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第二話 能力の正体

 自己紹介が終わるとドアの叩く音がした。


「入ってもよろしいかしら」

「はい、大丈夫です」


 小雨が返事するとドアが開いた。

 入ってきたのは四十代くらいのスーツを着た女性で典型的な大人の女性をしていた。四十代くらいなのに今でもモテそうな雰囲気をしていた。


「もう起きたようね。私がモイヒェルメルダー学園学園長の北条沙由里です」

「僕は汐村迅澄と言います。今回は助けて頂いただけでなく、治療までして頂きありがとうございます」


 迅澄は今回の事のお礼を言った。


「それは私に言わなくても良いのよ。助けたのはその二人だったし、治療もあまりやっていなかったのよ」


 それを聞いて迅澄は小雨と摩利にお礼を言っていなかったのを思い出した。

 しかし、もう一個の治療については納得していなかった。


「あ、忘れていました。小雨さん、摩利さん今回はありがとうございます」

「いや、こちらも早く来ていればこんなことになっていない」

「そうですの。だから気にしないで下さい」

「でも助かったのは本当なので感謝だけはさせて下さい」

「分かった、受け取っておこう」

「分かりましたですの、受け取っておきますわ」


 とりあえず感謝だけ受け取ってくれたようだ。


「私が来るまでに自己紹介していたようね」

「話をするには名前ぐらいは知らないといけませんから」

「確かにそうですね」


 学園長は迅澄の返しに納得したようだ。


「それで治療があまりやっていないのはどういうことですか?」

「君が頭に撃たれた後、君の心臓は動いていて死んでいるのではなく、気絶していると確認した。だから私達も驚いていた」


 小雨や摩利だけでなく、やっぱり他の人も驚いていたようだ。

 

「確か、小雨さんと摩利さんがこうなった原因か理由があると言っていたけど」

「それについて今から話そうと思います」


 先程、小雨や摩利が言っていたように学園長が説明してくれるみたいだ。


「人間はある一定の確率で特殊な能力を持って生まれてくる。私達はそれをフェアベルゲン、ドイツ語で『隠す』という意味で昔はこれを一人一人隠していたと言われており、それが由来だと言われています。ドイツ語を使うのはできた時期が戦前だった事が大きいと思います。現在もこれは全世界でごく一部の人間しか知らない情報なのだけど、昔の偉人もフェアベルゲンを持っていたと言われている。ここまでは分かった?難しいと思うのだけれども」

「はい、全く分かりません」


 迅澄はそんなのファンタジーじゃんってくらいだから理解出来なかった。


「そうよね。摩利さん、証拠を見せて」

「分かりましたわ」


  そう言って手の平を上に向けて男達のリーダーに使った炎を出した。


「何ですかそれは?」

「これがフェアベルゲンです。摩利さんはファンタジーなのである魔法を使うことが出来るのです。小雨も刀に合ったフェアベルゲンを持っていますのよ」

「まだ理解してないところはありますがフェアベルゲンというのがあることは分かりました」


 さすがに目の前で見せられたら無いとは言えないと迅澄は思った。


「で、迅澄さんもフェアベルゲンを持っているのではと思ったのです。多分ですけど心臓を止めるか病気などでしか死なないかそもそも不死なのか、あとは圧倒的な治癒力があるのだと思うのです」

「確かにそのような能力があれば治ったのも分かります」

「でもこれは仮説なのでフェアベルゲンだとは思いますけどどんな能力かは今のところ分からないと言っていいでしょ」


  学園長が言ったような能力を持っていたら確かに今回死んでいないのが分かる。

  でもこれは仮説に過ぎないので実際のところよく分からない。


「それに関連した話なんだけど迅澄さんって中学生?」

「はい、中学生三年生です」

「受験生ということね。目指している高校とかあるのかしら?」


(目指してる高校ね〜。別に受験勉強しているわけでも無いしなぁ〜。)


「特に無かったので近くの高校に行けたらなぁって思ってるだけです」

「それならちょうどいいわ。モイヒェルメルダー学園に入らない?」


 学園長に突然言われた学園入学。

 迅澄はどうするのだろうか?

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