第175話 二人のその後・・・・
紬、葵、澪と順番にお風呂に入り、葵の部屋に集まり、お菓子に飲み物・・・・準備は完了した・・・・
「じゃあ カンパ~イ。」と三人は手に持ったジュースで乾杯し、お菓子をつまみながら、話が進んでいった。学園生活でも、不満をここぞとばかりにぶちまけっていった。
「なんで、こんなに課題があるのよ。長期休みが全く休めないじゃない。」と紬が言うと
「ホントね。今回から更に、属性別の専門知識も必要になって大変になったし。」と澪が同調すると
「でも、教官達も私達の為にと思っての事だし・・・」と葵が一応、フォロー?みたいな感じで言うと
「そんな事は。分かってる!分かっていてても納得いかない!!」と紬は更にヒートアップしていった。
そんな紬を見ながら二人は
「葵、間違ってお酒出してないよね。」
「うん、ただのジュース・・・だよ・・・」と苦笑いしながら、少し反応は鈍かった・・・・しばらくすると
「葵、寝ちゃったね。」と紬が言うと
「そうね。元々夜更かし苦手だしね・・・」とベットの上で寝息を立てている葵を見ながら、二人しばらくは他愛のない話で盛り上がっていたが
「そういえば、紬は陽斗とどんな感じなの?」と澪がいきなり聞いてきて、紬は飲んでいたジュースを噴き出してしまった。
「ゲホゲホ、なにいきなり。澪姉・・・・いいじゃん、その事は・・・」とあからさまに話を逸らしたかったが、当然そんな事で澪姉の追及を逃れる事は出来なかった・・・・
「ほら、私達の中で唯一のカップルが私達のいない所でどんな感じでイチャイチャして、どんな事を経験したのか知りたくて」とニコニコと、しかし絶対に逃がさない。その様に感じた紬は
「・・・沈黙します。・・・」と言って布団に包まり、必死の抵抗を見せたが、あっさり布団を剥がされ、
「さぁ、どうするの?つ・む・ぎ?」と、責められて・・・遂に、紬は・・・降参した・・・・
「・・・・・だ・・・・・」
「え、・・・」
「・・・・・ま・・・だ・・・・」
「うん?」
「・・・まだ、手を繋いだ・・・位・・・なの!!」
「・・・・え、・・・・マジ・・・・あんた達、付き合って・・・もう一年以上経つのに・・・・・」
と澪が少し驚いていると、紬は
「・・・私も陽斗も・・・奥手だし・・・いざってなると緊張しちゃって・・・・前にいい感じになったんだけど、タイミングが悪くて・・・・そのまま、ズルズルと何も進展せず・・・に、ってなに?」と紬は顔を真っ赤にしながら、陽斗との進展具合を言うと、澪が
「・・・まぁ、進み具合はそれぞれだけど、あんた達は結構ゆったりな感じよね。でも、その割には葵と総一郎との事よく言えたわね。」と言うと
「・・・だってあの二人、両片思いなのに、総一郎も葵も私達以上に奥手で、外から後押しがないと進展なさそうだし、と思って・・・・」と澪姉に言うと
「確かに。葵も総一郎もお互いに想っているのに、特に葵は壁を作っている感じするよね。」と澪姉は既にベットで寝息を立てている葵の頬をツンツンしながら、微笑んでいた。
「・・・そろそろ、私達も寝る?」と澪が聞くと
「・・・うん、・・・あの、澪姉。さっきの事は他の人には・・・」
「大丈夫よ。人の恋事情を言いふらす趣味は無いしね、」と言いつつ二人は布団に入って眠りに就く事にした・・・・・
部屋の電気も消え、しばらく経った頃、ベットの中で眠りについていた・・・・はずの葵は
(・・・両片思い・・・でも・・・・私は・・・・)と、総一郎との事を思いつつ、静かに目を瞑って再び眠りについてしまった・・・・