第七十話 初期メンバーの過去 前編
今話は戦争ではなく、その前説です。
次話が戦争の話になります。
「ついでだから暗殺庁とモイヒェルメルダー学園の設立に至るまでの話も入れましょう」
これも暗殺者の歴史に載せられていない事だ。
いつ出来たまでは載っているが、なんで設立に至ったまでは載せられていない。
「あれは戦時の事です。私達は敵国のフェアベルゲン対策として兵士に組み込まれました。そこで戦死を遂げた者もいます。それで残ったのがこの幹部メンバーと数人。それから日本は戦争に負け、武力を取られました。私達は何故か何も無かったんですがね」
この時点ではまだ暗殺者としてではないので暗殺者の歴史には載せられていません。
「それから職探しをしなければならなく、永遠と職に就いたり、退職を繰り返していました。そこで戦時の時の仲間を集めたのが……」
「俺だ。俺も同じ状況だったから集めた」
「でも、その時は全員集まりませんでした。仲間の中には普通に職に就いた者もいましたからね」
フェアベルゲンの中には非戦闘もあるから職に合ったフェアベルゲンを持つ者は職に就く事が出来た。
「俺はその時ある案をみんなに伝えた」
「その案こそが暗殺者計画の元案だったのよ」
遼峰が言った案こそが暗殺者という役職を作り、暗殺庁とモイヒェルメルダー学園を作るきっかけとなった。
「その案は確かに私達には有用な案だった……だけどその案は政府には認められなかった。何故だと思う?」
「当時、GHQにより武力を持つ事が出来なかったんですよね」
須美の問いに答えたのは伸戯だった。
「正解だけど、それは表向きの話。本当はアメリカの私達と同じ者達が集う組織が止めたからというのが真実」
表向きの話でも通用するが、裏ではアメリカのフェアベルゲン(そちらで呼ばれているという訳ではない)持ちが集う組織が強く拒否したからである。
戦時ではお互い戦い、その危険性を感じたのだろう。
「政府は表向きで断ったが、霧麻の情報により、それは嘘と分かったんですよ」
須美達は当時政府から表向きの話を言われたが、霧麻の調査でそれが嘘であり、アメリカ側のフェアベルゲン持ちが拒否した事を知った。
「それから何回も出したが、断念した。その後、政府はある組織を作った。それが警察予備隊。当時は治安を守る為、GHQによって作られた組織なんだけど、それ自体は武装組織……つまりは武力を持つ組織を作ってしまったのよ」
警察予備隊……今の自衛隊だが、当時は警察とそんなに変わらないらしいけど、その目的は朝鮮戦争によるものとされている。
しかし、その警察予備隊は朝鮮戦争への出動のために武器を与えたとされる。
「だから、私達はもう一度案を提示した。でも、また認められなかった。その理由は経済的に難しいと言われた。まぁ、影ではまだアメリカ側のフェアベルゲン持ちが拒否していた思う」
何かしらで政府やGHQはその案を蹴った。
「更に過ぎて、その戦争は休戦。GHQも廃止された。その後に高度経済成長期に入った事で、政府はやっと案を認めた。そこで出来たのが、暗殺者という国家公務員とその暗殺者を管理するための暗殺庁、そして暗殺者を育成するモイヒェルメルダー学園」
日本の権威の復活と経済成長が起こった事で暗殺者は出来た。
「私達は既に暗殺者と名乗りながら、暗殺庁とモイヒェルメルダー学園の完成を待っていた。それが出来たら、本格的に暗殺者計画は始動すると思ってたね」
暗殺者、暗殺庁、モイヒェルメルダー学園が出来たとしても、暗殺庁とモイヒェルメルダー学園は建物が必要なため、それまでは暗殺者としての活動はまだ出来なかった。
「しかし、それは簡単にはいかなかった。暗殺庁とモイヒェルメルダー学園の建設中にあの者達が来た。その者達は自らを『母の元に』と名乗り、暗殺者達を『母の元に』へと取り込みに来たと言ってきた」
今話は史実も含めたのですが、少し違うところもあるかもしれません。
次話は戦争の話にしますが、大体は省きます。また、閑話などで書くと思います。
それとこれが戦争かどうか考えないで下さい。私的には組織対組織の戦い……戦争と思って書いています。
サブタイを「暗殺者のたった一度の戦争実例(一)」→「初期メンバーの過去 前編」に変更。(2019.1.31)
最後の部分の「暗殺者計画を潰しに来た」→「暗殺者達を『母の元に』へと取り込みに来た」に変更。(2019.1.31)




