第六話 学生寮と同居人
学園長と迅澄が立ち止まったのは六回建ての高い建物、高等部の学生寮だった。
・モイヒェルメルダー学園寮
初等部、中等部、高等部とそれぞれ分かれている。初等部は生徒数が少ない事もあり、四階までとなっている。中等部と高等部は生徒数があまり変わらないが、初等部の時よりも多いので六階までとなっている。
建物の中は、一階が憩いの場のような場所でほとんどの生徒は何もない時にここに来ると言う。他に固定電話が置いてある。先生とか事務課などに連絡したい時に使って初等部は他に家族と電話したい時に使う。(中等部と高等部は自分の携帯電話は持っている人もいるが任務とかにすぐに連絡出来るように携帯電話が支給されている。)
二階以上は生徒達の居住スペースになっている。一部屋に二人で住み、大部屋とお風呂とトイレは共同で大部屋の奥にドアが二つあり、その先はプライベートルームという扱いでそれぞれの一人部屋となる。大部屋は必要最低限の生活用品が置かれている。お風呂は浴槽とシャワーが設置されている日本式なバスルームとなっている。トイレは和式と洋式のどちらも設置されている。プライベートルームは机と椅子と棚とベッドが設置されている。食事は寮の近くにある食堂に行って食べても良いし、部屋で料理を作って食べても良いとされている。
「それで迅澄の部屋は案内する同居人何だけど小雨さんや摩利さんと同じように四月に高等部に繰り上がりする生徒になりました。名前は波間谷太助と言います」
基本的に男子二人、女子二人とで部屋分けされている。例外として兄弟姉妹が学園にいる時は本人の希望があれば一緒になる事もある。
学園長と迅澄は三階に着き、廊下を歩いていると学園長があるドアで止まった。
「ここが迅澄さんがこれから住む事になる部屋になります」
そう言うと学園長はドアの鍵を開けて中に入る。迅澄もそれに連れて中に入る。
「部屋の使い方については太助さんに聞いて下さい。今日は半日の授業なので迅澄さんを世話をしてくれるように頼んだのでもうすぐ来ると思いますのでそれまで部屋でお休み下さいね。私は仕事に戻りますので」
「ありがとうございました」
その後、学園長と別れて迅澄の同居人になる波間谷太助という人が来るまで大部屋に設置されていたソファーに座った。
昼になると部屋のドアが開き、一人の男子が入って来た。
「もう居るみたいだね。僕は波間谷太助。よろしく」
「僕は汐村迅澄です。よろしく」
・波間谷太助
迅澄の同居人になる人で四月から同級生にもなる。見た目は爽やかイケメンという感じで勇者召喚されるような顔立ちをしていた。
よくイケメンに嫉妬する男子が居るけど迅澄は美というのにあまり興味がない。
「え〜と、まだ荷物を自分の部屋に置いていないというと学園長は言わなかったみたいだね」
「はい、そうです。なので太助さんが来るまで待ってました」
「あ、名前に『さん』は付けなくても良いよ」
「分かりました。太助も呼び捨てで良いよ」
その後、左の部屋を太助が使っていたので迅澄は右の部屋を使う事にした。自分の部屋に荷物を置き、太助が食事を取る為に食堂に行こうと言っていたのでついて行った。それで食事を取っている時に学園の説明をするとも言っていた。
食堂は寮の目の前にあったのですぐに着いた。