第129話 次の日の予定
皆からの温かく厳しい激励を受け取った司は、午後も課題に取り組み気付けば既に夕方になっていた。
「今日はここまでにしようか。」と澪姉の提案もあり、今日はここで解散という流れになった。
「ところで、明日はどうしようか?私は親に頼まれ事されてるし・・・」と澪が言うと
「自分も。」
「私も。」と陽斗と紬も答えたので司が
「二人でデートかな?」と茶化すと
「残念。私と陽斗も家の手伝いよ。」と紬が返して
「そうそう、片付けとか、畑とか色々大変だよ。」と三人共、明日以降は中々集まるのは難しそうとの事だったので葵が
「しょうがないよね。皆も用事もあるだろうし、司君はどうなの?」と尋ねると
「・・・・この惨状見た母親の怒りがトラウマになりそうなくらい怒られた。・・・・」と少し遠くを見ながら
「・・・・葵がよろしければ明日もいいですか?」と申し訳なさそうにきいてきたので
「しょうがない・・・ここまで来たら最後まで面倒みてあげるから」と明日以降も勉強会を開く事を決めたが、自分はどうしようか迷っていた。
(葵にこれ以上の負担は・・・大変だよな・・・自分の分は何とかなるだろうし・・・)と考えていたが心の片隅で
(でも、葵と司が・・・二人きり・・・て、何考えてんだ俺は・・・)と心の中で葛藤していると
「総ちゃんはどうする?」と、葵が聞いてきたので
「・・・俺は・・・自分で頑張ってみるよ。」と言うと葵は少し驚いた様子だったが
「・・・そうだね、でも、分からない所があったら遠慮しないで聞いてきてね。」と優しい言葉を頂いたが、すぐに葵は顔を背けてしまった。
「葵、どうした?」と聞いても答えてくれずに周りを見渡すと再びの温かい目線を感じつつ、自分の顔の表面温度の上昇を感じつつ、その日はそこで解散となりそれぞれの家に帰っていく事になったが、帰りの道中に司が
「総一郎はなんで、来ないんだ?」と聞いてきたので
「出来の悪い生徒が二人だと葵も大変だろ。それに・・・。」
「それに?なんだよ?」と司が再度聞いてきたが
「自らの努力も大切て事だよ、司。」と陽斗が言い
「そうそう、いつまで葵に頼ってばかりも出来ないしね。」と紬が言うと
「そうね、私達も2学年も折り返し・・・・一緒にいられるのも後僅かだしね・・・」と澪姉が少し寂しそうに言うと、なんとも言えない空気になってしまった。しばらく何も言えなかったが
「でも、今まで過ごした思い出は決して無くならない。そうだろ皆。」と司が言ったので
「・・・そうね、今回の司の悲劇は永遠に語り継がれる事になるわね。」と澪姉が言うと
「「「全く、その通り」」」と司以外の三人は深く頷いた。
その光景に
「・・・今日の俺の扱い・・・酷くない?・・・」と少し、イジケ気味になったので最後に四人で
「「「「自業自得だから仕方ない」」」」と止めを刺して、そこで、各々帰宅の途に着いた。
葵は自分の課題を進めつつも明日の司の課題をどう進めていくか考えていた。
(全く、司君ももう少しだけ自分で進めてくれればいいのに・・・これ、本当にギリギリだよ、少しは総ちゃんを見習ってほしい・・・でも・・・)と心の中では分かっているのに、スッキリしない事を葵はもどかしく思っていた。