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第114話  仕事終わりに・・・


 迷惑客の対応も終わりた頃には既に夜の9時になろうとしていたがまだ仕事は終わりではない。



 (いや、正しくは終わっている。この後は・・・宴の時間だーーー。)と心の中で叫んでいた。


 ここの大将の料理の腕は一流シェフ顔負けの美味しさで前世でも味わった事のない、正に美味の宝石箱であった。


 (これが楽しみでここでの手伝いをやっているんだよね。)とルンルンで宴の用意をしていたが葵は先程の出来事を引きずっていており少し元気が無いように見えた。


 (どうするかな・・・とりあえずここは美味しい物を食べてもらって元気を出してもらうか)と考え

 

 「葵、今日はお疲れ、とりあえずご飯にしようか・・・な、そうしよう・・うん・・」と不自然になったがそれを見て葵は


 「・・・大丈夫だよ総ちゃん、・・うん、そうだね今日は大変だったし一杯食べないと。」と元気になった様だった。


 その後の食事はいつも以上に大将が気合が入りまくり、いつもは賄いでは使わない様な高級な食材を多用してしまい、それがバレた時の女将さんの笑顔が忘れられなかった。その後の宴も終わり自分と葵は帰る事になった。


 「総一郎君、葵ちゃん今日はありがとね。本当に助かったわ。・・・葵ちゃん、本当にごめんなさいね。」と女将さんの感謝と謝罪に


 「いえ、大丈夫です。・・・でも、あの方達の事は・・・・」


 「明日になればお酒も抜けて反省するでしょ、それに何かあっても大丈夫だから気にしないで、」


 「・・・はい、分かりました。・・・本日はありがとうございました。貴重な体験ができて良かったです。本当に。」と笑顔で返す葵も見ていると大将が


 「二人共、お疲れ様・・・本当にすまなかったね、・・・あのもう少し位いても・・・」と怯える大将に向かって女将が


 「あなたには少しお話がありますので、よろしいですね・・・二人共、もう遅いし風も出てきたので気を付けて帰りなさいね」と大将のお願いを遮って自分達の帰宅を促した。確かに先程から風が出てきた。確か台風が接近してきていると天気予報が出ていたので早めに帰る事にした。


 「では、本日までありがとうございました。」と感謝を伝え、葵も


 「一日だけでしたが色々経験でき、ありがとうございました。」と言って早速帰宅の途に就いた。


 帰りの道中・・・何故か葵との間に会話は無かった。


 (・・・なになに・・・なにかあった?・・・・気まずい・・・・)と考えながらモヤモヤした気持ちのまま、自宅に着いたので


 「・・・じゃ、葵今日はお疲れ様・・また・・・」


 「・・・総ちゃん!・・・」といきなり呼ばれ


 「ヒャイ、・・・何か・・・」と変な返事が出てしまった。


 「・・・あの、その、・・・・そういえば英語の課題の進捗悪いんでしょ?状況を見たいからちょっとお邪魔してもいい?」と聞いてきたので


 「へ・・・」と言葉を失いかけたが気をしっかり保ちつつ


 「・・・不味いでしょ・・・もう夜も遅いし・・・ねぇ、・・・」と遠慮しようとしたが


 「でも、明日は台風で来れないと思うし・・ちょっと見て直ぐに帰るし大丈夫だよ、」との事だったのでお言葉に甘える事にしたが・・・・・理性を強く持つと心に誓う事にした。

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