第三話 学校説明とそれまでにすること
学園長に突然言われた学園入学。
「入れてくれるのは嬉しいですけどこの学校ってどんなことをするのですか?」
「そうですね。何も分からないと入るか迷うよね。じゃ、今からこの学校の説明していきたいと思います」
迅澄は特に入るところが無くてこの学校に入っても良いと思ったがそもそもこの学校のことを知らないので教えて貰おうとお願いして学園長が承諾してくれた。
「この学校、モイヒェルメルダー学園はフェアベルゲンを持った人達が通う学校なのです。それで初等部、中等部、高等部と分けて、フェアベルゲンを悪用するために使う人達を対応するため育成していく学校となります」
と説明したが簡単に言うとモイヒェルメルダー学園はフェアベルゲンを持った人達がフェアベルゲンを持った人達を対応するためにある学校で、初等部、中等部、高等部の三つに分けられる。
・初等部が小学生と同じ年齢で入学費や授業料等がとても高く、お金持ちの人達じゃ無いと入学できない。
・中等部は中学生と同じ年齢で入学費や授業料等は免除、初等部の生徒の繰り上がりとこの学校が雇っているスカウトマンみたいな人達が探してきた生徒がいる。あと強盗や窃盗など軽犯罪で相手が普通の人が少数だった場合の対応、小雨と摩利はその任務だったと言っていた。
・高等部は高校生と同じ年齢であとは中等部とほとんど同じで違うところとしてをした普通の人が軽犯罪や重犯罪関係なく、犯人が大人数だった場合の対応。
授業が初等部から高等部まで午前が通常授業で午後が実技授業となる。生徒数はどの部も一学年に一クラスしかいない。高等部卒業後は防衛省の下で暗殺庁と呼ばれる一般公開していない部署に入り、暗殺業をやっていく。
簡単にと言ったが予想以上に長くなってしまった。
「それで中等部に編入して貰おうと思ったけど中学校は卒業してから高等部に入学するということで良いかしら?」
「はい。学校の内容は問題ないのでそうして下さい」
「あと、小雨さんと摩利さんは来年に中等部から高等部に繰り上がりになるので覚えていてね」
「迅澄さん、よろしくお願いします」
「迅澄さん、よろしくお願いしますわ」
「こちらこそよろしくお願いします」
来年から迅澄はモイヒェルメルダー学園に入学することに決まり、小雨と摩利と同級生になるようだ。
「今から家までお連れしますので帰った後、ご両親にこの事をお伝えするようにして下さいね」
「そう言えばもう五時間経ってるんだよね。帰ったら両親が怒るかもしれない」
「それは心配ありません。ご両親にはお伝えしていますので安心して下さい」
迅澄は五時間と倒れていて普通ならもう家に帰っている時間なのでちょっと心配になったが学園長に両親に伝えた言われ、安心した。
「迅澄さん、もう動けますか?」
「はい、大丈夫です」
「なら小雨さんと摩利さんは学園の前に待機している車に迅澄さんを連れていって下さい」
「はい、了解しました」
「了解しましたわ」
「それと明日は一応休んで下さいね。治っているとはいえ病み上がりだから。それでは来年お待ちしていますよ」
「はい、分かりました。来年まで楽しみにしてます」
そう言うと学園長は部屋を出てった。
迅澄も小雨と摩利に連れられ、学園を出て門の前に待機していたのであろう車に乗った。
「今日はありがとうございました」
「いえいえ、お気になさらずに」
「そうよ。実際は助けることは出来なくてここに運ぶように連絡しただけですわ」
迅澄が感謝を言ったが先程と同じように返された。
「では来年よろしくお願いします」
「こちらこそよろしくお願いします」
「よろしくお願いしますわ」
と言った後、別れを言って迅澄は学園を離れていった。
その後、残された二人は
「行っちゃったね」
「そうね。ほんの数時間だったのに長い感じがしたわ」
「それにしてもあまり見ない能力だったから頭を撃たれた状態で生きてるのは本当に驚いた」
「そうですわね。でも来年から生徒が増えますのね」
「元々、少なかったから嬉しいことですね」
「来年、彼は大変になると思うのですわ」
「普通の学校生活からちょっと変わった学校生活になるからでしょ?」
「そうよ。それでも来年から彼は何をするのか楽しみですわ」
「そうですね。それまで待っていましょう」
二人は迅澄の来年のことに思い、大変になると言いながら迅澄を期待していた。
その後、中学校生活をいつも通りに過していった。
教師に進路はと言われたがどこの学校かは隠すことにしてとりあえず進学するということにしておいた。教師が納得したかは分からないけど。
卒業するまでに学園への入学とそれ以外の手続きを済ました。
あと、モイヒェルメルダー学園は全寮制ということで寮の手続きも済ませておいた。
三月になって無事に中学校を卒業した。
友達は特にいなかったので別れの言葉も無かった。担任教師が別れの挨拶と高校で何か有ったら相談して欲しいと言ってきた。「何か有ったら相談します」と返事をしといた。
学校から帰った後、学園には入学式までに来ればいつ行っても良いと言われていたので明日に行くことを学園の方に電話をしておいた。
両親にも言った。親には「早いよ、もうちょっといても良いんだよ」と言われたが意外と家と学園はそこまで離れていなかったので休みの日でも帰れるし、単純に早く行って自分の能力を知りたいだけという理由もある。なので「行く」と言っておいた。
それを聞いて親はすぐにお別れ会すると言って準備し始めた。
慌しくなってしまったが八時には終わってお別れ会をやった。迅澄は初めてこの家を出て行くので寂しくも思った。
明日は早いので、早めに寝た。