第一話 知らない天井、知らない場所
二日後、迅澄は目覚めた。そこは見知らぬ部屋だった。
「僕、頭を撃たれて死んだじゃなかったのかな?」
迅澄は撃たれた後、気を失っていた。だからあの後どうなったかは知らない。
確認として迅澄は頭を触った。どこにも穴らしきところは無く、自分が撃たれなかったのかと思うほど元通りになっていた。
「まぁ、生きてるのは良かった。それでここはどこなんだろう?」
そう言ってるとトントンとドアをノックする音がした。そしてドアが開いた。
「起きていますか?」
入って来たのは迅澄を助けた黒髪の女性とその後ろに金髪の女性もいた。
「起きてるみたいですね」
「すみませんがここってどこですか?」
迅澄とって今の状況を知りたい。なのでまずは今いる場所を聞くことにした。
「確かに教えるべきですね」
「そうですね。ここはモイヒェルメルダー学園という学校です。そしてこの部屋は保健室になります」
と金髪の女性は返事をして黒髪の女性は返事とその説明した。
「あと一つ聞いても良いですか?」
「大丈夫ですよ」
「何を聞きたいのかしら」
二人の女性に許可して貰ったので迅澄は今一番疑問に思っている事を言った。
「確か僕、頭を撃たれたと思うのですがなんで生きてるんですか?」
「それは私達でも驚いています」
「確かにそうよね。普通は死んでいるそうですものね」
二人の女性も迅澄と同じように疑問に思っているようだ。
「あれから五時間経って怪我の跡もなく、骨や脳も治っている」
「それでも治った理由はなんとなく理解してますの」
「それはなんですか」
迅澄はこの状態に自分だけでなく二人の女性も驚いていたのに治った理由だけは分かると金髪の女性が言った。黒髪の女性も分かっているのだろう。
「それについては今から来るここの学園長に説明して貰えると思います」
その後、学園長が来るまでお互い自己紹介し合った。
黒髪の女性が城月小雨で、金髪の女性が古宇崎摩利と言っていた。
摩利の見た目がお嬢様に見えたので聞いてみたら本当にお嬢様だった。ついでって言ったら良いのか分からないけど小雨も古式武術の受け継いでいる家系のお嬢様だった。
あまり聞くことが無かったので自己紹介だけしただけになってしまったがちょうどドアの叩く音がした。