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第140話  再びの病室で・・・


 目が覚めると見知らぬ天井が見えていた



 (あれ、俺・・・死んだ・・のかな・・・・)と考えていると右手に温もりを感じたので視線を移すと、葵が手を握りながら、寝息を立てていた。その光景を見て


 (ああ、守れたんだな・・・良かった・・・)と思いつつ葵の頭を撫でると、


 「・・・う、、、ん・・・・総  ちゃ・・ん・・・総ちゃん!!」と泣きながら抱き付いてきた。


 「ああああ、葵さんあの、その、えっと、、、」と混乱している自分を他所に葵は


 「死んじゃったかと思った。・・・本当に・・・バカ バカ バカ・・・」としばらく泣きじゃくりながら 胸の辺りを軽くポカポカ叩いてきた。その時・・・自分の選択で ”死” を認識し急に恐怖を感じた。

 

 (・・・俺は・・・なんで・・・あんな事を思って・・・)と思いつつ、今度は自分が葵を強く抱きしめた。


 「え、え、え、あああ、ああの、、、総ちゃん、、、あの、あの、、、」と葵が物凄く困っているだろうがそんな事お構いなく抱きしめていた。そんな時


 「えーと、、、よろしいかな?」と気まずそうに一人の女性が病室に入って来た。


 「・・・あ、あなたは・・・内藤少尉・・・でしたね。」と葵を抱きしまたまま言った事で遂に葵が怒った。


 「総ちゃん、本当に心配したのに・・・バカ!!」と言って病室を飛び出してしまった。心の中で


 (しまった、やり過ぎた)と反省しつつ病室に入って来た内藤少尉に


 「・・・お久しぶりです。・・・よく病室でお会いしますね・・・」とあまりうれしくない状況での再会に、お互いに苦笑いしながら


 「そうですね、ここまで入院する生徒も見かけませんね・・・」と内藤少尉は呆れていた。


 ここで、司の事を思い出し、隣のベットを見てみたが司の姿は無かった。


 「あれ、司はどうしましたかね?」と聞くと内藤少尉は厳しい顔つきになり


 「・・・あなたの親友は・・・残念でしたが・・・」と深刻な顔つきで言ってきた。


 「・・・え、・・・噓ですよ・・・ね・・・う、、、、」と内藤少尉は首を横に振った。

その瞬間世界が真っ暗になったかと思った。


 「・・そ、そんな・・・俺が・・・おれが・・・」と茫然自失としていると、陽斗や紬、澪姉が病室に入って来た


 「おう、総一郎大丈夫か?」


 「大丈夫?総一郎」


 「総一郎、本当に心配したんだから」と三人の声もほぼ聞こえていなかった。


 「・・・司が、、司が、、、俺のせいで、、、」と自分の想いを上手く言葉に出来なかった。


 三人共、神妙な顔つきでしばらくの間沈黙が流れたたが、意を決して陽斗が語りかけてくれた。

 

 「・・・実はな・・・総一郎、司は・・・」と言った所でいきなり病室のドアが開き


 「ジャジャジャジャーン、小野寺 司  参上!!」といきなりの登場に頭の回転が追い付いてこなかった。


 「いやー、ちょっとドッキリしてみたくなって、内藤少尉にお願いしたら快く引き受けて貰ったし、皆も中々の演技だったでしょ?」といつも通りのお調子者な司に自分は手招きをして


 「え、俺も葵みたいに抱かれるのかな?」と、とぼけた事を言っていたので自分は枕を両手でしっかり持ち、何度も何度も司を枕で叩いた。


 「本当に、本当に、本当に、本当に心配したんだぞ、この馬鹿たれ!!!。やっていい事と悪い事位区別付くだろ!!!!!」と、枕で叩いていると、看護師さんが現れ


 「ここは病院です!!お静かに!!!」との剣幕に


 「・・・はい・・・」と自分は大人しくなり、そして


 「無事だったか、」とやっと司の無事を確認してホッとした。


 「おう、少し擦り傷ができただけだが他は問題無しだぜ。」と笑顔で言う司を見て少し安心しその後陽斗、紬、澪姉の無事を確認して


 「・・・そっか、皆も無事でよかった。」と安心したタイミングで再び気を失ってしまった。


 

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