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第五十三話 会議(一)

 

 須美の指示の元、今暗殺庁の会議室にはモイヒェルメルダー学園の教師と生徒が居た。


「それでは会議を始めるが、その前に紹介したい奴がいる。沙由里ちゃんは知っていると思うけど紅場封士(あかばふうじ)樽見真希(たるみまき)だ」

「宜しくお願いします」

「宜しくぅ〜」


 須美の左右にはガッチガチな鎧を着た騎士の様な男性とちょっとギャルっぽい黄茶色なツインテールの女性だった。


「こちら側の私、封士、真希で初期メンバーの中のトップという事になります」


 初期メンバーは少人数という事は無い。

 十何人や何十人かは居る。

 ただ、その中でも序列があるという事だ。


「それでは会議を始めよう」


 須美の声で会議は始まった。


 議題は『一週間後に行う勝負の各学年の代表を決める』である。


「まず最初に三年生、誰か立候補する奴はいるか?」


 須美は立候補を求めたが、誰も挙げたい。

 それはこんな重要な勝負に出たくないからである。


「伸戯がやればいいんじゃないかな」

「三年生の中じゃ一番強いんだし」


 そこに推薦される男性。

 ・豊眼伸戯(ほうめしんぎ)

 高等部三年生、生徒会長。三年生の中で一番強い。太助と同じイケメンではあるが、太助が何でも明るく応えるのに対して伸戯は抑揚の無く応える。簡単に言えばクール系男子みたいな人。


「やってもいい」

「じゃあ、宜しく」

「頑張ってね」


 伸戯は別に拒否したい訳では無い。

 頼まれればやるという感じだ。


 実は生徒会長もそんな風に決まっているが、生徒会長としての活躍はしている。


「決まったか。伸戯とやら、君の戦法を教えて欲しい」

「指導するのに必要だからですか?」

「そうですね」


 これから一週間の間でどれだけ成長するか分からないけど、それでも教えるのは初期メンバーであるため、学ぶ事は今までと違う。


「まず、私のフェアベルゲンなんですが、『神速』です。能力は文字通り速い事になります。常備発動型でもあるし、起動型があります。常備発動型は通常でも他の人よりは速く、起動型は通常よりも十倍、百倍速くなります」


 フェアベルゲンには常備発動型と起動型がある。常備発動型というのはゲームで言うパッシブスキルの事だ。例えば小雨の場合、小雨の特徴は速さ、でもそれだけでなく、腕力や脚力、視力を上げている事をパッシブスキルと呼ぶ。

 伸戯の場合は速さと視力、脚力とある。

 しかし、常備発動型は更に二つに分けられる。単純に上げるモノとそれを耐える為に上げているモノがある。前者の場合、小雨が速さと腕力、伸戯が速さとなる。後者は小雨が視力と脚力、伸戯も同じになる。

 常備発動型の上昇率はパッシブスキルの数が少ない程高い。速さが特徴な小雨と伸戯でもパッシブスキルの少ない伸戯の方が速さの上昇率が高い。

 起動型はその名の通り起動する事で発動する能力。簡単に言えば必殺技や魔法の事になる。小雨なら斬撃を飛ばす必殺技、太助なら武器の生成の事だ。


「武器は両刃剣二本の双剣です。私の戦法は私のフェアベルゲンの『神速』を活かした速い攻撃と手数の多い攻撃になります」


 伸戯は腰にある二本の剣を見せる。

 その剣は大剣程の刃元から剣先に至って細くなっている剣だった。


「君は力をどうしている?君のフェアベルゲンでは上げてくれないだろう?」

「力は筋トレで補っています。流石に二本の剣を持つ事は出来ませんから」

「そうか、君には封士が務める」

「宜しくお願いします」

「こちらこそ宜しくお願いします」


 伸戯の指導には封士が務める様だ。


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