第三十話 午後の予定を決める
食堂まで歩いていると、迅澄達はグループを分けたかのように並んでいる。
迅澄−太助
小雨−摩利
匠−来栖−華花実
という感じに並んでいる。
去年までは多分このようになっていただろう。
太助−小雨−摩利(初等部組)
匠−来栖−華花実(中等部組)
組同士で分かれていた。
つまりは迅澄が入った事で、太助は迅澄が話し、初等部組という事ではなくなった。
その並んで歩いている時に迅澄が気になった事がある。
「華花実さんは何故来栖の影に隠れているのですか?」
そう、今というか今まで華花実は来栖の影に隠れていた。
「そ、それは」
「この状態ですか。迅澄にまだ慣れていないというのもあると思いますけど、一番は匠に苦手意識があるからです」
そう問われた華花実は答えようとしたら、来栖が代わりに答えた。
ただ、その答えは疑問に思える。
先程数時間前に初対面する迅澄に対して慣れていないのは分かるが、もう三年も一緒にいる匠を苦手意識している事だ。
「未だに接し難いだよな」
「す、すみません。匠さんだけはどうにも苦手意識を持ってしまうのです」
匠自身はもう少し仲良くなりたいが、華花実が苦手意識を持っていて、接し難くなっているのが現状だ。
「そういう事ですか。そこでお金持ちも接し難いという事で、一番仲良くなったのが来栖という事ですか」
「まぁ、私達は時間とともに仲良くなっていきましたわ」
匠が無理で、お金持ちも難しいと来ると、最終的に来栖が一番接しやすいという事で、現在も来栖が一番という事になっている。
そして、食堂に着く。
食堂に着くと、迅澄達はそれぞれ席に座る。
周りには同じように考えているのか、数人くらい席に座っている人がいる。
「それでみんなは午後の予定何をするんですか」
席に座り、迅澄は話題を出す。
「まぁ、普通に考えるなら一人または何人かで連むだろうけど……」
太助はこの全員でいるのではなく、解散してそれぞれで動くのではと言っているのである。
「ここで提案なんですけど、迅澄に中等部組の実力を見せるのはどうでしょうか?」
摩利からの提案。
つまりは今後連携するのに中等部組の実力を見せる必要があり、それをこれからやろうという話だ。
「連携には必要だからという事ですか」
「まぁ、明日に技術の授業で行うと思いますけど……」
「細かくは測れないという事だろ」
摩利の言う通り、明日には技術の授業で生徒の実力を三ツ葉先生に見せるために行われるが、細かい所までは見ない。
ただ、授業以外なら時間があるから、細かい所まで見る事が出来る。
そして、連携も考える時間も出来るという事だ。
「中等部組の実力を迅澄が見るなら、逆に迅澄の実力を中等部組に見せてやったら良いじゃないか?」
中等部組の実力を知らない迅澄と迅澄の実力を知らない中等部組ならお互いに見せ合えば良いのではと提案する太助。
それを聞いて、みんな同意する。
その後、昼食(定食)を食べて、練習場に向かう。




