第134話 詳しくは事務局に・・・
教官達から、事実の隠ぺいを言われた自分達は、心の中で葛藤しつつも、気持ちを切り替えていく事にした。今の自分達はただの訓練生であり、命令には従う事が絶対だった。分かってはいるが釈然としない気持ちのまま、寮に帰ろうとしていると懐かしい人物に会う事になった。
「お久しぶりです。覚えていますか?」とその女性記者は聞いてきたので
「いえ、全く覚えがありません。失礼します。」
「同じく失礼します。」と自分達はその場を離れようとしたが、女性記者は自分達の行方を阻み
「・・・覚えていますよね・・・・今日はお二人に噂を確かめたくて・・・・」と言われたが
「すいませんが、事務局に聞いて下さい。自分達から言えるのはそれだけです。」と足早に帰ろうとしたが
「魔法を使いましたよね・・・地元で・・・」と核心をついてきた。
(・・・ヤバイ・・・このことが世間にバレると・・・色々問題が・・・)と自分達はどうしようか悩んでいると寮の方から葵が出てきた。
「総ちゃん、司君、早く、早く皆待っているよ。」と最初は何のことか分からなかったがそれが助け船だと感じた自分は
「・・・ああ、分かったよ。葵。じゃ、すいませんが、後は事務局に聞いて下さい。行こうぜ司。」と行こうとしたが、
「いえ、この件は非常に重要な事です。是非ともお聞かせ下さい。」と執拗に聞いてきたが葵が
「真木さんでしたか。これ以上はこちらも看過できませんがよろしいでしょうか?」と強く言ってきたので
「あら、私の名前を覚えていてくれてありがとうございます。ですが・・・」と真木記者が更に追及しようとしたタイミングで、学園の方から教官達が駆け付けてきたのが見えたので
「・・・分かりました。今日はこの辺で失礼します。」と言って退散していった。
少しの間、意識が飛んでいたが
「・・・・ちゃん、総ちゃん。」と葵の問い掛けに
「・・・ああ、葵・・・ありがとう。助かったよ。」とお礼を言い司も
「本当に助かったよ。マジで何なのアレ?」と少し怒り気味になっていたが
「・・・そうだね・・・さぁ早く戻ろう。もうすぐ夕食の時間だし。」と自分達は寮に戻る事にした。
寮に戻り夕食、入浴、自習を終わらせて、その日は眠りについた。
その騒動から少し経った頃に、交流会の選抜メンバーの発表があった。
当然ながら葵は論文発表メンバー入りを果たし、それ以外では、なんとにも自分が交流戦の代表入り、司も論文発表メンバーになり、それ以外では残念ながらメンバー入りは出来なかった。
「凄いじゃん、さすが葵だね。お姉ちゃん誇らしい。」と澪姉がが嬉しそうにいい
「葵、頑張ってね。でも問題児二人がまさかの代表団入りとは」と紬が驚き
「そうだね、本当にびっくりした。」と陽斗も驚きを隠せなかった。
「・・・俺が一番驚いている・・・」と司も驚きを隠せず自分は
「・・・マジか・・・」と呆然としていた
「葵達は今後、代表の実演の練習とかあるし大変だよね。交流会では模擬戦もあるんでしょ?」
と今までの嫌な記憶を思い出していると
「大丈夫。模擬戦だから、危険は無いし、開催元は国防省魔法庁の管轄だからそれこそ問題なんておこせないよ。」と葵の発言も
「でも、男性陣は模擬戦に勝った事ないしね~、まぁ怪我しない様に気を引き締めて。」と澪姉が優しい言葉を掛けてくれた。
「俺も何かあれば協力するよ。」と陽斗も協力してくれるみたいだし
「しょうがない。色々フォローしてあげるわよ。」と幼馴染全員で協力体制を目指していった。
その日の放課後、早速各属性ごとに、模擬戦の訓練を始める為実習室に集合した。自分は少し緊張していると声を掛けられた。
「・・・よろしくな、加治・・・」と鈴木 漣が話しかけてきた。同じ火の属性クラスだが、一年の時からあまり交流は無かったので少し驚いていたが、教官達が交流会の模擬戦のルールを教えてくれた。
「交流会の模擬戦は各属性の一対一での試験だ。勝ち抜き方式で、選手は各属性三人ずつ。試合に出るからには我が校の名誉も掛かっているのでしっかり準備を行う事。」と述べ各属性ごとに実践訓練を始める事になった。