第四話 早速、学園へ
翌日、朝九時に迅澄の前に車が来た。降りて来たのは若い男性だった。聞くとこの男性は学園で事務課の人なんだと。
学園には元々近かったので30分で着いた。
昨日はまさか、こんな近くにあるとは思わず、学園は森に囲まれた所にあった。
男性に聞くと、今は授業中なんだそうだ。
男性と迅澄は車から降りた。
「これから学園長室までご案内します」
「はい、お願いします」
男性に連れられ、迅澄はその間に学園の建物を見た。建物はよくアニメや漫画に出てくる中世の時の西洋の建物だった。
建物に入ったら天井が高かった。
廊下の横幅は普通の学校より広く、歩く度に目に入るドアは普通の学校より大きかった。
「ここが学園長室になります」
どうやら、着いたみたいだ。
学園長室のドアは先程見てきたドアよりさらに大きく、両開きになっていた。
「学園長、四月から高等部に入学する汐村迅澄を連れて参りました」
「は〜い、入っても大丈夫よ」
学園長の許可により男性はドアを開けた。
「じゃ、あなた。自分の仕事に戻って下さいね」
と言われ、男性は一礼して出て行った。
「久しぶりね、昨日卒業式だったのに来るの早かったわね。期限は入学式までだったんだからもうちょっと家族と過ごしても良かったじゃない?」
「元々、中学校までの学校生活はあまり楽しく無かったので親には残念な事ではありますが今は自分の能力の方が興味があったので早く来たまでです」
迅澄にとって家族との生活は悪く無かったが今までの学校生活に興味があまりにもなく、最低でも成績は平均より取れるようにはしていたぐらいである。
「はっきりと言うのね。中学生はどうであれ、小学生は楽しい学校生活のようにも思えるのだけれども。まぁ、それは人それぞれだと思うし」
「確かに周りの生徒は楽しそうにしていた。でも心の内はよく分からないと思う」
学園長は自分が小、中学生を思い出したがはっきりとは覚えていなかった。それでも楽しかった事はあった。
でも、当時の友達が今でも仲良くしている訳ではない。
「話がズレてしまったが本題に入らせて貰いますね」
「はい」
学園長は小、中学校の話になっていたので今からの話をする事にした。
「入学式まで何日かあるから、まずは寮に案内するべきだろうね。案内は私がするわ。案内中に学園の説明も出来るしね」
「はい、よろしくお願いします」
学園長が椅子から立ち、ドアに歩いて行く。
「ちゃんと付いて来て、説明していくから」
学園長がドアを開けて部屋を出た。
迅澄も学園長に付いて行き、同じように部屋を出た。
目的地は学生寮。