第五十四話 会議(二)
「次に二年生は誰が出ますか?」
須美が問う。
「私がやりましょう」
そこに手を挙げるのは眼鏡をかけた女子生徒だった。
「他にはいない?」
「多分、いませんよ。先輩達が一番強い人を出すなら、この学年も同じでいいと思う」
「それに夕実なら落ち着いてやれるから大丈夫」
意外にも三年生と同じで一番強い人を選んだ。
それも落ち着いたクール系を選んだ。
彼女は朝霞夕実
ストレート黒髪ロングの眼鏡女子。生徒会書記。二年生の中で一番強い。インテリ美人。
「貴女はどんなフェアベルゲンを持っているの?」
「私は『認識』。主な能力は『認識阻害』と『認識拡大』。それぞれの説明は……」
・『認識阻害』
相手の自分への認識を阻害する。攻撃した時、蜃気楼の様に消える。ただ、相手の方が実力がある場合は効かない時がある。
・『認識拡大』
自分の認識を拡大する。認識は背後だけでなく、五メートル、十メートル可能。最大で三十メートル。熟練度によって最大が広がる。
この『認識』の系統は異質系となり、主な四つの系統に当てはまらない。
「それで力の方は?」
「そちらは元々私の家系が武闘家なので私も教え込まれておりますので問題ありません」
武道家というのは柔道、空手などの日本武術を取り入れた人達の事。
「それなら貴女には彼がいいだろう。霧麻!」
「はい、何でしょう?」
そこに現れたのは黒装束の男性だった。
「この者達に挨拶をしてやって」
「はい。私は孤黒霧麻と言います。宜しくお願いします」
その男性は自己紹介をして頭を下げた。
「彼に貴女の指導をして貰います。霧麻、彼女の指導をお願い」
「了解。お願いします」
「朝霞夕実です。こちらこそお願い致します」
霧麻と夕実はお互いに頭を下げた。
「最後に一年生。誰が出ますか?」
此処にいるのは太助と小雨だけ。
迅澄と摩利は現在モイヒェルメルダー学園の保健室に居る。
「相手は匠だろうから僕じゃ勝てないと思う」
「という事はやっぱり私?」
「他の人じゃ勝てないし、可能性のある迅澄はあの状態だから小雨しかいない」
「うん、そうだね。迅澄さんも正常だったとしてもまたあの状態になるか分からないからね」
一年生は二人しか居ない。
保健室に居る摩利と迅澄が目を覚ましたとしても確実に勝てる訳でも無いので、勝てる小雨に任せる。
「それで決まった?」
「私がやります」
「そう、なら決まりね」
一年生には小雨が出る事になった。
「貴女のフェアベルゲンは何?」
「私は『刀』。刀に関する能力です。伸戯さんよりも遅いですが、スピード特化の能力となります。後は必殺技を幾つか持っています」
「相手はあの男子だけど大丈夫?」
「問題ありません。彼には一度も負けた事はありませんから」
「そう。なら貴女の指導は力自慢の筋肉バカがピッタリね」
「おいおい、それは酷いじゃねーか?」
また、一人現れた。
その男性は二メートルを越えた筋骨隆々の大男で、武道着を着ていた。
「劉蔵には彼女の指導をお願い」
「無視かよ。まぁ、いいや。羽多間劉蔵だ。宜しくな」
「城月小雨です。宜しくお願いします」
これで決まった。
代表はそれぞれ一番強い人になった。
そして、指導は初期メンバーが担当する事で、この一週間で実力を上げる。
「それで須美さん達は何をしたいですか?」
そこに質問するのは生徒会長であり今回三年生の代表になった伸戯だった。
小雨のフェアベルゲンを今では刀に合ったフェアベルゲンや刀に関するフェアベルゲンと書いていましたが、武器系のフェアベルゲンはその武器の名前をフェアベルゲンの名前にしたいと思います。




