々を見ると、澪姉以外は殆ど交流の無い人なので


 (・・・他の属性の人はあんまり知らないからな、それにしても火の属性からは誰も入ってないのか・・・なんでだろう・・・学業も態度も問題無いと思うんだけど・・・・)と思いつつ、あまり深く考えずにいたが、そんな中でも総会は粛々を進んで行った・・・。


 最後に新しい学生会長になった澪姉から、就任のあいさつを述べた。

 

 「皆様の承認の程、ありがとうございます。新たに学生会長に任命されました 小田 澪 です。一年と短い間ですが、皆様の学園生活の向上の為に微力ながら尽くしていきたいと思います。」


 と簡単に挨拶を済ませると、その他の役員も各々挨拶をして総会は予定通りに終わった。


 「お疲れ。澪姉。」と司が労いながら、少しにやついていた。自分達も含めてだが・・・・澪姉が自分達を見ながら


 「・・・あんた達、明らかに揶揄っているでしょう。」とジト目で睨んできた。


 「澪姉の緊張してる姿なんて中々見れないしね。」と陽斗が少し笑いながら言うと、紬も


 「そうだよね、いつもは冷静な澪姉が緊張していて、でもそれを私達に悟らせない様にしているものも新鮮だったよね。」と二人して面白がっていた・・・・その光景を澪姉が見逃すはずも無く・・・・


 「・・・そう、分かったわ二人共・・・・」と素敵な笑顔に二人は気付き


 「・・・あの~澪姉、そんなに怒らなくても・・・・」と紬が言ったが既に時遅し・・・


 「澪姉様、お許しください。」と陽斗も続くが、


 「・・・二人共、後でね・・・・」と澪姉は役員会に向かう為に、一旦、役員室に向かって行った。


 「あーあ。澪姉怒っちゃった。俺知ら~ない。」と司が言うと


 「大丈夫だよ。澪姉もきっとそんなに怒ってないと思うし・・・・多分・・・」と葵のフォローになってないフォローに、陽斗と紬が少し震えていたのはあえて見なかったことにした・・・・



 

 「・・・・なんで、あんなが学生会長に・・・・」と澪姉を強く睨んでいる生徒の存在をその時に自分達は気付かなかった・・・・


 


 

 

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