第三十七話 学術と技術の授業
その翌日からは午前に学術(一、二限が普通科目で、三限が暗殺者関係の科目)、午後は技術の授業を行う。
あと、普通科目の選択科目はそれぞれこのようになった。
音楽ー
美術ー太助、摩利、来栖、華花実
工芸ー匠
書道ー迅澄、小雨、美結
選択科目だけは二、三年生と合同授業となる。
何故か、一年生は音楽を選択する人は居なかった。
今日は一、二限が終わり、三限目の暗殺者関係の科目が始まる。
「それでは三限を始めたいと思います」
三ツ葉先生が授業を始めた。
教室には迅澄と美結だけである。
今から行うのは暗殺者の初歩的な事を学ぶ。
迅澄は太助達に教えて貰ったが、一応参加している。
それ以外は個々で別れて行った。
「この学園で学ぶ『暗殺者』は文字通り暗殺する事ではありません。この学園で学ぶ『暗殺者』はなるべく気付かずに任務を遂行する事です」
これは以前に迅澄は太助達に教えて貰った事で、暗殺庁所属の暗殺者が守る事だ。
ただ、やむを得ない場合だけは殺す事もある。
「基本的に暗殺者所属の暗殺者はフェアベルゲンを持ち、フェアベルゲン持ちに対抗するための人達です。そして、この学園はその暗殺者にするための教育機関となります」
暗殺庁所属の暗殺者は必ずしもフェアベルゲン持ちだけを相手にする事は無い。偶にフェアベルゲン持ちの付近に普通の人が居る場合もあるため、必ずしもフェアベルゲン持ちだけという事は無い。
その後も、長々と説明されていく。
全てが暗殺者にとっての最初の重要な知識。
必ず覚えないといけない知識だ。
午後、技術の授業が始まる。
この時間は最初(昨日の授業を省く)の授業なので、全員参加する。
伊島先生が迅澄、太助、小雨、匠、来栖、美結を、三ツ葉先生が摩利、華花実を指導する。
「それじゃあ、分かれようか。三ツ葉先生、そちらは宜しくお願いしますよ」
「了解しました」
三ツ葉先生は摩利、華花実を連れて、離れた。
ーー伊島先生サイド
「俺の指導仕方は二人で組んで手合わせをして貰う。とりあえず、一通り毎日違う人と手合わせして、その上でそれぞれのパートナーを俺が決める」
やっぱり、手合わせする相手は相性がある。得意、不得意、そして今度力を付けるためには相性の良い相手が必要。
それは苦手な相手であろうと相性の良い相手となる。苦手な事があるなら、克服するのが良い。
得意な事だけを伸ばす事が良い事では無い。
そのため、相手は苦手な相手でも大丈夫。
しかし、双方苦手な相手になるかというとなれるかは難しい。
そこんところは伊島先生が判断するだろう。
迅澄達は相手を決める。
「迅澄は森菜さんと組んでくれ」
「良いけど、どうして?」
「今ところは迅澄があの子の中では一番近い。それと迅澄なら、一番最初に素の状態を見せてくれると思うからかな」
この中では他の人でも良いけど、男性陣はあまり関わらないし、況してや匠なんて苦手意識をしている。なら、小雨はというと、同性という事で接しやすいだろうけど、小雨と美結の実力は大きい。そこら辺、小雨もどうにかしてくれるだろうと思うが、小雨自身はあまり成長しない。
となると、迅澄は美結と関わる事もあり、教える事があればそれだけで自分も成長する事もある。
それを踏まえて太助は言っている。
「了解。太助はどうするの?」
「実力的に来栖かな。多分、小雨と匠が組むと思うから」
太助の場合、小雨と組むと防ぐ事は出来ても攻める事は出来ない。匠に至っては太助と組まないだろう。何故なら、小雨に勝ちたいからだ。
だから、来栖という事だ。意外と学ぶ事もあると太助は言っている。
結局、二人組は太助が予想した通りになった。
余談だが、迅澄が美結に組もうと言ったら、断られそうになった。でも、迅澄が色々と事情を話すとしょうがないという感じで了承してくれた。
「二人組を組んだな。それじゃあ始めてくれ」
伊島先生の合図の元、手合わせが始まった。




