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第142話  名刺の効果  発動!!


 病室から飛び出し、そのままタクシー乗り場まで来た葵はそこで、へたり込んだ・・・・


 (・・・どうしてあんな事・・・恥ずかしくて・・・でも・・止められなかった・・・)と自分の気持ちに困惑しつつも、恥ずかしさで体中が熱くなっていたのを感じていた。


 そうこうしている間にも、時間は過ぎて行っている・・・早く皆と合流しないと色々大変な事になるのは目に見えていた。


 (・・・うん、早く戻ろう・・)と思いタクシーに乗ろうとすると


 「あ、おねぃちゃんだ!」とどこかで聞いた声が聞こえたのでその声のする方に振り向くとフェリーの中で治療した母親と娘さんがそこには立っていた。


 「この度は本当にありがとうございました。なんとお礼を言えばいいのか。」と母親は深々と頭を下げ感謝を述べ、娘さんの方も


 「おねぃちゃん、ありがとうございます。」と母親の真似をして深々と頭を下げたので、葵は


 「いえ、当たり前の事をしただけですのでどうか頭を上げて下さい。」とお願いすると二人は再度


 「本当にありがとうございました。この御恩は決して忘れません。」


 「ありがとうおねぃちゃん。」と再度深々と頭を下げていると、二人の元に駆け付ける男性が現れた。


 「実弥、琴葉無事だったか!!」とその男性は二人を強く抱きしめた、、、、しばらくして娘さんが


 「パパ、痛い!」との言葉で、その男性はやっと二人を抱きしめるのを止めた。


 「ごめん、ごめん、・・・本当に・・・無事で良かった・・・・」と涙を流しながら無事の再開を喜んでいると


 「パパ、あのね、あのね、お船でママ、おケガしちゃったの。でもね、おねぃちゃんが治してくれたの。」と笑顔で葵の方を指でさしてきたので、葵はその男性に軽く会釈した。すると男性は葵の方に近づき手を握りながら


 「本当にありがとうございます。なんとお礼を申し上げれば、そうだ、もし何かあればこちらに連絡を下さい。きっとあなたの力になりましょう。」と一枚の名刺を差し出して葵はそれを受けとりながら


 「当然の事をしただけですので、お気を遣わずに・・・」と葵は名刺の名前に少し驚いたが


 「本当に命の恩人ですので私にできる事がありましたらご連絡ください。申し訳ございませんが、本日はこの辺りで失礼します。この子の祖父母達も心配で今、こちらに向かっているのですが、無事のお祝いに食事会でも開こうとなりまして、そちらの会場に向かわなくてはならなくて」と深々と頭を下げてきたので


 「そうゆう事なら気にしないで下さい。もし何かありましたら、こちらからご連絡差し上げますので」と葵が返すと両親が揃って


 「本当にありがとうございました。ではこの辺りで失礼します。」


 「おねぃちゃん、バイバイ~」と三人仲良く手を繋ぎながらお迎えの車の方に向かって行った。


 その光景を見ながら葵は少し考えてしまった。父親が総一郎、母親は自分・・・そして・・・

非常に恥ずかし妄想を考えていたが・・・・


 (・・・そんな・・・未来は・・・・)とその様な未来は来ないと感じつつタクシーで駐屯地に向かう事にした。


 駐屯地の手前で降り、駐屯地に入ろうとしたが駐屯地正面入り口はマスコミや野次馬で大混乱の様相だった。どうしようか考えていると、入り口付近でマスコミ対応をしていた教官達に見つかりそのまま駐屯地の中に連れて行かれた。教官の一人が


 「川口訓練生何をしていた!!この混乱していた時に!!」と非常に怒りながら聞いてきたので


 「申し訳ございません。フェリー乗船中に治療した方に会っており・・・これが名刺です。」

 と、葵が説明し証拠として、貰った名刺を見せようとすると

 

 「何が、名刺だ。この緊急時に・・・」と教官の顔色が変わってきた。


 「・・・あの、これは、川口訓練生・・・その・・・」と先程とは打って変わっての表情に葵は内心思うところもあったが


 「はい、フェリー内で治療を行った方のご主人の名刺です。大変感謝され、困った事があればいつでも連絡をくれて構わないとおっしゃっていましたが・・・木下教官まだなにかございますか?」と聞くと


 「・・・いや、構わない、、。」と名刺のおかげで、お咎め無しになり、その後、澪達と無事に合流できた。


 「葵、どこにいたの?!!」と澪が言ってきたので


 「・・・ごめん、その・・・」と葵の発言が終わる前に


 「今、各クラスごとに点呼して、部屋を割り振っているから、向こうに行きましょう。」と一緒に向かう事にしたが、そのタイミングで澪が葵の耳元で


 「ところで葵、総一郎は元気だった?」


 「うん、大丈夫そうだったよ。」と葵が答えると、澪は苦笑いしながら


 「・・・やっぱり、行ってたんだ、皆スグに移動したのに一人だけ残って二人の時間を楽しんでいたのね♪」と言われたところで、葵は澪の言いたい事を理解し


 「あ、その、これには・・・」と言い訳を考えていたが


 「お姉ちゃん、葵が悪い子になって悲しいわ。」と澪は葵の事を揶揄いながら、葵は顔を赤い顔になりながら、皆の元に向かって行った。


 

 その後、葵は 澪や紬 その他クラスの女子からの質問攻めに、、、、


 


 


 




 


 

 

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