第173話 仕事終わりはビール一択 異論は認める!
1月5日の朝、目を覚ましてから、朝食を頂き、一週間ぶりに自宅に戻る事になった。正確には大掃除等で戻っているので全く戻らなかった事でもないが、ここは気持ちの問題であった・・・
朝食が終わり、帰る支度をしていると、部屋の扉から声が聞こえた。
「総ちゃん、ちょっと入っていい?」と葵が聞いてきたので
「ああ、いいよ。」と言うと葵が入って来た。
「どうかしたの?」と聞くと
「・・・特に用事は無いんだけど・・・」と言いながら、何かを言いたそうにしていたので
「大丈夫だよ、自宅に戻る用意もしっかり終わったし、課題も終わったし、後は少しばかり親孝行でもしようかな。」と言うと、葵は少し不機嫌になりながら
「・・・そうだね、しっかりと朱鷺子さんのお手伝いをしないとね・・・」と少し複雑そうな顔をしながら言ってきたのが、心の中で
(そういえば、葵の家族の事は全く知らないな・・・でも、この世界では戦争で亡くなった人も未だに出ているし、聞かないのが常識というか、マナーだよな・・・)と思っていると
「・・・ねぇ、総ちゃんは気にならないの?・・・私の家族の事・・・・」と葵が聞いてきた・・・
「え、、」と困惑したが・・・葵の顔を見て
「いいよ。葵が言いたくなったタイミングで。なんとなく今じゃ無い気がするから。」と言うと
「・・・・そっか、じゃあ今は言わない。・・・」と葵はそう言って部屋を出ていった。
部屋に戻った葵はベットに横になると
(・・・・そうだよね。総ちゃんならそういうと思ったよ・・・・誰よりも優しいし、・・・・でも、聞いてほしかった・・・・でも・・・・きっと言えなかった・・・よね・・・・)と葵はそのまま、総一郎達が帰る時まで部屋から出なかった。
やがて、朱鷺子達が自宅に戻る時間になった。
「じゃあ、葵ちゃん、また夕食前に来ますからね。」と母親が葵に言い
「はい、お待ちしてます。」と葵がいい
「雪代さん、今回は本当にお世話になりました。」と母親がお礼を言うと
「いえいえ、困った時はお互い様ですよ。」と雪代さんは謙遜しつつ、
「総一郎君も色々ありがとう、大変助かりましたよ。」
「いえ、こちらこそ本当にありがとうございました。」とお互いにお礼を言いつつ、自宅に戻る事にした。
自宅に帰ると
「ああ、やっぱり自宅がいいな~。」と言っていると
「ほら、総。あんた帰る準備はいいの?慌てない様にさっさと準備を終わらせなさい。」と、実家の母親あるあるが炸裂していたので、
「分かってますよ、すぐに用意を終わらせますので。」と言い早速自室で課題やら、着替えなどをスーツケースに綺麗に積み込んでいると
「総、これ持って行く?」と服と食品を持ってきた・・・田舎の母親あるある第二弾炸裂・・・・
「母上殿・・・服はいいわ。食品は持って行くけど・・・」とありがたく頂戴すると
「あ、ちょっと待って。これとかもどう?」と、次々と、服や食品を沢山用意してきた・・・
「・・・母上殿、いらないから!そんなに入らないし、荷物になるし、大丈夫です。」と言うと
「あら、そう。分かったわよ。」と一旦終わりになった。 しかしその後あれもこれもと何回も聞いてきた、この光景は田舎あるあるなのかもしれない・・・・・そうこうしている間に母親は一旦葵の屋敷に行って、夕食を作りに行ったので、自分は一人で待っている事になった。
(・・・なんか、しばらく葵の屋敷で食べていたから、少し寂しいかな・・・)と思いつつ、母親が帰って来る時間になったので、準備をしていると母親が葵の屋敷から帰って来た。
「総、ただいま~準備出来てる?」と言うので
「はいはい、準備出来てますよ。何飲むの?」
「ビール♪」
「はいどうぞ。」と母親は缶ビールを受け取り、食事を用意している部屋に入り、椅子に座り缶ビールを開け、喉を潤していった・・・・
「あ~~生き返る。この為に仕事をしていると言っても過言ではない!」とよく聞くセリフを聞きつつ、当然飲めない自分は、お茶を自分で用意してから、食事にする事にした。