第171話 友達の為に・・・・
新しい年の始まり、気持ちよく晴れ渡っていた・・・布団から起き、布団を畳み、しっかりと頭の中を整理してから部屋の扉を開ける事にした・・・・
(・・・昨日の自分はなにかおかしかった・・・・何が世界には自分達しかいないとか・・・恥ずかし・・・・)と昨日の自分にツッコミを入れつつ、食堂へ向かう事にした・・・
食堂に着くと、朝食の準備中であり、母親が
「あら、総。おはよう。」と言うと
「そこは、明けましておめでとうございます。じゃないの?」と言うと
「あけおめ、ことよろ。」とまさかの挨拶に愕然としていると
「冗談よ。明けましておめでとうございます。本年も宜しくお願い致します。」と普通に挨拶をされたので
「こちらこそ、よろしくお願いいたします。」と言いながら、準備を手伝っていると、雪代さんが降りてきた。
「明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いします。」と挨拶をしてきたので
「明けましておめでとうございます。こちらこそよろしくお願いします。」と母親が返し
「総一総君も、あけましておめでとう。」
「明けましておめでとうございます。」と新年の挨拶を終わらせると
「・・・葵ちゃんがまだなんて珍しいわね・・・ちょっと起こしてきましょうか?」と雪代さんに聞いてきたので
「そうですね。朱鷺子さんよろしくお願いします。」と言ったので
「分かりました。総、あと重箱を持って来て、取り皿とお箸を持って来ておいてね。」と言われたので
「ん、分かった。」と言って キッチンに用意されている、おせち料理や取り皿、箸を用意しながら、雪代さんを二人きりなので少し緊張していたが
「・・・はやいものだね、総一郎君も来年の今頃には配属先も決まっているのか・・・・」としみじみと言いながら、言ってきたので
「・・・・そうですね・・・早いですね、でもそれは皆と離れる事を意味しますし、いつまでも皆一緒にいられる訳ではないですからね・・・」と、思い詰めつつ答えると
「・・・総一郎君、その・・・・」と雪代さんが何かを言おうとしたタイミングで
「明けましておめでとうございます。雪代さん、総ちゃん。」と葵が元気よく入って来た。
「明けましておめでとうございます。葵様」
「・・・明けましておめでとう、葵。」と四人が揃った所で朝食になった。
母親が張り切って作ったおせち料理を味わいながら頂きながら、ゆったりとテレビを見ながらのんびりと過ごす・・・これが日本のお正月・・・・と思ってた時もありました・・・・・現実は甘くは無く、朝食が終われば直に課題に取り組む・・・・あれ?なんか去年より社畜度がパワーアップしてないかな?と心の声を押し殺しつつ、三が日は過ぎていった・・・・・
一月四日 その日も朝食を食べ終えと、皆を迎える用意をしていると、玄関のベルが鳴った。
葵が迎えに出ると、そこにはいつも通りのメンツが居た・・・・もちろんニヤニヤしながら・・・・
「お邪魔しますね。愛の巣に。」と紬がいいながら
「こら、紬。駄目よそんな事、言っちゃねぇ葵。」と澪姉も続いた・・・
「じゃ、総一郎。ちょっと尋問しようか?」と司がチョークスリーパーを掛けてきて、陽斗が
「司。キマッテル、キマッテル。」と必死に自分と司を引き剥がそうとしていた・・・・
そんなこんなで、葵と自分は皆に揶揄われながら、食堂で課題に取り組み始めた・・・皆やはり苦戦していたみたいで、特に自身の属性外の所は皆殆ど手付かずの状態が多かった・・・
「澪姉ここは?」
「ああ、ここわね・・・て感じかな。」
「陽斗、この理論は?」
「そこはね・・・て、感じかな。」と、皆がそれぞれの属性にしか分からない専門性が高い課題を協力しながら、目の前の課題を片付けていった。
課題も順調に進み、10時を少し過ぎた頃、一旦休憩する事にした。そこから自分と葵に対する査問会が開催される事になった。
「ほうほう、ガス給湯器の故障で仕方なく・・・」と澪姉が経緯を理解し
「一緒のお風呂に入ると・・・・」紬が事実に反した事を言い
「夜の部屋で一緒に勉強会を・・・」と、陽斗がどことなくニュアンスを面白く述べ
「ああ、いい天気だ。」と司が遠くを見ながら呟いていた・・・
「ちょっと、紬、一緒には入ってないからね。後、陽斗。言い方のニュアンスが少しおかしいから。」
と、自分が抗議の意味合いも込めて否定していると、
「あんた達、あんまり、家の息子や葵ちゃんを揶揄うんじゃないよ。」と助け船が来たと感謝した。
「大体、私や雪代さんが居て、総が何か出来るわけもないでしょ。」と言うと
「まぁ、そうなんですけど、ちょっとおふざけが過ぎたみたいで。」と紬が言うと
「ところで、紬ちゃん?聖属性の課題はどんな感じなの?」と聞くと
「それが、中々進んでなくて。」と言うと母親がニヤニヤしながら
「なるほど、じゃ唯一 聖属性の葵ちゃんを揶揄って、この後どう課題を進めるのかしらね?おばさん心配だわ。」と言われ、紬は自分がしでかしに気付いたが後の祭りだった・・・・
「・・・・あの、葵。私、ずっと友達だよね?」と恐る恐る聞くと
「もちろんだよ。」との返事に紬は一瞬ホッとしたが
「だから、紬の為に自分自身で頑張ってね。」と見事に突き放した・・・・それに紬は
「葵、ゴメンて、本当にごめんなさい。」と誠心誠意の謝罪で事なきを得た・・・勿論陽斗も同様に謝罪し事なきを得た・・・・
そうして休憩時間も終わり、自分達は再び課題に取り組み始めた・・・・・