第七十五話 目覚めた迅澄に説明をする
政府から了承されてから一週間経ち、暗殺者組合と以前破吹が壊した本館を修復していた。
破吹は初期メンバーに「何故、壊した」と問い詰めらていた。
「だって、その方が迫力がありますし、みんなを呼ぶには丁度良かったのじゃかな」
「その為に浪費するではない」
「破吹でしたら、私の『防御』もなす術無いのですが?」
「防衛担当である封士が自信が無くなるではないか」
「済まなかったのじゃよ」
流石の破吹でもみんなに責められて萎縮してしまった。
まぁ、そんなこんなで暗殺者組合の建設と本館の修復に携わる者以外は通常通りに戻っていた。
そんな中、保健室には人が集まっていた。
理由は迅澄が起きたからだ。
「皆さん……」
迅澄はあまりの人に驚いてしまった。
此処にいるのはクラスメイト、三ツ葉先生、北条学園長、初期メンバーの遼峰・須美・破吹がいた。
「おはようございます。容態はどう?」
「特に気になるところはありません」
「「「「「良かった(ですわ)」」」」」
クラスメイトはホッとする。
「それで一ついいでしょうか?」
「それは匠がいないからだろ?」
「はい」
迅澄が聞きたい事を太助が答えた。
実は此処には匠がいなかった。
「それについては私から話をさせて貰うよ」
クラスメイトのみんなよりも後ろにいた須美が話に入る。
「初期メンバーの須美さんでよかったですか?」
「そうですよ。君が寝てから二週間ちょっと過ぎ、事は全て終わりました」
「二週間も僕は此処で……」
「はい、私達は次の段階に移っている状態です」
「そうですか」
迅澄は早々に起きるとは思わなかったけど、流石に二週間とまでも思わなかった。
「まぁ、それはいいとして。その男の子は現在行方不明となっています」
「行方不明?」
「正確に言うとその男の子を含めた数人が行方不明となっています」
禍丸が逃げた後に教師と生徒の人数を集計したのだが、何故か数人いない事が発覚した。
「その者達は時期的に考えると禍丸……あ、禍丸って言うのは……」
須美は迅澄に禍丸について話した。
「そんな事があったんですね」
「はい。その後に代表者だけで会議していたんですが、その間に他の初期メンバーが一度教師と生徒を数えた所、数人いない事が確認されました」
「そうなんですか。それで思い当たる節があると言うんですか?」
「私達は考えました。もしかすると禍丸には仲間がいたのでは無いかと」
「仲間?話を聞いた中にはいなかったと思いますが……」
「何だかんだで禍丸は一人で行動する事は無いんです。なので、仲間もしくは裏に誰かいると判断しました」
初期メンバーの中での禍丸は元々初期メンバー内で戦力強化担当の為、敵味方の戦力を図る事を得意としている。
それで戦力を図った結果から何が必要かを考え、戦力に組み込んでいたからである。
だから、今回も何かしら理由があっての裏切りだと初期メンバーは判断した。
「とりあえず、私達初期メンバーは禍丸とその行方不明になった人達を探している途中です」
現在、初期メンバーは禍丸と行方不明になった人達を国内から探している。
「それより、本題に入った方がよろしいのではないか?」
「そうですね」
破吹の指摘により、須美は本題に入る前に初期メンバーの目的である『母の元に』を迅澄に詳しく話した。
「それを僕に話してどうするんですか?」
「そうよね。普通はそう思うよね。しかし、これは必要何です。かの組織はいつ襲って来るか分からないので、私達以外も対応出来る様に強くなって欲しいからです」
初期メンバーがこの事を話すのは『母の元に』が初期メンバーだけでなく、フェアベルゲン持ち全員を対象しているからだ。
その組織の者は少なくても初期メンバーよりも強い連中だから、せめて対応出来る様にしたいと初期メンバーは望んでいた。
「それで貴方達は海外の学校に行って、学んで来て下さい」
「海外の学校?」
「海外にもこの国と同じ様に学校が存在します。そこには貴方達と同じ特別な能力を持つ人達がいて、違った事を学ぶ事が出来ると思います」
須美達が言う本題とは海外の学校に行く事だ。
そこにはまた違った教育がされ、独自の戦法が存在する。
それを生徒または教師にも学ばせる事が目的である。
「既に中等部全学年、高等部二、三年生は行って貰っています」
本当は他の学年と同じくらいに行く予定ではあったが、迅澄がこの状態なので、遅らせていた。
海外の学校は学年ごとに違い、中等部一年生がイタリア、二年生がフランス、三年生がドイツ、高等部二年生がロシア、三年生がイギリスに行っている。
「貴方達、高等部一年生はアメリカに行って貰います」
保健室にいるクラスメイトは匠以外なので、破吹側だった来栖と華花実はいます。
会話に入らない人達は会話の邪魔になるので、聞いているだけです。
海外の学校の選び方は高等部三年生は何となく、イギリスにしたかっただけで、他は適当です。
それと、「アジアは?」と言う方もいるかもしれませんが、単純に入らなかっただけです。
次話は話の続きです。
まだ、海外に行く訳ではありません。




