第四十三話 迅澄vs美結(手合わせ)
いつもより少し長いです。
ーー迅澄視点
(頼まれたからには本気でやらなければいけない。しかし、武器は剣ですか)
今、美結が持っているのは剣。
これは昨日見た中で迅澄、太助、匠、伊島先生が使っていたからである。
その剣の技術を真似をするだろう。
(ただ、どの様に攻撃してくるかは皆無なんですよね)
身体能力が無かろうと真似するのは四人の中の一人。
更に体術も合わせればもっと増える。
美結の驚異なのはそこだろう。
(まぁ、とりあえず僕も剣で対応しますか)
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二人は走り出し、剣を振って打ち合いになる。
美結は昨日の事を思い出してか受け流している
これは小雨の技術だ。
他の人は剣で受け止めるが、小雨は刀で受け流す時がある。
力が無いから力を使わない受け流しをする。
その為、美結は攻撃は出来ないが、防ぐ事は出来ていた。
ーー美結視点
(昨日、全員を見ていて良かった。受け流しが技術ではなく、力技だったらどうしようもなかった)
もしも、受け流しの様な技術だけの剣術じゃなかったら、美結は他のどの人でも力で負けていただろう。
しかし、実際は小雨から真似した受け流しが出来ている。
(多分、このままなら防げるだろうけど、迅澄はどうするんだろうか)
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迅澄が攻撃、美結が防御という状況ではあるが、迅澄は攻撃が通用しない事、美結は攻撃に転じる事が出来ない事とはっきり言って状況は変わらない。
しかし、迅澄によって状況が変わる。
迅澄の特徴と言えば暗器。
つまり、武器は剣だけでは無い事だ。
迅澄は短剣を取り出した。
そうする事で攻撃数が増えて、攻撃速度も上がる。
つまりは美結が防ぎきれなくなっている。
ーー美結視点
(うっ、速すぎる。というかもう腕が限界)
美結は迅澄の攻撃を受ける様になっていた。
それも、剣を持つのが限界になっているのも原因でもある。
剣は非殺傷武器であるものの、その重さは同じ。
かろうじて振り回せるくらいにはなっているが、そもそも美結は何もしてこなかった普通の女の子。
筋力を鍛えている訳では無い。
剣を持てるだけで凄いだろう。
(どうする。手は無くは無いと思うけど、どれを選ぶ)
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ーー迅澄視点
(受け流したのは驚いたが、身体能力が高い訳では無い。限界は来る筈)
迅澄が短剣を選んだのは攻撃数と攻撃速度で腕の限界を誘う為である。
このクラスではほとんどが鍛えているだろう。
それに対し、美結は入学して間も無い。
ただ、迅澄みたいに以前何かやっていた場合もあるが、迅澄は昨日の伊島先生との手合わせでその様な事はしてこなかったと気づいている。
(受け流しが緩くなってきた。もう少しだろう)
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迅澄の攻撃が当たり出して美結が防げないでいる。
しかし、それで終わる事は無い。
突然、美結が剣を離したからである。
それによって迅澄は前のめりになる。
その瞬間、美結は迅澄の腕の服を掴み、一本背負いを喰らわせた。
迅澄は咄嗟で受け身を取ったが、ダメージは大きい。
ーー迅澄視点
(いてて、油断してしまった。何とか受け身を取ったが、結構痛かった。でも、これで攻撃範囲は狭まる)
実は体術系も基本だけはやっていた迅澄は受け身を取る咄嗟の動きは出来ていた。
美結が剣を捨てたこの状況、有利なのは迅澄だろう。
ーー美結視点
(えっ、あれを耐えるの。本当に迅澄は不思議。でも、この状況になってしまっては私の方が不利。どうすれば良いかな)
美結にとって一本背負いは一発勝負の技だっだ。
しかし、結果はダメージは与えられたが、倒すまではいかなかった。
(な、何か無いの?この状況を良くするには)
美結は物凄く考えた。
この状況を良くする為に。
でも、迅澄は立ち上がって向かってくる。
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迅澄は美結に向かって走り出した。
美結は何となく構えを取るが、対応を考えている。
美結の方に走り出した迅澄は突然美結の視界から消えた。
気づいた時にはもう倒せる寸前だった。
迅澄がやったのは足払いだ。
そして、短剣を美結の顔前に出した。
その瞬間、迅澄vs美結(手合わせ)は迅澄の勝ちになった。
あまりにも呆気ない結末である。
ーー美結視点
しかし……
(え、え、えぇぇぇぇ)
美結は状況を別の意味で理解した。
迅澄は足払いをした時に頭を打たない様に右腕で美結の頭を支えて、左手で短剣を出していたのだ。
つまりは迅澄と美結の距離が近い。
美結にとって異性がこんなに近くで見る事が無かった。
美結の顔が火照り始めた。
(え、えーと、ど、どう反応したら良いの!?)
美結は混乱した。
そして心臓の鼓動も速くなる。
迅澄はそこまで顔が良い訳でも無いが、悪くも無い。
もし、相手が迅澄ではなく、イケメンな太助だったら、また違った反応したのだろう。
それか、頭を守ってくれたという母親の様に感じて、無意識に自分を守ってくれると思ってしまったかもしれない。それによって心の壁が壊れたのだろうか。
美結は耐えきれなくて、敢えなく気絶。
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迅澄が声を掛けるが、起きない。
結果、匠と美結(手合わせとは関係ない)が気絶で伊島先生班の手合わせは終了。




