第十九話 迅澄の今の実力
迅澄は二人から離れた。
「そう言えば、迅澄さんは武器要らなかったのかな」
「確かに、言ってくれれば僕が出したんだけど」
迅澄が何も言わずに二人から離れたので、何もなしに実力を見せるのかと思った。
「何かあるだろう。見守ろう」
「そうだね」
二人は迅澄を見る。
迅澄は構えた。
それは腰を落として、両手を拳に変えた、よく素人がやりそうな構えだった。
その後、迅澄は色々と徒手空拳を披露した。
「見る限りは素人というには型があるけど、上段者どころか下段者という訳でもない」
「あれだと型を覚えた入門初心者みたいな感じがします」
迅澄の徒手空拳は難しい事をしている訳ではないが、型が確かにあるように二人は見えた。
ある程度やると迅澄は二人の元に戻って来た。
「迅澄は前に何かやってたの?」
「まぁ、色々とね。だけど数日、数週間、数ヶ月で辞めたけどね」
迅澄は楽しみを探すために色々とやっていた。
だけど、どれもそうは思わず、辞めていった。
「太助、竹刀を生成してくれ」
迅澄は太助に竹刀を生成するように頼む。
「竹刀?剣道もやっていたのか?」
「あぁ、だけど素振りだけね。実際に試合とかはしていない」
「そうか」
太助は竹刀を生成し、迅澄に渡す。
そしてまた、迅澄は二人から離れる。
二人は迅澄の素振りを見てみると、
「意外と速さがない?」
「私から見て、音はしないものの、速さはありますね。という事はそれなりに腕力があると思います」
太助は迅澄の素振りを見て、速さがあると思い、小雨に問うと、小雨は剣を持つ者として分析し、あると肯定する。
迅澄は約百回やると、戻って来た。
「迅澄は他にどんな武器が使えるんだ?」
「ナイフ系の小さな剣、槍、薙刀、鎌、鎖鎌、弓、弩、銃とかかな」
「どこでそんなに覚えれるんだ!」
太助は迅澄のできる武器の数に驚きを隠せなかった。
剣道だけでなく、槍や薙刀、弓、鎌(草鎌)というならあるだろうが、鎖鎌や弩、銃なんてどこで覚えるのだろうかと小雨も思っていた。
「でも、どれも初期だけだよ」
その後、順番に太助が武器を生成し、迅澄を観察する二人。
「どれも使えている…」
「まぁ、使えるだけだよ」
「いや、一般的にあんなに使えないと思いますが?」
本当に使えるんだと思う太助。
迅澄は使えるだけで、特に意味はないよと返した。
小雨は一般人(武道の家系やフェアベルゲン以外)あんなに使えないと言う。
迅澄があれだけ使えるのは迅澄が必死で調べ、見つけた道場に両親が行かせてくれた事である。
迅澄は両親に自分が楽しくやっていると思わせているが、実際はバレており、迅澄のする事ならば、あまり拒否しないようにしている。
だから、今回も行かせているし、今度こそ楽しんでくれると信じている。
迅澄の実力を一通り見た二人は今度どうするかを決める。




