第102話 佐々木の行動
真木記者との後、しばらく考え込んでいると
「あれ、総一郎じゃん。・・・奇遇ね・・・何してんのこんなとこで。」と紬が少し挙動不審になりながら聞いてきたので
「書店には、本を買いに来る。目的はそれだけ。」と述べると
「でも、ここの書店、文具に雑貨に色々取り揃えてるよ?」と返してきたので
「・・・まぁ、そうだな・・・。」と返事をしたが
「なによ、元気ないじゃない。」と心配されたので
「・・・さっき、この前あった記者の真木さんに会ったんだ。・・・今回の試験時の件で色々あるって・・・。」と言うと
「大丈夫。私達はなにがあっても味方だから。」と言って元気づけてくれた。
「・・・そうだな、俺、まだ子供だし、だからな気にしても何も変わらないな。」と前を向くことにした。
「なにそれ、いつもは大人ぶってるのに、・・でも、少しは元気出た?」
「ああ、・・さてそろそろ帰ろうかな。」と言った所で
「あれ~紬じゃん何してんの?」と澪が白々しく聞いてきたので、
「澪姉に恵ちゃんも・・・何・・・偶然・・・?」と多少疑問に思っていたが
「こんな事も有るんだね・・皆で軽くお茶でも行こうか?」と澪が強引に言ってきたので
「そうですね、・・紬先輩も早く行きましょう。」と更に強引に言ってきたので紬は
「・・・・何か・・・隠してない・・・皆・・・?」と気づかれたのか?と思ったが
「そういえば、陽斗も居たな、よし、一緒に誘うか?」と言うと
「・・・そうなんだ、まぁ、いいんじゃない。・・」と少し顔を赤らめながら言ってきたので
「・・・よし、そうと決まれば、早速電話をするかな。」と連絡をするとすぐに連絡が付き、偶々司とも一緒だったので、すぐに合流する形になり、後は葵に連絡しようとしたが、何故か連絡はつかなかった。
「どうしようかな?」と言うと
「今から、合流ですと遅くなりますし葵先輩にも用事もあるでしょ、ここは早く行きましょう。」と佐々木さんに押し切られ、いつも行く喫茶店ではなく、近くのファミレスに向かい、何故か佐々木さんが隣の席に着き、その後はずっと自分の隣から離れる事は無かった。
その後は、皆で帰寮する形になり疲れたのかバスの中で皆眠っていたが、自分と佐々木さんは会話をしながらだったので眠らずにいた。
「今日は楽しかったですね。」
「そうだね、・・・お似合いの二人がとても羨ましいよ。」と想い人の事を思いつつ窓の外の夕焼けを見ながらボケ~っとしていると佐々木さんが
「・・今、・・・葵先輩の事・・・思っています?」との問いに
「・・・なんでそう思うの?・・・」との返事に
「・・・少し、寂しそうな顔をしていたので・・」
「・・・そう・・かもね・・・」と言った所で佐々木さんが
「・・・私と・・・付き合って・みますか?」との告白に自分の時は止まった。