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第159話   交流会終了


 この短い様で、色々中身が濃かった交流会もいよいよこの、終了式で終わりとなる。といってもただただお偉いさんの退屈な話を聞くだけでこれといったイベントも無く、約一時間程で終了した。終了後バスで最寄り駅まで行き電車に乗る形なのだが、一斉に移動すると渋滞が発生するので各学園ごとに移動となり自分達の学園は一番最後に出発となるのでしばらくの間ロビーにて待機していた。


 「あーあ、終わっちゃね。観光したかったのに。」と紬がボヤいていたが


 「しょうがないよ。これも授業の一環みたいなものだし仕方ないよね。」と陽斗がなだめていた。


 「そうね、・・・今すぐには無理だけど皆で卒業旅行でも行こうか。」と澪姉の提案に自分と葵を除く四人はテンションが上がっていった。そんな四人を見つつ自分と葵は少し離れた場所でその光景を見ていた。


 「・・・総ちゃんも卒業旅行いきたいの?」と葵が聞いてきたので


 「そりゃ、行きたいだろ。多分この六人で旅行なんて残りの人生で何回も無いからな。」と力説すると


 「・・・そっか・・・何回も無いか・・・」と葵は皆の方を見て、次に自分を見て


 「・・・楽しみだね・・・卒業まで待ちきれないかも。」と言うと紬が


 「葵、総一郎、早く、こっちに来て、行先決まらないから。」と早くも行先の事を心配している紬に葵が


 「じゃあ、きちんと卒業できるようにこの後の期末試験も頑張らないとね。」と言うと、自分は


 「・・・え、交流会の学期は期末試験は無いよね?」と自分が言うと


 「それは去年まで。今年から期末試験はあるよ。」と言うと自分は膝から崩れ落ちていった。


 「・・・皆、旅行楽しんできて・・・今までアリガトウ・・・」と今にも泣きそうな顔になってしまった。葵が


 「え、え、いや総ちゃん知らなかったってこと・・・無いよね・・・大丈夫だよね?」と聞くと


 「・・・いや、今回・・・ほとんど・・・勉強・・・してない・・・司は・・・?」と聞くと


 「いや、今回の論文発表で結構勉強したからそこまで問題は無いと思うけど・・・・総一郎、マジで知らなかった?」と聞いてきたので


 「・・・うん・・・知らなかった・・・」と自分の発言に五人とも顔を見合わせていた・・・・そんな中、葵が


 「・・・大丈夫、帰ってから、一緒に頑張ろう。きっと何とかなる・・・はず・・・だぶん・・・」と葵の口調は段々と弱弱しくなってきた。そんな葵に感謝し、


 「・・・ありがとう葵。俺頑張るよ」と葵に感謝を伝えていると


 「・・・中々騒々しいですね、皆さん。」と源さんが声を掛けてきた。一番面識のある司が昨日の礼を兼ねて


 「源さん、昨日はありがとうございました。非常に有意義な一日を過ごす事ができました。」と丁寧にお礼を述べると源さんは


 「・・・いえ、その様に思っていただけると、案内役として良かったです。ところで、加治さんと川口さんはどうかしましたか?」


 「ああ、総一郎のやつ、期末試験がある事忘れていたみたいで今、葵に泣きついていた所で・・・」と司が苦笑いしながら言うと


 「・・・・なんであんな奴に・・・・」と源が小さく、ボソッと呟いたのを誰も気付かなかった。


 絶望の淵に立たされた自分も源さんに挨拶をする事にした。


 「すいません、源さん、お見苦しい所を見せてしまい。」と言うと


 「・・・いえ、加治さんのご健闘をお祈りしますよ。」と言い、最後に葵に向かって


 「・・・では、葵さん、またお会いできるのを楽しみにしております。」と言って一礼して去っていった。


 その光景を見ていた紬が自分の耳元で葵に聞こえない様に小声で


 「あんた、強力なライバル登場ね♪」と揶揄いながら言ってきたので


 「・・・ああ、そうだな・・・」と無意識に言ってしまい、それを聞いてしまった紬が驚きながらも


 「・・・しっかりしなさいよ・・・」と言ってから背中を強く叩かれた。


 「痛いよ、紬」と遺憾砲を言う前に紬は皆の元へ戻っていった。


 源さんとの挨拶もそこそこに葵が戻ってくると


 「総ちゃん、どうかしたの?」聞いてきたので、


 「・・・いや、色々頑張らないとな・・・と思っただけだよ・・・」と決意を新たにしたところで自分達の送迎用のバスが到着したので乗り込む事になった。









 自分達のバスが出てから、最後に第三学園の生徒達が送迎バスに乗り込み直接第三学園に戻る事になるのだが疲れからか道中は殆どの生徒が眠りに就いていたが源と佐伯、桜田の三人は起きていた・・・・


 (・・・・なんで、あんな奴に・・・・・)と源は、加治に相当の怒りを持ちつつ、目の前の調査報告書に目を通していた・・・・


 


 



 

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