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第152話  久々の笑い


 審判のコールで、自分の勝利がコールされてから少しの間、会場が静寂に包まれていた


 本当に少しだけの静寂の後、大きな歓声が上がった。


 「よくやった、加治、」


 「やってくれたな」と自分の学園から声援と


 「・・・すげえな・・・加治、マジで・・・」とチームメンバーの鈴木と佐藤も称賛してくれた。


 「・・ああ、自分自身が一番驚いているよ・・・」と語りつつ、源に歩み寄り


 「いい交流戦でしたね・・・」と手を差し出した。その手を源は、握り


 「・・・ええ、いい交流戦でしたね・・・・」とお互いの健闘を称え合った。その後審判の元にこの交流戦のメンバーが集まり、


 「第三学園対第六学園 火属性の交流戦  二対一で  第三学園の勝利とする。 双方 礼 」


 「「「ありがとうございました。」」」


 「「「ありがとうございました。」」」と言って握手をしながら、互いの健闘を称えていた。


 その後は自分の学園の応援席に着くなり、教官やらクラスメイト等から称賛を貰いつつも、他の属性の交流戦も終わっていなかったので、一旦この騒動の中心から逃げる事にした。


 その後、各属性の交流戦の結果も続々と判明してきたが、我が校は団体戦では、全敗、個人でも自分を含めて三勝と散々な結果であった・・・まぁ今回は第三学園に個人戦で一勝出来た。それだけでも相当の名誉になると教師陣は喜んでいたのでまぁ良しとしよう・・・・


 交流戦の表彰台は第三学園の面々が独占していた・・・それを見ながら、悔しいながらも、今まで負け続きだったのがやっと勝てた・・・それだけでも自信がついた気がした。


 その頃、表彰台を見ながら怒りに震えている人物がいた・・・・


 (・・・くそが・・・この俺が・・・あんな奴に・・・それに・・・なんで・・・葵さんは・・・)と怒りで、爆発しそうになっていた・・・しかしそれを誰にも悟られる訳にはいかなかった。近くのクラスメイトが


 「源、残念だったな完全に源のペースだったのに・・・」


 「・・・いや、自分の心の油断があった。更に精進しないとな・・・」と冷静を装っていたが、源の視線は自分を倒した加治に向けられていた。


 (・・・今頃、表彰台の真ん中は自分が居たはずなのに・・・・・)と思いつつ、表彰式は粛々と進んで行った。


 

 表彰式も終わりクラスメイトや学園の色々な人達に称賛を浴びつつ、皆の元に着くと


 「マジで凄いな、総一郎は、」


 「ホントにやったな、お前は。」と司と陽斗が、ハイタッチをしながら勝利を祝ってくれ


 「あんた・・・凄いわね・・・」と紬が言い


 「総一郎きっとできる子。お姉ちゃん信じてた。」と澪姉も褒めてくれた・・・・


 「・・・あれ、葵は?・・・」と言うと、四人共ニヤニヤしながら、


 「総一郎・・・とりあえず一旦、自室に行こうか。」と陽斗と司に両腕を掴まれ澪と紬も付いてきた。


 「え、なに、なに?マジでナニ。何なの?」と戸惑っていると


 「まぁまぁ、お気になさらず、ねぇ。」と陽斗が笑顔で言い


 「そうそう、気にしない、気にしない。ぷぷ・・」と司が笑いを堪えながら、自分は今回の交流戦の為に与えられた自室に着くと、澪が先に部屋の扉を開けて、司と陽斗が自分を自室に押し込んだ。


 「・・・え、ナニナニ?これ?・・・」と疑問を感じつつ扉を閉められると紬が扉を閉め


 「後はごゆっくり♪。」と謎めいた言葉を残していった。自分は訳も分からず


 「なにこの状況???」と疑問に思いつつ、部屋の奥に人の気配を感じたので、向かってみると


 「・・・葵・・・」


 「・・・総ちゃん・・・」と気まずい対面となった。


 「・・・・・・・・」


 「・・・・・・・・」と互いに無言になってしまいどうしようかおもっていた。


 (・・・あいつ等、後で覚えていろよ・・・)と考えていると頬に葵が手を添えてきた。


 「・・・総ちゃん、怪我・・・したんだね・・・」と悲しみながら言ってきたので


 「ああ、これは、・・・まぁ名誉の負傷といいますか・・・」と言ったが葵は潤んだ瞳を更に近づけてきた・・・・


 (あ、ヤバイ、理性が・・・・)と思いつつ、扉の方に気配を感じた・・・・そのタイミングで葵を抱きしめ、葵の耳元で小声で語りかけた。


 「・・・あの、葵・・・いい。」と葵は驚きつつ、小さく頷いだ。



 その頃、扉の外では、同郷のお節介焼き達が、おしくらまんじゅうをしていた・・・


 「ちょ、どうなの?」と澪が言いが


 「澪姉、静かに・・・」と司が口に人差し指でシィーと言いながら陽斗と紬がそんな二人を呆れながらも見ながらも決して止める事はしなかった。そうこうしている間に部屋の中から音が聞こえなくなった。


 「・・・え、マジで、まさか・・・え、・・・」と部屋の中での二人の行為を妄想しながら、興奮している、同郷の者たちに、裁きの時間が来た・・・・


 いきなり扉を開けると、仁王立ちした総一郎がいた・・・・・


 「・・・あ・・・総一郎・・・・」と司、澪  が非常にバツが悪そうな形で、そしてこれから何が起こるかもわかっていた。


 「散開。」と澪と司、陽斗、紬が一斉に離脱しようとした・・・しかし、目標は決まっていた。



 「司・・・捕まえた・・・・」と笑顔で司を羽交い絞めにした。


 「総一郎、話せば分かるだろ」と司は必死に抵抗したがその司の前に葵が現れ


 「・・・司君・・・覚悟・・・」と司のオデコにデコピンを喰らわせた・・・・


 「いってぇ・・・」と司は痛みに悶絶し膝から崩れ落ちた。自分と葵はその光景を見ながら久々にお互いの顔を見ながら笑っていた。


 






 



 


 


 

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