表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
170/189

第170話  世界には二人だけ・・・・


 只今、大晦日の午後11時30分過ぎ、部屋には自分の葵の二人っきり・・・・


 (え、なになに、なんかした俺?でも、葵もさっきからなんか無言だし・・・・)と色々な妄想をしていると


 「あの、総ちゃん・・・その・・・オデコ大丈夫?」と相変わらず顔を近づけて確認してくる


 (近い、近い、葵さん・・・ここには雪代さんも母上殿もいないから・・・頼むよ、自分の自制心・・・・・)と思いつつ


 「・・・・葵、大丈夫だから・・・その、ちょっと近い・・・かな・・・」と言うと葵はハッとして静かに離れていった・・・・


 再び部屋を静寂が包み込んでいった・・・・


 「・・・あの、葵・・・こんなに夜遅くにどうかしたの?あんまり褒められた事じゃないのは、葵なら分かると思うんだけど・・・・」と聞くと


 「・・・あの、謝ろうと思って・・・」と小さく呟いたので


 「え、何を謝るの?」


 「その、ちょっと・・・嫌な態度取っちゃって・・・・ごめんなさい。」と葵は謝ってきたが自分はポカーンみたいな顔になっていた。


 「・・・え?なんか有ったっけ?葵に嫌な態度なんて取られていたっけ?」と本気で考えていると


 「・・・夕食前にちょっとあったでしょ。」と葵が言うとやっと思い出したが


 「ええ、全く気にしていなかったのに。・・・でもなんで葵が少し機嫌が悪くなったかは分からなかったな。」と余計な一言を言ってしまった。  恐る恐る葵の方を見ると


 (あ、これ怒ってる・・・)と少し頬を膨らましながら、プンプン顔な葵がそこに居た・・・・


 「ごめん、ゴメン葵。」と謝るが


 「総ちゃん、私がなんで怒っているか分かるの?」と聞かれ


 「・・・・・・・・」と沈黙で答えると


 「・・・もう知らない!!」と完全にご機嫌斜めになってしまった。


 (・・・どうしたらいいんだろう・・・全く葵が怒っている原因が分からない・・・でも、ただ単に謝るだけでも許されない・・・・)と、どうしたものかと困っていると葵が


 「・・・総ちゃんて、本当に鈍感だよね。それでいてデリカシーも無い。」


 「・・・はい、おっしゃる通りです。」


 「でも、いい所はいっぱい知っているから。・・・・うん、今回だけ特別に許してあげます。」と葵に言われたので、取り敢えず一安心したので


 「そしたら、葵・・・そろそろ、自室に戻った方がいいと思うんだよね。」と時計を指さして言うと


 「・・・・一緒に年明けを祝いたいだけど・・・ダメ・・・?」と聞いてきた・・・・


 (・・・・ダメと言いたい、でも言えない・・・・)と心の中で葛藤しつつ、最終的には


 「・・・まぁもうすぐ年明けだし・・・年明けたらすぐに自室に戻る事。」と、言うと


 「うん、ありがとう。総ちゃん。」と、とびっきりの笑顔で言われると、自制心の限界チャレンジかと思うぐらいに心がうごめいた。


 携帯の時計を見ながら、二人で小声でカウントダウンをしていった・・・


 「あと、1分だね・・・・」と葵が言って


 「あ、どうしよう。葵大変だ!!」と自分がわざとらしく言うと


 「・・・なに?思うに物凄くくだらない事だと思うんだけど・・・・」と自分が今からするくだらない事を既に的確に捉えられていた・・・


 「年明けのタイミングでジャンプしない?」と言うと


 「・・・いいね!やろうか!!」まさかのノリ気に自分も驚いていると、


 「ほら、総ちゃん、こっちこっち。」と葵に呼ばれて部屋の真ん中辺りに呼ばれたので行くと、いきなり葵に手を掴まれた。しかも、俗に言う恋人繋ぎで・・・・


 (・・・え、なにナニ何・・・・葵さん、ちょ・・・っと・・・)と頭の中は混乱状態だった・・・


 「ほら、総ちゃん、もうすぐだよ、10,9,8,7,6,5,4,3,2,えーいー。」と自分が混乱している中、葵と同時にジャンプをした・・・・その瞬間、世界は自分と葵だけは皆とは別世界に居た・・・・

なんて事を考えていると


 「・・・・本当に、総ちゃん、くだらないね・・・」と葵は笑いながら言うと、自分もつられて笑ってしまった。でも、大きな声で笑う訳にもいかずにクスクス笑いながら、しばらく二人だけの世界に入り込んでいたが、時間が時間である


 「じゃ、そろそろ部屋に戻るね。」


 「ああ、そうだね。」


 「あ、忘れてた総ちゃん。」


 「ん、なに、葵?」


 「あけましておめでとうございます。今年もよろしくね。」


 「こちらこそよろしくお願いします。」と新年最初の挨拶をして葵は部屋に戻って行った。葵が部屋に戻った後、ベットに横になると、葵と繋いだ手を見ながら


 (・・・葵は、きっと、無意識になっただけだよな。うん、そうだ、そうだ・・・寝よ・・・・)と言って眠りに就く事にした・・・・






 葵は部屋に戻ると、すぐにベットにダイブし、総一郎と繋いだ手を見ながら


 (・・・・いいよね、この位・・・・)と思いつつ、葵も眠りに落ちていった・・・・・

 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ