第四十五話 同級生の学園での存在
それから数日経ち、迅澄はこの学園を慣れ始めてきた。
その上でいくつか気づいた事がある。
まずは太助。
太助はやっばりと言うかモテていた。
ほとんどはイケメンな顔が理由だと思うが、どうやらファンクラブがある程らしい。
と、言っても元々全校生徒が少ない。それでも二、三十人くらいは居ると思う。
僕は太助と歩く事がある為、女子生徒から黄色い声がする。
その時に太助は手を振って応えていた。
何で応えているの?と聞いてみたら……。
「やっぱり、モテ男の特権?まぁ、とりあえず応えないと失礼かなーと思ってやっているよ」
それを僕はそうなんだと返した。
僕自身はイライラしなかったけど、他の男子だったら怒り狂うだろうと思うくらいの太助の答えにはトゲがあった。
女子生徒の年齢は比較的に年下が多いが、年上も数人居るらしいからもしかすると先生までもあるかもしれない。
次に小雨。
小雨は基本的に修行をしているらしい。
武術の家系に生まれたからなのか修行を特にすると言う。
その姿は剣道女子で、刀を振る姿が美しかったと男子生徒や女子生徒のファンが居た。
男子生徒は異性として、女子生徒はお姉様として意識されていた。
ただ、立場は全く違う。
女子生徒が小雨お姉様親衛隊を作り、男子生徒から守っている。
接触出来るのは同級生と年上の女子生徒だけである。
この事を小雨に聞いてみたら……。
「太助さんよりも厄介なんだよね。だって、男子生徒は迫ってくる。女子生徒は守ってくれるけど、私を憧れと思っている人も居るらしくて、友達もあまり増えないだよね。ただ一つ言えるとしたら、剣を使う人が増えた事かな。まぁ、刀寄りになってしまったのがどうかと思うけど……」
小雨は男子生徒がちょっと厄介で、女子生徒の方はそこまで厄介では無いみたい。
次に摩利。
摩利はその見た目から一度は外国人と見られる事があるんだとか。でも、よく見れば顔は日本人顔だから、金髪に注目してしまっているのだろう。
そんな摩利は周りから高貴な人だと思われるらしい。その立ち振る舞いが正に何処かの貴族かの様に思われ、何故か罵られたいという特殊な性癖の人が居るらしい。
あ、ちゃんと普通のファンは居ます。
それで摩利に聞いてみたところ……。
「こんなんだったら、太助や小雨の方がマシだと思いますわ。まず、私って罵声をする様な女性に見えるの?」
「高貴なってところで判断されたんじゃないかな。僕はそうは思わないけど」
「そうだよね。迅澄ならそう言うんじゃないかなっと思っていたわ。とりあえず、私は罵声をあげる様な女性ではなく、高貴で美しい女性なんですわ!」
と言っていたけど、「高貴」ってところは必要なんだと思った。
次に匠。
匠は小雨と同じで、修行をしてるらしい。女子生徒からの人気はあまり無いけど、男子生徒からは支持を受けているんだとか。
先輩には可愛がれ、後輩には兄貴の様な存在となっていた。
でも、一番大事なのは……。
「俺か?俺は小雨に勝ちたいとずっと思っているよ。その為にいつも修行してるんじゃないか」
恐ろしい程に執着心があると思った。
その事を小雨にも聞いてみたけど……。
「はっきり言いますと、ちょっとウザいと思っています。目標があるのは良いけど、もっと大きな目標にして欲しいと個人的には思っている」
匠はライバルと思っているけど、小雨はライバルと思っていないらしい。小雨自身は競う相手としては喜ばしいけど、倒す相手としては思って欲しくないと言っていた。
次に来栖。
来栖は普段は摩利と図書館で知識集めをしながら、作戦を考えていると言っていた。ただ、学力的に摩利に負けている事もあり、対抗心はあるんだって。
女子生徒にはその知的な印象から数人くらいは支持を受けているらしい。
その辺を聞いてみると……。
「うん?私に支持してくる女子生徒?あ、ごめんね。私には華花実が居るから、断るかな」
と爆弾発言を言った。
実は来栖と華花実は恋人同士なんだって。
まぁ、その節はあったかな。ずーっと華花実が来栖にくっ付いていたから。
摩利の方は?と聞くと……。
「摩利はね。やっぱり超えたい壁かな。この学園に入って初めて学力で負けたから、勝ちたいと思っていてね。あ、でも匠程執着心は無いよ。だって、今は自分のフェアベルゲンを使いこなしたいからね」
摩利にはライバル心はあるけど、一番大事という訳でも無いらしい。
それと、来栖と華花実は寮では同室なんだって。
これは異例らしいけど、華花実が前に同室になった女子生徒と上手くいかなくって、比較的に親しく仲が良かった来栖と同室になったとか。異論はあったみたいだけど、学園長が無理矢理許可したらしい。
それから、そのまま恋人同士になった。
次に華花実と言っても来栖と同じ行動をしているのでそこまで内容は無い。
最後に美結。
美結はまだ、太助達と話し合える事が出来ないみたいだ。
それは先生も同じらしい。先生の場合は応えるけど、会話には発展しないだって。
僕は美結と手合わせした頃から会話出来るようになったよ。でもまだ、強気な部分があるからまだまだだと思っているよ。
普段、何してるの?と聞いてみたら……。
「え、えーと、人間観察?一応、自分のフェアベルゲンに合わせてやっておいても良いと思ってな」
うーん、確かに理屈には正しいけど、本当にそうかなーとは思ったよ。
でも、無理には聞かない事にした。
多分、あまり聞き過ぎると良くないと思うから。
と、こんな感じで美結以外はほとんど太助から聞いてから、本人に聞きました。
それから、今日も技術の授業の場所に移動しようとしたら、校内放送で高等部一年生が呼ばれた。




