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第141話  頬の感触・・・・


 再び病室で目を覚まし窓の方を見ると既に夕日も水平線に沈もうとしていた。


 (・・ああ、皆無事で良かった。・・・)と思いつつ、体を起こすと


 「お目覚めですか?」と内藤少尉に聞かれたので


 「・・・ええ、今一瞬心臓が飛び出るほど驚きましたけど・・・」と率直な感想を述べると


 「それは、申し訳ありません。・・・少しお聞きしたい事がありまして・・・」と神妙な顔つきで聞いてきたので


 「はい、俺でよろしければ・・・構いません。」と述べ内藤少尉の質問に答える事になった。


 「あの魔法攻撃はあなたが行った。それは相違ないですね。」


 「はい。」


 「使われた魔法式は今まで見た事の無い、いえ、通常ではあり得ない威力と射程を誇っていました。それについては?」


 「・・・すいません、それに関しては答えられません・・・」と言うと


 「では、質問を変えます・・・あなたの属性は ”火”  そして小野寺訓練生の属性は ”風” ですね。」


 「・・・はい。」


 「それでこの件について守秘義務が課されていますね。」


 「はい・・・。」


 「・・・そうですか、、、ではこれ以上は無駄と言うものですね。・・・分かった今日の所はこちらで失礼します。」


 そう言って、内藤少尉は病室から退室していこうとしたが、自分の方に近づき耳元で呟いた。


 「今回の件、非常に厄介な事案になっています。くれぐれも注意して下さい。困った事がありましたらこちらの方へご連絡を。・・・この連絡先はくれぐれも内密に・・・」と小さい紙を渡して病室から退室していった。内藤少尉を見送った後、その紙を枕の下に置いた。誰にも見つからない様に・・・


 内藤少尉が退室すると同時に陽斗、紬、澪が入れ替わりに入って来た。少し後に司も入ってきたのでその後様子を確認すると、非常に大きな出来事として、ニュースになっており、犠牲者も多く出たとの事


 「・・・そっか、駆逐艦の乗員に犠牲者が出たが、フェリーに乗っていた人達は、混乱による軽傷十数名か・・・」と多少やるせない気持ちになってしまったが、今は皆が無事であった事に一安心しよう


 と、思っていたが澪姉が


 「そういえば、総一郎、葵が怒ったままなんだけど・・・この件は自分で対処しなさいね。」と言われてしまい、とりあえずどう葵に許しを請うか考える事にした。




 そんな会話を病室でしている頃、病院の片隅で



 「・・・今回の件は・・・魔法庁と国防省の大失態です・・・申し訳ごさいません・・・はい、加治、小野寺訓練生の処遇に関しては・・・はい、はい、・・・かしこまりました。では失礼します。」と電話を切る内藤少尉は目の前にいる人物に一礼しその場を後にした。


 

 しばらくして自分と司は今日は念のため入院する事になったので、他の皆は急遽取ったホテルに行く事になり、皆病院からホテルに向かって行った。その後検査を行い、病室に向かっていたが、いつもは仲良く同じ病室なのだが、今回は別の部屋割りになった。


 

 大部屋だが、自分一人しかいないので少し寂しく感じた。


 少し早めの夕食を取りトイレに行って病室に戻ってきて


 「・・・はぁ・・・寂しいな・・・・・」と独り言をボソッと呟くと


  

 「・・・そうなんだ・・・」と返事が聞こえた。


 「え・・・」と少しの間固まっていると何故かそこには葵が居た・・・・


 「え、あれ、・・え・・」と混乱していると葵が


 「・・・その、体は大丈夫?」と聞いてきたので


 「ああ、大丈夫、大丈夫、。明日には退院できるし、今日はあくまでも念のためだし。」


 「そっか、・・・総ちゃん・・・目をつぶって・・・」


 「え、なに・・・?」


 「いいから!!」と葵の迫力に押され目をつぶると、葵の温もりを感じ、、、耳元で


 「・・・ありがとう・・その・・・・・・かっこよかったよ。」と言わた。その瞬間、左の頬に何かの感触を感じた・・・


 「・・・じゃ、おやすみなさい・・・・」と病室を飛び出していく葵を追う事も出来ずにそのままベットの上で固まっていた。


 


 

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