第101話 真実を追求する記者
二人を残し自分達は大型書店に向かっていた道中で佐々木さんが
「二人共お互いを大事に思っているんですね。本当にお似合いです。」と言うと
「でしょ。」と何故か澪がドヤ顔をしてきたので
「澪姉は関係ないでしょ。」と司がツッコミを入れながら二人の今後に楽しみを持ちつつ書店に着いた所で各々買いたい書物コーナーに別れて行った。澪と佐々木さんがファッション誌コーナーに、司が鉄道関係のコーナーに、自分が歴史などのコーナーに行く事になった。
歴史関係の本を見ながら
(・・・やっぱり少し違う・・・あの時から違っているのか・・・・しかし、南極大陸は不毛の土地なのにどうして文明が・・・いやそれこそ・・・)と疑問に思いつつ色々な本を見ていると、いきなり後ろから声を掛けられた。
「あれ、総じゃん何してんの?」と陽斗が声を掛けてきたので驚いた自分は少し挙動不審になりながら
「・・・あれ~陽斗じゃん何してんの?」と精一杯誤魔化してみた。その明らかな態度に陽斗は
「・・・大丈夫か?今日は何を買いに来たんだ?」と聞いてきたので
「・・・・いや、少しブラついていただけだよ。・・・うん、・・・」と更に挙動不審になりつつ
「・・・陽斗は何しに来たんだ?」と的外れな質問をしてしまった。
「・・・ちょっと漫画を買いにきたんだ。・・・」と陽斗の少し言いよどんだ。その理由を知っていたがあえてその事には触れない様にしてやり過ごそうと思い。
「・・・そうか、じゃ、俺まだ見たいコーナーがあるからまた後で寮でな。」と不自然な形で会話を終わらせ陽斗とはそこで一旦別れる形になった。
陽斗と別れた後、書店内を適当にブラついていると目の前のコーナーに紬が立っているのが見えたので声を掛けようとしたが思いとどまる事にした。
紬が立っていたコーナーはブライダルコーナーであったので、ここは声を掛けずに過ぎ去る事にして外の自販機に行く事にした。お茶を買って飲みながら想い人の事を思いながら、空見上げていると
「お久しぶりですね。」と声を掛けられた。
「・・・え・・・・と・・・」と見た事はあるのだが名前を思い出せずにいると
「真木です。お忘れですか?」と言った所で思い出した。
「・・・どうも・・・」と少し警戒しながら返事をした。
「そんなに警戒しないで下さい。今日は別件での取材でして、偶々見かけたのでお声を掛けただけですので。」と言ってきたので
「・・・具体的には?・・・」と返すと
「それは、秘密です。」と返してきたので
「・・・では、失礼します。」と離れようとすると
「気になりませんか・・・事故の原因・・・」と言ってきたので
「・・・何が望みですか?・・・」と聞くと
「あなたの幼馴染に幾つか聞きたい事がありまして・・・」
「お断りします。」ときっぱり断りその場を離れようとすると
「今回の件。学園の・・・いえ、もっと上の方でも注目されています。お気を付けて。」と言って離れていった。
(・・・・これ以上のトラブルは御免だけどな。・・・)と思いつつ暑い日差しの中、セミの音が絶え間なく続いていた。