第六十九話 再度会議(三)
会議は難航していた。
多数決で新しい案を出す事になったが、それを出すには相当難しいのだろう。
初期メンバーも若者(教師も含む)の新しい案が出るかもしれないと思っていたが、結果はこの通りだった。
そこに沈黙を破った者がいる。
それは摩利だ。
摩利は初期メンバーが現れた一週間から二日後に復帰した。
復帰後は他の生徒様に初期メンバーから教わろうとしていたが、ほとんどは図書館で調べ物をしていた。
それは初期メンバーについての本があるかを探していた。
そこで見つけたのが『暗殺者戦争協力について』である。
これは暗殺者用の法律で世間には秘密にされているが、暗殺者には必要な事なのでモイヒェルメルダー学園では教えられている。
その中に書かれた『暗殺者戦争協力について』にはこの様に書かれていた。
〔暗殺者は自衛隊の様に戦争への参加は禁止〕
と書かれており、注目する点は
〔ただし、例外がある。それは過去に一度、戦争に参加した実例が存在する〕
これは小さく書かれていて、今まで摩利は気づかなかった。
それをその時に知った。
それで摩利が挙げたのはその事だった。
「すみません、一つよろしいでしょうか?」
「何でしょう?」
「過去に一度、暗殺者が戦争に参加した実例があると法律に書かれていましたが?」
「それは今聞く事かな?」
確かに内容的には聞く必要も無い事だろう。
「いえ、これは前振りです。それが関係あるか分かりませんが、本当に聞きたいのは初期メンバーがやりたい事何でしょうか?」
戦争参加自体はこの初期メンバーは知っている筈だ。
その戦争の内容は本には記されていない。
暗殺者の歴史なら書かれるモノだろうが、書かれなかった。
そして、それが関係あるか分からないが、初期メンバーの目的が知らなかった。
それは三本勝負の代表者を決める時に伸戯が聞いた事でもあった。
「そうですね、確かに言っていませんでした。それを言う前に私達の方針を決めるのは難しいですね」
そもそも、教師や生徒は新しい案に投票したが、別に現状維持でも問題無い。
それでも、初期メンバーは教師や生徒にも答えて貰いたいのだろう。
「私達には敵がいます。私達はその者達を倒すためにこの約二十年間いませんでした」
暴かれる新事実。
約二十年間いなかったのは敵を倒すため。
「その者達は組織を持っており、名を『母の元に』と書き、『母の元に』と呼んでいました。その者達は『全ては母の元にに戻るべき』と述べている」
こちらの人数は分からないが、相手は組織を持っているらしい。
しかも……。
「それも世界規模で存在している」
脅威なのはその『母の元に』の者は世界各地に存在するらしい。
「そして私達は一度戦い、負けた。そうです、法律に書かれた実例はそれです」
法律に書かれた戦争は『母の元に』と戦った事だった。
それから須美は戦争の話をする。
摩利の発言に前振りと言っていますが、単純に繋げ方が分からなかっただけです(摩利の所為ではなく、私の所為です。ごめんなさい)。
えーと、とりあえず初期メンバーが何がしたいのか、そして初期メンバーの敵である『母の元に』という組織は何者なのかは次話にしたいと思います。
実は暗殺庁とモイヒェルメルダー学園をどうするかは決まっていますが、それまでの繋げ方に困ってこの様になっています。
なので、本当は予定ではもう第三章終わっている段階でした。
今のところの予定ではあと数話で第三章が終わります(変わらなければ)。




