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第八十二話 ユニークニストスクール

 迅澄達はというと上等年基礎クラス一組の教室に向かっていた。


 建物はほとんどビルなのだが、驚く事に下等年、中等年、上等年が一つのビルではなく、それぞれで一つのビルを使っていた。

 そして、一クラスにニ、三階分使っていた。


「騒がしいですね」

「そうですね。そこは日本人とアメリカ人との違いでしょう。でも、それは偏見ですよ」


 生徒達が居る教室棟はどこもうるさい様に思える。

 日本人は物静か、逆にアメリカ人はうるさいというか豪快。

 まぁ、偏見である。


 でも、だからこそユニークニスト・クラブのアメリカ人は自由にさせるから自由な人が多い。


「一組は二階から四階になります。基本的な教室とされているのは二階となります」


 連れられ、一つの教室に入る。


「皆さん、こんにちは」

「「「「こんにちは!」」」」


 元気な声が響き渡る。

 しかし、よく見ると大きな声を出していない者もいる。


「では、本日から同じ環境で学ぶ日本からの来た留学生を紹介します」


 迅澄達は横に並んでいる。


「彼らは日本のユニークニスト…日本ではフェアベルゲンと呼ばれていますが、その者たちが集まるモイヒェルメルダー学園の高等部一年の生徒達です。それでは一人一人自己紹介をお願いします」


 その後、順番に迅澄達が自己紹介をしていく。

 その中でも口下手な華花実と美結もなんとか自分を紹介する事が出来た。


「ありがとうございました。こちらの生徒の紹介は後ほど聞いて下さい」


 ユニークニストスクールの生徒達の紹介は省き、個人個人で聞く事になった。

 人によっては大変な事だ。


「では、モイヒェルメルダー学園の生徒にこの学校についてお話しをするので、ユニークニストスクールのみなさんは各々行動して下さい。もちろん、ここで待機していても結構です」


 それを言うとユニークニストスクールの生徒達は移動を始めた。


 それでも数人残ったようだ。


「モイヒェルメルダー学園のみなさんは空いた先に座って下さい」

「指定席とかありませんの?」

「いえ、ございません」


 教室等の授業で使う席は決まりはなく、自由に座る事が出来る。

 しかし、一席一人というのはない。

 椅子に座っても机に座る者もいる。

 それでも注意はされない。


「座りましたね。それでは説明をしていきましょうか」


 担任のフーランは説明を始めた。


「ユニークニストスクールとは貴方方モイヒェルメルダー学園とそう変わりません。ですが、進路先がある訳ではないありません。日本のモイヒェルメルダー学園は進路先がほぼ決まっているそうですね」

「主に三通りですわね」

「そう聞いています。日本は内側に収めたい思いがあると思われます。逆にアメリカのユニークニストスクールは所属としてアメリカユニークニストクラブに入る事は義務付けられていますが、普通の仕事をしている者が多いです」


 日本のモイヒェルメルダー学園でもその様な者がいない訳ではないが、比較的にモイヒェルメルダー学園や暗殺庁の関連した仕事をする事になっている。


「一応は能力の制限はして貰っています。能力によっては被害が大きくなってしまいますから」


 普通に仕事と言っても能力によっては簡単に人を殺してしまうものもある。

 そのため、基本的に能力の使用は制限している。


「それでこの学校で学ぶ事が大きく分けて五つあり、基礎型学術、特化型学術、基礎型武術、特化型武術、自由型となります。基礎型学術は一般が学ぶ様な基礎的な事を学ぶ授業。特化型学術は大学の様なその科目だけを学ぶ授業。基礎型武術は基礎的な体力づくりや最低限の武器の習得などを学ぶ授業。特化型武術はある一つだけを学び習得したい時に学ぶ授業。そして自由型は正式には授業ではなく、自主練習、図書館での自主勉強など自分一人で成長する授業。それと授業には自主的となりますので、どの授業を受けるかは貴方方次第です」


 毎日、どんな授業を受けても大丈夫。

 逆に誰一人いない授業は教師がその場で待機している。


 モイヒェルメルダー学園と暗殺庁とは違い、ここアメリカユニークニストクラブとユニークニストスクールは暗殺者のような人達が居ない訳ではないが、卒業後は基本的に教師として尽力して貰う。


 その為か、一般の仕事をしている人が居ようとも問題なく、一学年四教師は確保し、それ以上の教師数を持つ。

 下等年、中等年、高等年の三学年に基礎クラスと特殊クラスの二クラス、さらに基礎クラスは何クラスかいて、一クラス四教師とすると六十人以上必要となる。


 まぁそれでもあまりローテーションが出来ないので、土日は休みとし、なるべく三日から四日勤務にしている。


「それで授業の場所ですけどどうしますか?私が案内してもよろしいのですが、私も授業を持ちますからね」


 どうやら、フーランもこの学年の担任だけでなく、授業も掛け持つらしい。

 まぁ、それが普通なんだろうけど。

 それでも案内は難しいだろうから悩んでいる。


「は〜い。わったし行っきま〜す」


 そこに一人の女性が大きな声でやって来た。

 その女性はこのクラスの人で、授業には行かずにここに居た。


「タイナさん、別に頼んでもいいですけど、学術の方はいいですか?」

「大丈夫大丈夫」

「本当ですか?」

「ほ、本当ですよ…」

「まぁ、いいです。ちゃんと卒業できればいいのです」

「ありがとうございます!」


 どうやら迅澄達の案内はこの子がするらしい。


「では私の代わりにタイナさんが案内する様です。タイナさん、自己紹介して下さい」

「は〜い。私はタイナ・ハミンシンです。よろしく!」


 このタイナって子は物凄く元気で壁がない。

 見た目は身長が170cmで体が大きく、肌が茶色で、巨乳だ。

 こちらの女性陣には居ないパターンの人だ。


「そういう事でお願いしますね。タイナさん」

「はい。お任せあれ!」

「間違っても問題だけは起こさないで下さいよ」

「さ、流石にそこまではしませんよ」

「まぁ、いいです。それではここで」


 そう言ってフーランは教室を出て行った。


「じゃあ、行きましょう!」

「あの、大丈夫なんですわよね?」

「うん?」


 手を高く挙げるタイナに対して摩利が聞く。


「大丈夫大丈夫」

「そうですか…」


 摩利を含め、他の人がその様に思っていた。


「あ、あの…タイナさん?」

「何?バロン」


 そこに一人の男の子がタイナに話しかける。

 名前はバロンらしいが。


「タイナさん、学校案内できるの?」

「できるできる」

「ほとんど武術型の授業と自由型しかやらず、学術型をあまりやらないのにですか?」

「た、大丈夫だって」


 それを聞き、心配になってきた。


「タイナさん、そちらは?」

「うん?彼はバロン・ディルバン。一応、このクラスではトップの学力なんだよ」

「そうなのですか」

「うん、一応そうだよ…。でも、あまりコミュニケーション力がなくてタイナさんしか話せてないけどね…」

「その割には私達にも話してくれるんですね」

「別に…話す事はできるけど、話し合えるって多分…無理。じゃあ、後はお願い…」


 そう言ってバロンは一歩下がった。


「そんなに心配ならバロンが言ってくれれば私が言うから」

「うん…それでいいよ」


 バロンも来てくれるらしい。

 説明はタイナがするが、その内容はバロンがタイナに言ってくれるらしい。


「じゃあ行こう!」

「はぁ…」


 タイナはウキウキしながら歩き出したが、バロンはそんなタイナにため息をついていた。


空きはありましたが、少しずつ投稿していきたいと思います。

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