第七十四話 政府に許可を貰う
暗殺者達に報告した遼峰、須美、破吹はある所に移動していた。
「今からそこに行く訳だが、やっぱり変わってんだよなぁ」
「まぁ、そうね。あれから何代変わっているんだろうね」
「そう思ってもしょうがないじゃろ?」
「あぁ、そうだな。じゃあ、よろしく須美」
「了解」
『空間門』
須美は手を前に出すと、目の前に四角い門が開かれた。
三人はそこを通り、通った先には一つの部屋があった。
開かれた『空間門』はある意味転移と言ってもいいが、『転移』のフェアベルゲンを持つ拓流と比べれば劣化版となる。
須美が使う『空間門』は設置型の転移で、転移する為にはそこに『空間門』を設置した後じゃないと発動しない。
対して、拓流の『転移』は決められていなくても転移する事が可能。
そして、三人は一つの部屋に来たのだが、そこには初老の男性と黒服の男性がいた。
初老の男性がデスクに座り、黒服の男性がその横に立っていた。
「君が今の内閣総理大臣か?」
「貴様!何者だ!」
初老の男性が立ち上がって言ってきた。
彼は現内閣総理大臣の月輪小五郎であった。
「すぐに取り押さえろ!」
小五郎は横にいた黒服の男性に命令した。
彼はSPだ。
しかし、動かない。
「どうした?」
「この人、俺達を知らないみたいだ」
「えぇ、二十年も経てば、知らない人もいるでしょうね」
「でも、暗殺者は知っていると思うのじゃ」
黒服の男性が動かないのを尻目に三人は会話している。
「暗殺者?」
「はい、そうですよ」
「何故、裏世界の者が私の前に?」
「裏世界と言っても、一応は国家公務員ですよ」
確かに暗殺者は裏世界であるものの、国に貢献している国家公務員である。
ついでに暗殺者としての免許証がある為、それを見せておく。
「そうですか」
「それと、何か起こそうとしても無駄ですわよ。知ってます?フェアベルゲンを」
「えぇ、少しは」
「そう、ならゆっくりとお話ししましょう。この『亜空間』に閉じ込まれたこの部屋でね」
既にこの部屋は『亜空間』に閉じ込まれ、扉の先と繋がっていない。
「そちらの方は時間を止めて頂きました」
黒服の男性には『時間停止』によって止まっていた。
ある意味『時間』の最終奥義に近い技だが、これは対象の時間を止め、体だけでなく、意識まで時間を止める。ちなみに動かす事は出来なく、まさに一つの像という感じで全く動かせない。
「それで何でしょう?」
小五郎はあくまでも内閣総理大臣として聞く。
「これから俺達、暗殺者の一部は国家公務員を辞める」
「というと?」
「実はな、俺達はこれから個人的に活動したいんだが、どうもこの国家公務員ていう役職が邪魔だったから辞めようと思った」
「暗殺者として職はどうするんですかな?」
「今までやるさ。暗殺者の中ではそのまま暗殺庁に残る者もいるでしょうからな」
「その方が予算を別に増やす事も出来ますでしょ」
結局、政府にとって暗殺者が国家公務員を辞めるのはメリットでしかない。
だって、暗殺者が国家公務員で無くなる為、予算を別にする事も出来る。
そして、暗殺者としての役割もそのまま果たしてくれる訳だから。
「その代わり、暗殺庁に残る者と暗殺庁や学園の管理はよろしく頼むわぁ」
「いいでしょう。貴方達に逆らっても良くありませんから」
小五郎として反対する理由は無い。
「暗殺庁に残る者の名簿は後で渡す」
「分かりました」
「これで用は済んだ」
「空間については私達がいなくなったら、消えますのでね」
「それとじゃな、一応防衛大臣にも報告をよろしくじゃ」
『空間門』
須美が門を開ける。
「じゃあな」
「「お邪魔しました(のじゃ)」」
三人は門をくぐった。
残った小五郎はというと……。
「あれが暗殺者の初期メンバーなのか」
小五郎はちゃんと見ていた。
三人の暗殺者の免許証には『特別暗殺者』と書かれていた。
・『特別暗殺者』
これは初期メンバーが名乗る役職である。通常、モイヒェルメルダー学園で卒業した場合は普通に『暗殺者』となっているが、この『特別暗殺者』は名誉職とも言ってもいいのだが、政府もとい内閣総理大臣であろうとも逆らってはいかないとされている。
ちょっと中途半端に終わってしまったが、第三章の本編が終わりました。
本編で登場した内閣総理大臣の月輪小五郎はもしかするともう出ないかもしれません(名前があるのに)。
次話は一つ閑話を入れた後に第四章に入ります。
閑話は美結の三本勝負までの一週間何をしていたを書きます。「他の人達は?」と思いますが、大抵の人はは初期メンバーと特訓しているので書きません。美結はやっぱり人見知りな部分もあるので、初期メンバーと会っていません。そこで何をしていたかという事を書きます。
それと、第四章は海外遠征を書く予定です。
第三章の本編で海外にも学校があるというのを説明しました。そこで戦力アップの為に中、高等部が各国に渡り、学び行く話(内容は高等部一年生の話だけ)になると思います。




