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第四十七話 実戦(事件)後編

前編より長いです。

次話は明日投稿します。

 

 光が収まり、場所は路地裏に移動していた。


「此処は銀行の裏になります。それでは今から任務を開始して下さい」


 三ツ葉先生が言うには此処は銀行の裏で、表には同じく立て籠り事件を解決しようとしている警察の人達が居るのだろう。その証拠にサイレンと犯人に呼びかける拡声器の声が聞こえる。


「それでは銀行の裏から侵入し、犯人殲滅組の私、小雨、匠と人質護衛、救出組の迅澄、太助、来栖、華花実、美結さんに別れて行動します。最初は人質救出優先のため、人質護衛、救出組が先に突入し、人質を守って下さい。そうすれば、犯人達が一瞬動かなくなる時に私達犯人殲滅組が突入。突入後はそれぞれのリーダーが状況に応じて指示を出して、判断出来ない場合は『テレパシー』経由で言って下さい」


 そして、摩利の指示の下に他のクラスメイトが行動に移す。


「突入のタイミングは来栖にお願いしますね」

「了解しました」


 来栖の『確率』でタイミングを計る。

 敵の行動、人質の行動で人質の救出しやすい状況を待つ。


「突入五秒前、4、3、2、1、突入して下さい」


 来栖のかけ声で人質護衛、救出組が人質の元へ行く。


 まず、太助が犯人と人質の間に盾を設置する。

 その後、迅澄と太助が流れ弾が来ないように警戒しながら、後ろで人質救出組が人質を解放する。


「な、なんだこいつら何処から現れやがった!」


 いきなり現れた迅澄達に驚く犯人が此方に向かって発砲してきた。

 その発砲で人質が悲鳴を上げている(よく見ると美結も悲鳴を上げていた)。


 犯人全員が人質もとい迅澄達…人質防衛、救出組に目を向けている間に犯人殲滅組が突入、敵の殲滅(気絶させる)をする。


 人質救出組が人質の手に縛っている物を外して、敵もある程度倒していると……。


「そんな物で防げると思ったか」


 犯人の中の一人が放った弾が太助が生成した盾の前でいきなり軌道を変えた。

 かろうじて太助がその弾を防いだが、これで分かったことがある。


 《フェアベルゲン持ちが居ましたので、犯人殲滅組はその人を無視して他の人を優先して倒して下さい。人質防衛組は引き続き人質を守って下さい。人質救出組も引き続きお願いします。フェアベルゲン持ちについては此方で調べますので、このまま任務を行なって下さい》


 フェアベルゲン持ちが居たという事で三ツ葉先生が指示を出した。

 フェアベルゲン持ちが居たら、対応出来たとしても挑まないように教えられている。挑んで返り討ちにされたら困るからである。


 犯人殲滅組は三ツ葉先生の指示通りフェアベルゲン持ち(だと思われる)人を避けて攻撃していく。


 しかし、弾の軌道修正が犯人全員から放たれる弾全てに起きている。


 《三ツ葉先生、フェアベルゲン持ちの能力が他の人にも影響を与えています。どう対処すればよろしいでしょうか》


 フェアベルゲン持ちと対面したのは初めて(授業以外)なので、三ツ葉先生に聞く。


 《仕方ありません。フェアベルゲン持ちが誰か分からないでしょうから、警戒しながら全員を倒して下さい》

 《了解しましたわ》


 普段ならフェアベルゲンは個人の能力なのだが、偶に他者にも付与が可能なフェアベルゲン持ちがいるため、その場合はそのフェアベルゲン持ちを含めた全員を倒すしか無い。


 犯人殲滅組が犯人を倒している間に人質救出組は落ち着かせる事が出来ると言って記憶処理の薬を飲ませる。

 フェアベルゲンを一般の人に見せる訳にはいかないからだ。フェアベルゲンは一般では公開させていない情報であり、知っているだけで危険視する者や利用しようとする者が出てくる。

 そのため、フェアベルゲンはなるべく裏に隠して、目撃されても非人道的であろうとやらなければならない。

 一応、記憶処理による副作用はそのようなものを消すフェアベルゲン持ちで対処したため、フェアベルゲンに関係する所だけ消すようにしている(どのようになっているかは不明)。

 ついでに睡眠薬も含んでいる。


 その後も犯人殲滅組が犯人を取り押さえていく。幾ら弾が軌道修正しようとも撃っている本人は一般人なので関係無い。


 《フェアベルゲン持ちの素性が分かりました。獅子(しし)駆魔(かるま)君、一度暗殺庁のスカウトマンがスカウトして断られた人のようです。まさか、悪用でフェアベルゲンを使うとは思いませんでした。それと、能力ですが『飛び道具の軌道変更』でした》

 《つまりはどのような能力なのでしょうか》

 《先程の軌道修正や追尾機能を付与する事です》


 はっきりした犯人の中のフェアベルゲン持ち。

 防げば問題無いが、一般人にしたら厄介な能力だ。


 《それで、対処はどうしましょうか?》

 《貴方達なら問題無い能力でしょう。なので、そのまま倒して下さい。ただ、迅澄君、太助君は弾だけは注意して防いで人質に当たらないように》

 《《《《《了解(しました(わ))》》》》》


 現在、人質は眠っており、人質救出組も人質に当たらない様に太助から盾を貰い、弾を防いでいる。


 次第に犯人の数も減り、一番後ろに居た男性が最後の抵抗する。


「獅子駆魔さんですね」

「な、何故、俺の名前を!」


 何故この男性が獅子駆魔だと分かったのは駆魔の顔写真がスマホ経由でみんなに送られていた。


「これで終わりしましょう」

「お、俺だって能力持ちなんだ!」


 小雨が刀を持ちながら駆魔に近づいてく。

 それを見た駆魔は銃で対抗する。軌道修正や追尾機能を付与したりと最後の抵抗とばかりに撃っていた。


 しかし、速さを特徴とする小雨にとって弾はそれよりも遅い。つまりは当たらない、追尾機能があったとしてもだ。

 それと、別に避ける必要も無い。よく見るとほとんどの弾は小雨に斬られていた。


 小雨と運悪く相性が良くなかった駆魔は小雨の柄頭でトンっとされ、気絶させられた。


 これにより、目の前の犯人達は全員気絶していて、駆魔以外全員に記憶処理をする。


 《任務完了、致しましたわ》


 摩利はスマホを取り、暗殺庁に連絡を入れる。


 数分後、暗殺庁から派遣された人達が来た。


「三ツ葉先生、今回はどのように処理するんでしょうか?」

「多分、警察の発表はこのようになると思います。『犯人同士が食い違いが起きて銃撃戦に発展。その隙に表の警察とは違う別働隊が突入し、人質を救出と犯人の取り押さえて、事件は解決。人質は銃の発砲に驚き、全員が気絶したものの、何処も怪我を負う事はなかった』と」


 不自然な詳細だが、銃が発砲されたのは外に居る警察や見物する一般人が知っている。「誰か撃たれたのではないか」と思うだろう。実際に悲鳴が聞こえたらしい。

 それが犯人達の中での食い違いで仲間割れし、銃撃戦になってしまったが、その弾は偶然にも人質に当たらずにその隙をついて警察が突入したとあれば、信じる可能性が高いだろうという判断だ。


「それでフェアベルゲン持ちについてはどのようにするんでしょうか?」

「獅子駆魔君は暗殺庁に連行。そして、今回の事件とは関係無いという事になります」


 少しでもフェアベルゲンを広めないように隠す必要がある。そこで、フェアベルゲン持ちは暗殺庁の管轄に入り、それ以外の犯人は警察に引き渡すという事になる。

 その後、暗殺庁で事情聴取と出来れば暗殺庁に引き込む算段となっている。


 無事に任務は終わり、迅澄達は転移で戻る。


「あの〜、大丈夫ですか?」


 迅澄は美結に声をかける。


 実は、美結は銃撃戦の発砲音により、怯えていた。

 まぁ、仕方ないだろう。普段は経験しない銃(迅澄の使う拳銃は慣れたが、まだ慣れていないライフル銃だった)の発砲だ。怯えない方がおかしいし、人質の人達のように気絶していたかもしれないのだ。それを耐え、自分の役割はやったのだからむしろ頑張った方だ。


 迅澄は肩を貸していた。

 何故、迅澄なのかは太助、小雨、摩利が金持ちで接しにくい、華花実は小雨、摩利以外(三ツ葉先生は事後処理で現場に残っている)で女性だから丁度良いが、人見知りで難しい、後の迅澄、匠、栗栖の中で少し関わりがあるのは匠があるが避けられている可能性があるとすると、あとは美結に友達と認められた迅澄だけだったからだ。


「も、問題無い」


 美結は迅澄にかけていた腕を外し、離れた。

 まぁ、男性に触れられるのは酷かと思った迅澄。

 美結はまだ慣れない接触に顔を赤くしていた。

 そもそも、もう必要は無い。暗殺庁に着いたら、目の前に救護班が来ていた。それで、美結は救護班に連れて行かれた。


「此処で解散という事でいいのかな?」

「そうですわね。授業は暗殺庁に戻って来たら終了という事になりますわよ」


 中等部では担任は暗殺庁に居たが、高等部というかフェアベルゲン持ちが居た場合は担任が現場で事後処理に参加するのだ。

 詳しく、何をやっているかは分からないが、異例という事だから残っているだろうとしか思えない。


 迅澄達は暗殺庁から出る。

 今日はこれで学校が終わりなので、寮に帰る。


 任務が終わり、迅澄は寮に帰る。


「すまんが迅澄、ちょっと話したい事があるんだがいいか?」

「いいよ。太助達は先に帰ってて」

「了解」


 帰り道にいきなり匠が迅澄に話があると言い、迅澄は太助達と別れた。


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