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第157話  今更ですが・・・これってデート?


 (総ちゃんのエスコート・・・)と葵は内心物凄くドキドキしながらもそれを決して総一郎に気付かせなかった。


 (・・・やっぱり、わたしは・・・でも・・・)と言葉にしたいが出来ないもどかしさ・・・・そんな事を考えているとはつゆ知らず目の前の想い人の手をほんの少しだけ力強く握りしめた・・・


 「え・・・と、あ ここだここだ。 葵 着いたよ。」と言って総一郎の声で、葵は


 「ありがとう総ちゃん。さてここの洋菓子店のアップルパイも絶品なんだよ。入ろうか。」と言って店内に入っていった。


  カラン コロン  とドアベルが鳴り店員さんが


 「いらっしゃいませ。二名様でよろしいでしょうか?」


 「はい。」


 「お席までご案内致します。」と一連の流れで席に案内され、メニューを一通り見る事に


 (何故人は、注文するメニューは決まっているのにメニューを見るとアレコレ迷うのは何故なんだろう。まぁ、ここの店は初めてだから仕方ないと思うが・・・)と思いつつ葵と一緒のアップルパイの紅茶セットを注文した。


 「いや、さっきケーキセットを食べたのに大丈夫?」と葵に聞くと


 「大丈夫だよ。今日はいっぱい歩いたし、自己管理はしっかりしてるでしょ。総ちゃんも。」


 「・・・そうだね・・・」と目を逸らしながら言うと葵はジト目で聞いてきた。


 「・・・総ちゃん、まさか・・・太った?」とダイレクトに聞いてきたので


 「・・・マサカ・・・セイチョウキですヨ。うん セイチョウキですから。」と言うと


 「・・・全く、総ちゃんも司君ももう少し食欲を抑えないと・・・その点陽斗君はスラっとして、しかも太りにくい体質とか羨ましい。」


 「全くだ、太らない体質になる魔法理論でも作りたいぐらいだな。」


 「・・・総ちゃん、必死過ぎだよ、でも総ちゃん魔法はそんな事に使っちゃダメだよ。しっかり運動と適度な食事。これが一番のダイエットの秘訣だよ。」と正論を言われぐうの声も出なくなった所で、注文のアップルパイのセットが運ばれてきたので早速頂く事にした。


 「うん、すごく美味しいな。マスターのアップルパイも美味しいけど、ここのも美味しいな。」と感激していると


 「そうだね、本当に美味しい。」と葵は満面の笑みでアップルパイを食べていた。

先に食べ終わり、ほんの少しだけアップルパイを食べている葵の様子を見ていると


 「・・・何、総ちゃん、ジロジロ見て、言っとくけどあげないからね。」と言われたので


 「いや、なんかいいな・・・て思って・・・」と言うと、何故か葵は顔を赤くしながら


 「・・・本当に・・・・総ちゃんの・・・バカ・・・」とその声は自分には届かなかった。


 「え、なに葵なんていったの?」


 「・・・なんでもないよ。・・・」とプンプンと怒っている葵を見ながら、静かに時が過ぎていった。


 そうこうしている間に店内が徐々に静かに、しかもピリピリした空気感を感じてきた。店員さんも笑顔が少なくなってきた感じがした。


 (なんだろ・・・この空気感・・・なんかあったのかな?)と思っていた所、いきなり声をかけられた


 「こんにちは、川口さん、加治さん。」と声の主を見るとそこに居たのは、内藤少尉だった。


 「こんにちは。内藤少・・・」と敬礼をしようとしたが内藤少尉から


 「今日は休日ですので、大丈夫です。あくまでも一個人として、知り合いとして声を掛けただけですので・・・ところで、二人は今日は・・・デートですか?」と内藤少尉はニヤニヤしながら聞いてきので自分は、今更ながら気づいた・・・・・


 (え、、、と・・・デートの定義とは・・・男女が二人で出かける事・・・うん、定義に当てはまるな・・・)と思いつつ


 (・・・葵は・・・どう思っているのかな・・・)と考えていると葵が


 「・・・内藤少尉は今日はどうしてこちらにいらっしゃったんですか?」と質問すると内藤少尉は


 「・・・偶々、休日で街をぶらぶらしていただけですよ・・・」となんだか誤魔化されている感じもしたがそれ以上の追及など出来るわけもない・・・すると葵が


 「・・・そうですか・・・そういえばなんだか店内の雰囲気が変わった様に感じますけど・・・気のせいですかね・・・」と質問をすると


 「・・・気のせいですよ、きっとね・・・」と最後まではぐらかされてしまった・・・

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