第105話 帰省後・・・
本日は今学期最終日になり、担任の教官から成績表を貰い次学期の予定の説明があった。
他校との親善交流会や生徒会長選挙と学生らしい?イベントが続く事になり忙しい学期になりそうな感じで予習復習が大切になると思い気を引き締めていかなければと、決意も新たにしたところで、終業式に向かい学園長等の退屈な話を聞きつつ葵の姿を探したがその姿を見掛ける事は最後まで無かった。
終業式終了後、皆で集まり
「総一郎・・・葵見た?」と澪が聞いてきたので
「いや、見てない。」と答えるのが精一杯だった。紬と陽斗が教官室に向かい事情を聴いて来る事になり、自分達はそれを、自習室で待つことにした。
「何だろうね、葵・・・どこに・・・」と澪が心配していると
「大丈夫、うち等みたいに入院してるわけでもないでしょ。・・・本でも読んで落ち着こうよ。」
「・・・司・・・本・・上下逆・・・」
「・・・・うん・・・・マジで何だろう?」と疑問に思いつつ時間だけが過ぎていた。
「皆お待たせ。」と言って陽斗と紬が戻ってきた。時間にして10分位だったがもっと経過した感じもしていた。
「葵は東京にある本校に急に呼び出されたんだって。詳しくは良く分からないけど向こうでしか出来ない検定や試験とかをやって3日間だけこっちに戻ってくるみたい。」と言われ少しホットした。
「・・・そっか・・そういう事ならしょうがないな・・・」と寂しさもあるが、仕方ないと思いつつ6人揃わずの帰省になって残念な感じではあったが、気持ちを切り替えて帰省する事になった。
いつも通りのバスに揺られ久々の地元に戻り、皆の家族との久々の再開に涙を流しながらそれぞれの自宅に向かって行った。自分はいつも隣にいた想い人の事を思いつつ、自宅に戻る事になった。
自宅に着き玄関を開けようとすると扉には鍵が掛かっていたので鍵を使い、開け
「ただいま~。」と誰が居るでもないのに、挨拶をして、手洗い、うがいを済ませ自室に戻り、畳の上でゴロンとなった。
(・・・・・ハァ・・・・葵と少し離れただけでこれか・・・・・ホントに俺は・・・・)と感傷に浸っていると、
「あれ~総、お帰り、・・・あんた風呂にも入らず何してんの?」と母親が部屋に入って来たので
「ただいま、今、入ろうとした所なんだよ。」と言うと
「あら、そうなの、葵ちゃんいないから寂しいのかと思っちゃって。」と人の心が読めるのかとドンピシャの事を言うので
「・・・早く、部屋から出って行く。年頃の男子なんだから。」と言って母親を部屋から追い出し風呂に入ってサッパリした後、夕食にした。夕食時に母親が
「総は何か用事あるの?」と聞いてきたので
「・・・一杯の課題に自主鍛錬・・・やる事は無限にあります。」とクギをさしたが
「近くの民宿のオジサン知ってるでしょ?ちょっと腰を痛めてお手伝いに行ってくれない。」
「・・・・ほぼ決定事項みたいだな・・・・」
「まぁまぁ、そう言わず、じゃあお願いね。」と自分には拒否権は無い事になった。
「・・・ん、了解・・・」と渋々了承した所で
「ああ、そうそう朝6時から夜の21時までだからよろしくね。」