第150話 対戦校は・・・
葵と分かれ、一旦食堂に戻り、皆に挨拶だけしてから向かう事にした。
「総一郎。頑張れよ。」と司とグータッチをして
「総一郎 結果じゃない。そこに至る努力こそお前の財産になる。」と陽斗が言い
「まぁ、そんなに緊張せず頑張りなさい。」と紬が言い
「総一郎、自分の努力を信じなさい。」と澪の激励を受け取りつつ、葵の姿はそこには無かった・・
「それじゃ行ってくるぜ。」と控室へと向かい、控室に入室すると既にそこには、教官と他の代表生が待っていた。自分が
「すいません、教官、遅くなりました。」と言うと
「いや、まだ集合時間前だ。・・・だがこれで皆集合したので、最終確認を行うか・・・」
「「「は!!!」」」
「まずはルールの確認だ。基本は学内の試験と同じだ。なので細かい説明は省く。対戦校、対戦相手もすべて、クジにより決定する。これは我々の対戦順序もだ。なのでアレコレとやかくは言わない。今までの努力の成果をしっかりと出す様期待する。」
「「「は!!!」」」
と自分を含めた代表は返事をすると対戦順序を決めるクジを引く事にした。
「・・・・マジか・・・・・」と自分が大将役になった。
(・・・・これは、一層気合を入れ直していかないとな・・・・・)と内心思いつつ対戦校の決定までほんの少しだけ猶予が有ったので一旦、休息を取ろうとしたが、それもチームメンバーで円陣を組んで
気合を入れ直す事になり断念した。
チームメイトである鈴木が
「俺達の力をみせてやろうぜ!!」と言いもう一人のチームメンバーの佐藤も
「ああ、俺達が最強だ!!」と少々痛い発言をしながら、最後俺の発言を待っていた。自分は少し考えながら
「・・・・自分の力を信じていこうか!!我らに勝利を!!」と自分も大概痛い事を言いつつ、チームを奮い立たせていった。
早速、交流戦の会場に向かう事にしたが、その途中から物凄い緊張に襲われてきた。
(・・・マジで緊張してきた・・・こんな大舞台、前世でも経験ないし・・・)と心臓の鼓動が聞こえる程緊張しているのが自分自身で分かっていた。
交流戦の会場に着き、教官が一通の封筒を自分に差し出した。
「これに、対戦校、対戦相手、対戦順が記載されている。時間になるまで開封はしない様に。」と言って教官は自分達の傍から離れていった。ここから先は自分達の力のみで戦略等を考えなくて行動しなければならない。
そして、開封の時間になった。
「それでは各校封筒の方を開封して下さい。」と同時に他校の生徒も封筒を開封した。
開封するとチームメンバーの二人が聞いてきた。
「おい、対戦校はどこだ?」と聞いてきたが自分は少しの間固まってしまった。
「・・・対戦校は、第三学園だ・・・」と言うと二人は顔を見合わせながら、困惑していた。
日本の魔法学園は第一から第七まであり、その中でも全国から優秀な人材を優先的に集められているのが第三学園になり、その実力や論文の内容や質ともに日本の魔法学園を引っ張っている存在になっていた。
論文発表会では最優秀賞を他校より数多く受賞し、交流戦の成績は何と無敗であった。
その第三学園と対戦を回避するのは他の学園が狙っていたのだが・・・まぁこればかりはクジで運任せなので仕方は無いのだが、チームメンバーの落胆を感じていたが自分は
「よし、イッチョやったりますか!」と奮い立たせようとしたが二人の顔は暗いままだった。なので
「なに、大丈夫だ。俺は負けるのは慣れているし。」と言うと二人は苦笑いしながら
「それは、自慢にならんだろう。」と呆れつつ、緊張は少し溶けた様な感じになっていた。
「・・・そうだな、負けるのに定評のある加治が居るんだ。負けても気にしない。よし、行くか。」と気合一発。交流戦会場に向かって行った。