第174話 女子会開催します。
朱鷺子が夕食の支度を終わらせ、自宅に帰ろうとすると、ちょうど紬と澪が葵の屋敷に来た。
「あんた達、ちょっとお泊り会には早いんじゃないの?」と朱鷺子が聞くと
「おばちゃんの、料理が食べたくて、早めに来ちゃいました♪」と紬が言うと
「え、おばちゃん知らないから、雪代さんと葵ちゃんの分しか用意してないわよ。」と言うと、澪が
「・・・え、葵から聞いてません・・・か・・・」と残念がっていたが、その光景を見ながら朱鷺子は、
「冗談よ、雪代さんと葵ちゃんからちゃんと聞いているから、しっかり準備出来てるわよ。」
「おばちゃん、その冗談は心臓に悪いよ~。」と澪が言うと、
「ちゃんと、雪代さんにお礼を言っておいてね。じゃあ後は葵ちゃんにお願いしてるからよろしくね。」と朱鷺子は自宅に戻って行った。
食堂に行くと葵が配膳をしていたので、
「葵、手伝うよ。」と澪と紬が手伝いをしながら、和気あいあいと準備をしつつ、紬は出来ている肉じゃがをつまみ食いしてみると、
「これヤバ。めっちゃ美味しいじゃん。流石朱鷺子さん。」と感想を述べると
「あ、それ私が作ったんだ。」との葵の発言に澪姉が、
「どれどれ。」と同じく肉じゃがをつまんでみると
「ホントに美味しい。これ本当に葵が作ったの?」と澪姉が聞いてきたので
「うん、朱鷺子さんに見ていてもらったけど、最初から最後まで自分一人で作ったんだ。」と葵は少し得意げに言うと、澪と紬はお互いに顔を見合わせながら
「・・・そうね、すぐお嫁さんになれるわね♪」と澪姉が言うと、葵は顔を赤くしながら
「そんな・・・総ちゃんとは・・・・」と言うと、すかさず紬が
「あれ~、誰も総一郎とはいってないけど~」と、してやったりな顔を澪と紬がすると、葵は顔を真っ赤にして
「・・・もう二人共知らない!!」と怒ってしまった。
「ごめん、ゴメン、揶揄いすぎた。」と澪姉がなだめていると、雪代さんが来て
「賑やかですね二人共。・・・あまり葵様を揶揄いすぎますと・・・・」とにこやかな笑顔が逆に怖かった・・・・
「あ、雪代さん。すいません。いつも通りやり過ぎちゃいました。」と澪姉が状況を説明すると
「・・・全く、あなた達は・・・・ほら、早く夕食にしましょう。」と雪代がその場を収め、夕食になった。
夕食中も葵は顔を赤くしながら、澪と紬はニヤニヤしながら、静かに食事の時間は過ぎていった・・・
「ごちそうさまでした。」と雪代が食事を終わらせ、食器を流しに置くと、
「では、葵様。おやすみなさい。」
「はい、雪代さん。おやすみなさい。」と言って雪代を見送ると紬が
「あれ、雪代さん。お風呂は・・・?」と葵に聞くと
「うん、先に入ったよ。きっと紬が騒いで寝れないと困るから、先に寝ちゃうって。」
「雪代さん・・・わかってらっしゃる。」と紬が妙に納得していると
「ほら、紬。さっさと片付けを終わらせるわよ。」と澪姉が早速、流し台の方に向かい
「葵はゆっくり休んでて。準備で疲れたでしょう。この位は私達にさせてよね。」と言われ
「じゃあ、お願いします。」と二人の好意に甘えつつ、しばらくはゆったりとした時間を過ごしていた。
「これで、おしまい。」と紬が最後のお皿を食器棚に片付けるとほぼ同時に、お風呂が沸いたチャイムが鳴ったので
「ちょうどいいわね。じゃあお風呂に入りましょうか。」と澪姉が言い、紬が
「昔みたいに皆で入る?」と言うが葵が
「うちのお風呂そんなに広くないから、無理だよ。」と葵が言い澪も
「私もパス。一人でゆっくりと入りたいし。」と全く乗り気でなかったので、紬は
「そんな、二人共女子会だよ。女子会。お風呂でキャッキャウフフ。みたいな感じを出したいじゃん。」と強く言ったが、澪から
「はい紬、タオル。三人もいるんだから早くね。」と素っ気なく、渡すと
「女子会の本番は夜のお喋りでしょ。早くしなさい。」と紬に言うと、
「・・・そうだね、分かったよ。澪姉。」と意気揚々とお風呂に向かって行った。その光景を見ていた葵は
「相変わらず紬の扱い慣れてるね。」と言うと
「あら、葵の扱いも慣れてるわよ。付き合いも長いし、分かりやすいからね。」と言われ葵は
「・・・そんなに分かりやすいかな?・・・」と言うと
「特に総一郎の事に関してはね♪」とか言われ、葵は顔を赤くしながら
「もう、澪姉!!」
「はいはい、揶揄いすぎたね。ゴメンね。」と、いつも通り、澪姉に手玉に取られつつ、夜は更けていった・・・・・