第五十五話 会議(三)
伸戯が質問したのは須美達がどうしたいのかが知りたかった。
「まぁ、そうよね。とりあえず、破吹に言った通り破吹達の目的を否定はしません。確かに政府を切り離す事は大事だと思います。ですが、肯定でもありません」
それが破吹側と須美側が違う考えだ。
「まず、暗殺庁に勤める人達は公務員です。では政府を切り離すとどうなります?伸戯」
「公務員では無くなる」
「そうです。公務員では無くなるという事は給料も無くなり、それ以外での給料は依頼料だけになります」
現在、暗殺庁の職員(暗殺者も含む)は公務員扱いで、安定した給料と依頼料が行った人達で分けられる。
それが公務員では無くなり、後の依頼料だけになったとしてもその依頼料は微々たるもの、ほとんどは公務員の給料になる。
「次に必ずとしてモイヒェルメルダー学園の卒業生だけが勤めている訳では無い。例えば暗殺庁のトップである長官は政府から任命された政治家。その様な人達を辞めさせる必要が出来てしまう」
二つ目は暗殺庁に勤める職員の事だ。
職員の中にはモイヒェルメルダー学園の卒業生以外にもいる為、それ以外の人は職を失う。
だから、簡単に政府と切り離す事は出来ない。
「次にこれは私達初期メンバーの目的があるからです。破吹は暗殺者だけの組織が欲しいだろうけど、モイヒェルメルダー学園までは管理する事は難しいと思うから」
初期メンバーはある目的があるが、破吹側は暗殺者だけの組織を作りたい様で、須美側は暗殺庁やモイヒェルメルダー学園の事を考えて、それは難しいと判断した。
「初期メンバーが望む目的とは?」
伸戯が問う。
「それは今お答え出来ません。今回の件が終わればお話しましょう」
須美は今は答えられないが、今回の件……つまりは暗殺庁やモイヒェルメルダー学園を政府と切り離すかどうかが終わった後なら答えてくれる様だ。
「とりあえず、この件が終わるまでは他の生徒も初期メンバーから教わってもいいです。約二十年疎かにしてきました。今までの生徒にはごめんなさいとしか言えませんが、その分も今年の生徒がいっぱい教えて貰って下さい」
モイヒェルメルダー学園の本館が半壊しているし、こんな時に授業も難しい。
そもそも、教師が居ない学年もいる。
そこで、代表者以外も初期メンバーから指導して貰える様だ。
「代表者は担当になる初期メンバーの下に行き、説明を聞きなさいそれ以外の生徒は闘技場で他の初期メンバーが待っているから、そこで指導して貰う初期メンバーを選んで貰って下さい。それでは解散」
会議はこれで終了。
それぞれで移動をし始めた。




