第131話 無事に終われば・・・
本日は2001年8月31日 夏休み最終日前日 久々に全員集まり提出する課題の確認等を行う事になっていたが約一名課題と向き合っている人物がいた。・・・・司である・・・・
「ほら、司、もう少しだから頑張れ。」と陽斗が気合を入れていたが
「もう、無理だよ陽斗・・・後は・・・任せ・・」
「いいから、あんたの課題なんだから、さっさと手を動かしなさい。」と紬の発言に
「全く本当にギリギリになるなんて信じられない。」と澪姉が追撃する
「まぁまぁ、二人共。司君結構頑張ったし・・・ねぇ・・・」と葵のフォローも
「でも、問題児が二人も要ると大変だよね。」と葵以外の三人の目線は自分と司に向かってきた。
「・・・いや、あれは・・・・」と言い訳をしようとしたが
「葵が見逃していなかったら、あんた達、懲罰委員会行の上、どうなっていたか分かってるの?」と紬に怒られた。その会話を聞きつつ司が
「・・・もう、勘弁して下さい。二度と迷惑は掛けませんので。」と半泣き状態になりながらも課題を進めていった。
司以外の面々はお互いに学園に戻る準備も終わり、交代で司の課題の手伝いと言う名の監視作業をしつつ、夏休み明け後にある、他校との交流会や魔法理論の発表会に課題は移っていった。
「交流会に発表会に忙しいわね。」
「そうね、まぁ、私たちはそんなに大した事無いと思うけど、葵は大変よね。」と澪姉が言うと葵は
「・・・はぁ、あんまり目立つ事好きじゃないんだけどな・・・」と叶う事の無い願望を述べたが
「無理無理、葵は複数属性持ちの上、聖魔法の使い手なんだから交流会でも大人気間違いなしだよね」と紬が言うと
「全く、大変だよね。・・・特にあの噂は気になるわよね・・・ねぇ。総一郎。」と澪姉が少しニヤニヤしながら、自分を煽ってきたが自分は沈黙を守る事しか出来なかった。
「普段会う事の無い他校生との出会い。そんな状況になったら浮かれるのもしょうがないわよね。」
との澪姉の発言に
「・・・紬もそうなの?・・・」と陽斗が聞くと
「興味が無い。私には陽斗がいるし。」と紬はあっけらかんと答えた。その答えに陽斗は顔を赤くしながら
「分かった。俺が野獣達から紬を守るよ。」との発言に今度は紬が顔を赤くしながら
「・・・・お願いします。・・・」と答えつつ、部屋の中がなんとも言えない空気になってしまったタイミングで司が
「・・・すいません、自分は彼女いないのでそんな事されると悲しくなるんですけど・・・」と司の弱々しい抗議も
「あ、司どう調子は?」
「司頑張れよ。」と紬と陽斗の素っ気ない返しに、司は
「・・・はい、分かりましたよ・・・」としょんぼりしながら課題に向かっていった。
司の課題を交代で見つつ時間は刻一刻と過ぎていった。 そして・・・・
「・・・・うん、問題ないね。」と葵のお墨付きを貰った。 そう、司の課題が無事に終了した。時刻は夜の6時を少し過ぎた所だった。
「・・・・終わった・・・・うん、終わった・・・・本当に皆・・・・ありがとうございました。」と司は皆に感謝を述べた。皆は疲労困憊になりながらも
「良かったわね・・もう次は無いからね。」と澪姉が注意し
「次は見放すから。」
「そうだな」と紬と陽斗が、もう懲り懲りと思い
「司君はもう少し・・・いや、かなり計画的に課題に取り組もうね。」と葵にやんわり怒られ
「・・・司・・・・よく、頑張った。・・・おめでとう。」と自分は感動しつつもう手伝う事は無いと心に誓った。
その感動の最中に母親が来て
「あら、ちょうど終わったかしら。皆、庭でバーベキューをするから男たちは準備を手伝って。女性陣は、野菜とかの準備を手伝ってね。」と皆のテンションが上がって行った。
「ほら、皆迅速な行動で準備するわよ。」と紬の合図で皆の華麗なチームワークのおかげですぐに準備は終わった。
準備も終わり、乾杯の挨拶は司に任せる事になった。
「・・・え、・・・本日はお日柄もよく皆様の協力で・・・」と司が言った所で
「カンパイ~」と紬の発言でバーベキューは始まる事になった。