第二十一話 迅澄の料理と迅澄に対する二人の印象
食材店に着くと、そこには数人しかいなかった。
「やっぱり少ないですね」
「わさわざ作るのは料理好きの人だけですから」
「小雨さんは料理は作るんですか?」
「私?」
迅澄は女性である小雨が料理を作るのか聞いてみた。
「私は本格的な料理ではなく、サバイバル料理になりますので、あまり当てにはできません」
「そうですか。でも、料理自体はできるという事ですね。今度食べてみたいです」
「まぁ、迅澄さんの料理のお返しという事で、作ってあげます」
迅澄が小雨の料理が食べたいという事で、迅澄の料理のお返しで今度作ってくれるそうだ。
食材店で食材をいくつか貰い、寮に戻る。
「迅澄、何を作るんだ?」
「野菜炒めにしましょう」
迅澄はキッチンに向かい、小雨と太助は大部屋で待つ。
「小雨から見て、迅澄はどんな感じ?」
太助は前に会った時と今日半日で、小雨が思う迅澄の印象を聞く。
「私が思うに、迅澄さんは特に目立つ事は何もありませんが、ある程度卒なく取り組む事ができると思います。太助はどう?」
「僕はだいたい同じですが、もう一つ加えるとしたら、迅澄は何かを得ようとしているんだと思います」
「何か得ようとしている?」
「だって、普通の人なら料理や剣道、弓道などの一つか二つしか習いません。ですが、迅澄は多数習い、その中にはどこで習ってきたのかというものもあります。なので、迅澄は何かを得ようとして、あそこまでに色々と手をつけたのではと僕は思いました」
太助が言いたいのは普通の人なら習い事は一つか二つなのに、迅澄は多数習ってきた。
多数習うのは何かを得ようとして、得られなかったから多数習う事になったという事である。
「そして今はフェアベルゲンが何のか知ろうとしている。それで迅澄が求める何かが得られるかはわからない」
「ふ〜ん、で、太助さんはどうしたいの?」
太助の意見を聞いて、小雨はそう返した。
「僕は迅澄がそれを得られるように手伝いたいかな」
「それなら、私も手伝おう」
「まぁ、僕がそう言えば、君もそう言うよね」
太助は迅澄が得ようとしている何かをを得られるように手伝うと言うと、小雨を協力すると言った。
それをわかっていたように太助も納得する。
「できました。二人は何の話をしていたのですか?」
そこに野菜炒めが入った皿を持った迅澄が来た。
「いや、何でもない」
「うん、何でもない」
「まぁ、言えないならいいけど」
二人は先程の話を隠すように誤魔化す。
迅澄は野菜炒めを人数分に、ご飯や味噌汁も持って来た。
「迅澄は味噌汁も作れるんだ!」
「味噌汁さえできれば、栄養は問題ないからね」
味噌汁はたくさんの食材が入った栄養のある料理。
これさえ作れば、ご飯と味噌汁で充分一食として問題ない。
その後、太助と小雨は迅澄の料理を食べて、美味しいと言ってくれた。
「昼はどうするの?」
「昼は図書館に行きましょう」
この学校にある図書館。
普通の学校にある図書館ように本はあるが、暗殺者の資料もあり、通う人も少なくないところである。
「次は学術です。図書館に行けば、摩利さんがいると思います」
太助は図書館に摩利がいるだろうと言って、摩利に迅澄の学術の教師をして貰おうという事だ。
三人は寮を出て、図書館に向かう。




