迅澄の唯一いた友達
追加された話
迅澄にはたった一人話し合える友達が昔にいた。
彼女の名は風利初奈。
迅澄よりも後に産まれた隣に住む幼馴染。
迅澄と初奈は当時普通の子どもとはかけ離れていた。
それでも迅澄は秀才、初奈は天才だった。
一歳で既に読み書きができるようになり、同じくらいいた二人は六歳には差が生まれていた。
迅澄は中学生レベル、初奈は大学生レベルになっていた。
二人にはそれぞれ特徴がある。
迅澄は物覚えがよく、数回あれば覚えてしまう。
初奈はそもそも知能が高く、物覚えだけでなくあらゆる面で高い能力を持つ。
身体的面は迅澄が普通だけど丈夫、初奈が運動神経が良い。
一般的に言えば迅澄も天才と呼ばれてもおかしいのにそれよりも上にいた初奈が隣にいたため、秀才止まり。
そんな二人に対して迅澄の家族は受け入れおり、初奈の家族は受け入れてなかった。
初奈自身は特に気にすることはなかったが、年を重ねる毎に家族は受け入れないようになり、ある時から迅澄の家に住むことになった。
迅澄の家族は何も言わず、初奈を住まわせ、初奈の家族は接することは少なくなったが、引っ越すことはなかった。
初奈自身は自分の家族に対して何もすることもなく、世話をしてくれる迅澄の家族には感謝をしていた。
そんな初奈の興味は迅澄だった。
「迅澄はもっとできそうだけど、なんで今以上のことをしないの?」
「頑張って成果を出したいとは思わない。普通がいい」
「いや、迅澄は普通じゃないよ」
「初奈からすれば普通ですよ」
「私を基準しても意味はないからね」
「じゃあ、他に誰かいますか?同じ歳で?」
「保育園の園児でいますよ?」
「園児ってどのくらいいますかね?」
「う〜ん、わかんない」
二人は普通に保育園に行っていた。
しかし、その知能の高さから他の園児とも関わることはなく、先生ともそんなに話すことはない。
そもそも、二人は行かなくても自立できてしまうし、最初こそ預かっていたが、次第に頼むこともなくなり、今では家にいることも多い。
その為、迅澄の対象が初奈となり、そこから普通をしていた。
「私も特殊だと思うけど、迅澄は感情表現が薄いよね」
「そんなことを言われても、ならないからにはしょうがないと思います」
「あんまり喜んだり、怒ったり、哀しんだり、楽しんだりとかないし。ありそうな場面でもそんなんだもん」
「別に喜怒哀楽が生きるのに必要という訳でもないし、そこまでの高まりがないだけですよ」
迅澄は感情が薄く、その中でも喜怒哀楽、特に楽しいという気持ちがない。
「それに喜怒哀までない訳ではない。そうなりそうな時はある。楽は全くないに等しい」
「あ〜あ、今の迅澄も好きだけど、感情が出てる迅澄も見たいなぁ」
「そんなことを言われましてもですね」
二人の会話は二人しか分からず、初奈が話を始め、迅澄が答えるという構図となる。
初奈は感情豊かなで、迅澄は感情が薄いという真逆ではあったが、意外にもかみ合っていた。
そんなある日、初奈に対して訪ねてきた者がいた。
簡単に言えばスカウトだった。
もちろん、迅澄の家族は断るが、迅澄は特に何も言わず、当の本人も行くことを決めていた。
迅澄の家族は本人の意志を尊重するため、心配はあったが、初奈を連れて行くことを許可した。
それからは迅澄と初奈は会うことはなくなった。
初奈がいなくなった小学生時代から迅澄は秀才というレベルから落とし、平凡に保ち、普通をした。
だがそれはモイヒェルメルダー学園に入学することで秀才というのを取り戻し始めていた。
今回の話は迅澄には迅澄以上の天才がたった一人の友達としていた。迅澄は元々秀才だったが、初奈と別れたことで普通になった。迅澄には喜怒哀楽が薄く、特に楽しいって気持ちが湧いてこなかった。の三つがポイントだと思います。
因みに迅澄は感情がない訳ではなく、薄いだけです。
初奈についてはまたどこかで触れる予定ですが、どこかは決まってないです。




