第154話 案内役・・・登場
教官達のから明日の特別休暇を与えられた自分達は、クラスメイト達は羨望の眼差しで見られていた。
「いいな、加治も小野寺も、案内役の子が可愛いといいな。」と茶化してきたので司は
「そんな事どうでもいいし、それより明日が楽しみで今日は寝れないかも。」と興奮気味に話していたので皆から
「遠足前の小学生かよ。」とツッコミを入れられたりしていた。その日は、他の学園との交流会もありドタバタしており、そうこうしているうちに、夜になり明日の予定を決める事が出来ずにいた。
(司には用事があるし、自分も魔法省の研究所でも言ってみるかなと・・・)考えつつその日は眠りに就いた。
次の日、朝食を終えると自分と葵、司は教官から呼び出された。
「川口、小野寺、加治訓練生。本日はそれぞれに第三学園の方から案内人が付く形になる。くれぐれも我が校の名に恥じる行動など無い様にする事。案内人は正面入り口にて待機しているので早速合流する事。よくやってくれた。楽しんで来なさい。」と教官の指示で自分達は正面入り口向かいつつ、司は
「なぁなぁ、総一郎、どんなカワイイ子が案内役なのかな?少し楽しみだな?」と聞いてきたが
「・・・興味ないな・・・」と司が言うと、その様な発言をしていた司に向かって
「・・・司君、最低だね・・・」と冷たい目線を浴びせてきた・・・その視線に気づいた司は
「・・・あ、でも、今日はそんな事は考えずに純粋に研究所に行ける事だけ楽しみにしてるので・・・なので・・・葵さん・・・そんな目で俺を見ないで・・・」と司が少しだけ気の毒になったのでここで一旦助け船を出す事にした。
「まぁまぁ、葵、司もこんな事言っているけど実際は、魔法バカで今回の外出も研究所での論文の閲覧しか興味が無いし許してやって。」
「大丈夫だよ総ちゃん。もちろん司君がそんな事しないってわかっているしね、」と言われ、とりあえず葵もそこまで本気で思ってない様なので一安心していると
「総一郎、も 葵も酷くね?」と少し釈然としない様子の司がいたが、その様な戯言は無視して正面入り口に向かう事にした。
正面入口辺りでは案内役の第三学園の生徒と、各学園で優秀な成績を収めた生徒が集合していた。自分達も所定の場所に移動したタイミングで、説明が始まった。
「諸君。昨日までの論文発表会、及び交流戦 お疲れ様。 成績優秀な諸君らは本日、特別休暇を付与される。 しかし、初めてここに来た者をいるだろう。よって我が第三学園の生徒を案内役に付ける。
あまり、長々と話をするものあれなので、私からは以上だ。では第三学園の生徒諸君。担当学園の生徒と合流する事。以上 解散。」と言われ、第三学園の生徒達がそれぞれの学園の生徒と合流していった。
自分達も待っていると
「お待たせしました。皆さん。」と言われた方を見ると・・・そこには先日交流戦で戦った源とと女生徒二人が居た。
「・・・先日はどうも・・・」と挨拶すると向こうも
「・・・いえ、いい試合でしたね・・・」とぎこちなく返事を返し、微妙な空気感になっていた。その空気感に、源と一緒にいた女生徒二人が気を利かし、気さくな感じで話しかけてきた。
「何二人してこの場の空気を悪くしているんですか?全く・・・失礼します。今回、加治様の案内役を務めます佐伯ともう一人が。」
「桜田と申します。小野寺様、本日はよろしくお願いいたします。」と自分達の案内役がそれぞれ挨拶をしてきた。
「あ、よろしくお願いいたします。・・佐伯さん」
「桜田さん、こちらこそよろしく。」と返事をして、一旦この場の変な雰囲気は一旦解消した感じがした。