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第158話   司は大満足です。(貸し一つ)


 内藤少尉はその後、少し自分と葵と他愛のない話をしてから、店内の席に着き注文をしていた。


 (・・・しかし、店内の雰囲気はまだまだ、ピリピリしているな・・・店員さんも笑顔が少ない様な感じだしな・・・)と思いつつ、紅茶を飲みながらまったりとした時間を過ごしていた。


 (こんなにゆったりとしたのは久々だな・・・しかも葵とデート・・・・)と内藤少尉の言葉を思い出しては、時々赤面しながら、ただただ時間だけはゆっくりと過ぎていった。


 店に入ってから一時間程経った頃に葵から


 「総ちゃん、そろそろ行こうか。」


 「そうだね、あんまり長居するとお店にも迷惑だろうし」と言って内藤少尉に挨拶だけしてから出る事にした。


 「では、内藤少尉 自分達はこれで失礼します。」と自分が言うと


 「ええ、今日はお二人にとって有意義な一日だったでしょう。気を付けて帰って下さいね。」と内藤少尉が言うと葵が


 「・・・ええ、内藤少尉も・・・」と言って自分達は喫茶店を後にした。その後店内に居た何人が内藤少尉の元に寄ってきた。


 「・・・よろしいのですか?このまま帰らせて・・・」と言うと内藤少尉は


 「仕方ありません。本来我々の権限では、このお店内の事ですら、介入できませんでした。色々根回しして、ここの平穏だけは守れた・・・それ以上望むのはいけません。後の事は警視庁と鉄道警察隊にお願いしましょう。」と言って喫茶店の店長さんに


 「急にご無理を言って申し訳ございません。請求書の方はこちらの方へお送りください。」と言って名刺を渡すと店長さんは


 「・・・いえ、何分貸切なんて初めてですから、驚きましたよ。ところであの二人は、どの様な方達なんですか?」と聞いてきたので


 「すいませんが、この事も含めてご内密におねがいします。」と内藤少尉は念押ししていた。


 「・・・ええ、分かりました・・・」と店長と店員さん達は頷いていた。


 喫茶店を後にした内藤少尉に同じく店内に居た人物が声を掛けてきた。


 「・・・どうしますか?・・・」


 「関係者全員を監視対象にしておけ。情報部に依頼しておけ。」


 「分かりました。」と言ってその人物は早速電話をしていた。


 その様な事が起こっている事などつゆ知らず、自分と葵は宿舎への帰路についていた。


 電車の中で自分は葵に


 「今日は楽しかったね。葵。」


 「そうだね、総ちゃん・・・」と葵は少し寂しそうだった


 (・・・葵はどう思っているんだろう・・・今日の・・・・で、デート・・・・)と考えていると

いきなり、しかし知っている人物が声を掛けてきた。


 「あれ、総一郎に葵じゃん、いきなりいなくなってビックリしたよ。」とそこには笑顔の司と、案内役である源、佐伯、桜田の四名が偶然同じ電車でバッタリ会う事に驚いていると、司以外の三人はグッタリしているように感じた。なので司に詳しく聞くと


 「ああ、総一郎と葵がいきなりいなくなったので、どうするか源さん達で考えていたんだけど、今回のチャンスを逃すと魔法省の研究所なんて行けないだろ。だから俺が三人を言い包めて研究所に連れて行ってもらって、後は研究所で最新の魔法理論の解説に講義と色々詰め込んだんだけど・・・チョットやり過ぎだったかな。」と司はテへペロとしていたが


 (・・・・お前・・・ただでさえ興味があると猪突猛進になるのに・・・・だから三人共疲れ果てているのか・・・)


 と自分と葵は三人に同情しつつ、ほんのつかの間の休みの間に最寄り駅に着き、そこからバスで宿舎に戻り、充実した休日は終わりを告げた。


 宿舎に帰ると澪が


 「葵、司、総一郎 お帰り。どうだった有意義に過ごせた?」と聞いてきたので司が


 「いやーめっちゃ良かったよ、最新の魔法理論に触れられて、実に有意義な経験だったね。」とイキイキとしながら語っていた。その光景を見て自分はドキドキしていた


 (・・・ヤバイ、今日は葵と・・・・デート・・・しただけだ・・・・これがバレると・・・)と考えていると紬が


 「総一郎と葵もよかった?」と聞いてきたので自分は答えに困っていると


 「もちろんそうだよ。なぁ総一郎、葵。良かったよな。」と司が言ってきたので


 「うん、そうだね。」と葵が答え自分も


 「ああ、そうね。」と答えるのが精一杯だった。そうしていると陽斗が


 「そろそろ、夕食の時間だし早く行こうぜ。」と言ってきたので、自分達は食堂に向かう事にした。向かう途中で、司に


 「なぁ、なんで助け船なんて出してくれたんだ?」と聞くと


 「・・・いいじゃん!まさに青春て感じで。後でどんな感じだったか教えてな。あとこれ貸し一つね。葵にも言っておいて。」と言って自分の背中をバシバシ叩いて自分は司にしばらく司に頭が上がらない事になってしまった。


 


 夕食も終わり、宿舎の部屋に戻り葵は一人ベットの上でジタバタしていた



 (やっちゃった、やっちゃった総ちゃんとデート、初めて手を繋いで・・・そして思い出の場所にも行けた・・・・良かった、本当に良かった。・・・・)と思いつつ


 (・・・早かったな・・・時間が止まればよかったのに・・・でも・・・)と葵は今だけはこの幸せな気持ちを大切にしたい。そう思って眠りに就いた。


 


 


 

 


 



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