第八十六話 ユニークニストスクールの説明(三)
ーー男性組ーーーー
寮内を歩いていると徐にバロンが聞いてきた。
「君もそうだけど、あまり会話に入らない人が多いね」
会話に入らない人というのは迅澄、美結、華花実のこと。
「別に入っていいが、それぞれ違うからね。僕は選んでいるから。一人は入ろうとしてるけど入らない。一人はそもそも入ろうとしていないから」
「まぁ、日本人は奥手な人は多いからな。そういうバロンはどうなんだ?」
日本人のほとんどが奥手じゃないけど、そういう人はいる。
「僕は別に奥手って訳じゃないよ。ただ、顔を見られたくないだけだから」
「見られたくないことがあるのか?」
「いや、表情を見られたくないだけ。だって、表情が一番相手の感情を知ることができる。だから、見られると相手から自分を顔から判断し、感情を読み取られるのが嫌って訳」
「でもそれが友達ができない原因じゃないか?」
「不気味ってことでしょ。だったとしてもかわるつもりないよ」
「まぁ、そうそう直せるもんでもないな」
人の癖とか苦手ものとかはすぐには直せない。
だけど、いつまでそのままっていうのもよくはない。
まぁ、どうするかは人それぞれではあるけど。
「それで部屋を見るのに君達の誰かの部屋に行こうと思うんだけどさ」
「僕はでいいぞ」
「てか、誰でもいいと思うが、結局最初なんですから」
「では、太助さんの部屋に行きましょう」
という訳で太助の部屋に行く。
「ここに身分証をかざせば開くよ」
「こうか?」
太助は言われた通りに扉にある身分証を認識する装置にかざす。
そうするとガチャっといい、開いた。
四人は扉を開いた。
中はシンプルにキッチンにユニットバス、そして奥にワンルームあるという感じになっていた。
「生活する分には申し分ないほどだな」
「そちら側がどんなんか知りませんが、最低限の物は置いてあります」
家具家電は既に置かれており、生活するには問題なさそうだ。
「でも、広いですね」
「そうですか?これが普通ですがね」
でも、奥のワンルームはアパートのワンルームよりも広い。
「基本的にお風呂はここで入って下さい。この学校には別にお風呂はありません。食事についてはここ、もしくは食堂というかレストランがありますので、そちらでも大丈夫です」
こちらではお風呂とトイレが同じ部屋にあるユニットバス。
モイヒェルメルダー学園では別々になっていた。
食事についてはあまり変わらないようだ。
「それと自分の好みに変えてもいいですけど、そんなにいないんだよね」
「そうだな」
「なら、変えないというのも考えて下さい。帰る時に面倒くさかないと思えばですが」
迅澄達は体験入学しているもんで、数日経てばモイヒェルメルダー学園に戻ることになる。
そうすると自分の部屋用にアレンジしたら、元の状態に戻さなければならない。
そうなるくらいならあまり変えないのもありかもしれない。
「寮について何か知りたければ一階に管理人がいますのでそちらに。まぁ、こんなところでしょうね」
「「ありがとう」」
「ありがとうございます」
「いえ。ではこれからどうしましょうか?君達の荷物は既に部屋に運ばれていると思いますが」
「授業を受けるとかじゃないか?」
「まぁ、自由ですからね。授業を受けてもいいし、部屋にいてもいいので、僕は同行してもいいですよ」
ユニークニストスクールは授業の出席を強制をしている訳ではないので、出ないというのもあり。
特にバロンの場合は学力がトップなので、何か言ってくることはない。
「じゃあ、一度女性組と再会したら?」
「そうしますか」
「ありですね」
「そうですね」
「僕からタイナさんに言っておきます。みなさんは一度部屋に行っては?」
「そうする」
この後、女性組と再会し、これからのことを相談することにし、バロン以外は一度部屋に向かうことにした。
ーーーーーー
数分後、再び寮の前で合流した。
「じゃあ、どうする?」
「まぁ、手っ取り早く行きたいところに行けばいいと思う。タイナさんは武術区域になるんでしょ」
「そうに決まったんじゃん」
「そうすると僕が一か所行くことになるかな。別に部屋に戻るってのもいいけど」
そんな訳でこの後分かられた。
武術区域→タイナ、迅澄、太助、小雨、美結
図書館→バロン、摩利、来栖、華花実
とりあえずみんな部屋に戻らないのと一人になるのを避ける感じになった。
次話は武術区域側の話。
内容は迅澄とタイナの模擬戦になる予定。




