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第71話『よぉ、久しぶり』

今回は感想欄で一目惚れしたアイディアをやっと登場させられました

 

 生きているにしろそうでないにしろ、この『臆病者』が重要になってくる事は間違いないだろう。

 なんとしても見つけださなければ。


 とはいえ、『臆病者』を探すにしてもいったいどこにいるのか……手がかりが広場に落ちていた弓しか無く、居場所に全く見当がつかない。とはいえ放置は出来ないので、少ないヒントからできる限りの推測を立てていこう。


 まず考えたのは先程見てきた村だが……恐らくそこにはいないだろう。

 村全てをくまなく探したわけではないが、人が隠れ住めそうな程に原型をとどめている建物はなかったし、『臆病者』も逃げ出してしまったなら村には戻りにくいはずだ。それに村民に見つからないように村に隠れた所で、村と一緒に『ジャジャ』に蹂躙されるだけだろう。


 次に考えるうるのは恥を捨てて村に逃げ帰り、避難している他の村民と一緒に逃げる事だが……だとしたら村長か園長がその事を教えてくれただろう。


 だとしたら、可能性があるのは……


「森の中……ってとこかな」


 木の実やらの食料はあるし川だか沢だか池だかがあれば飲水もある。洞穴でも見つければ寝床にも困らない。逃げ出す時にそんな事を考える余裕があったかは分からないが、可能性として1番高いのは森だろう。


 森に狙いを絞るとしたら、次に考えるのはどの方面に逃げ出したのかだが……この広場は村から見て東にあるため、恐怖に駆られて逃げ出したのだとしたら『ジャジャ』のいる方向に逃げ出すとは思えない。


 なので、『ジャジャ』が来たと思われる東側は無し。

 村に戻っていないのだから、村のある西側も無し。


 考えられるのは北側か南側のどちらかだが……これは予想の立てようがない。そういった類いの事が得意な奴なら何か分かるのかもしれないが……少なくとも俺には思い付かない。


 だがなにかしらの手がかりはあるはずだ。

 そうだな……現状唯一の手がかりである『臆病者の弓』から何か分からないか?確か『臆病者の弓』は広場を4等分したうちの南側に落ちていた。

 武器すら投げ出して逃げたのなら……少しでも早く身を隠せそうな森の中に入りたかったはず。


 つまり、『臆病者』が逃げ出した先は南から南西の森の中の可能性が高い……って事か?その方面で行ってみるか。


 方角の予想が立てられたなら、あとは探すだけだ。


 ◇◇◇◇◇


「ちくしょう……だけど……俺だって……ごめんって……でも……仕方ないだろ……けど……なんで……なんでみんなは……なのに俺は……ごめん……許してくれ……頼む……頼むよ……」


 暗くジメジメした空間に小さな声が溶けてゆく。


 懺悔とも言い訳ともつかぬ、恐怖と後悔が混ざり合った小さな声が。


 誰の耳に届くことなく闇に溶けて消えてゆく。


 ◇◇◇◇◇


「洞窟じゃなくても洞穴くらいなら意外とあると思ったが……案外見つからないもんだな」


 背後から襲い掛かって来た蛇を、縮地で背後に回り込んで不意打ちの頭部スマッシュ1発で光に転生させ、何事も無かったかのようにトーカは周囲を見回す。


 南西側の森に入ってからそこそこの時間探していたが、『臆病者』はおろか寝床になりそうな洞窟や洞穴も見つからない。

 蛇とはちょくちょく出くわすのだが、それすらもアーツを使うまでもなく一撃で光になる雑魚ばかりで経験値の足しにもならない。そのせいで、ストレスばかりが溜まっていく。


「チッ、こっち側はハズレだったか?」


 軽く舌打ちをひとつ。普段なら滅多に舌打ちなんてしないのだが(瞬関連を除く)こうも何も無いとさすがに舌打ちのひとつでもしたい気分になってくる。幸いここはゲーム内で、周囲に人はいない。遠慮する必要は無いだろう。


『シャァァァァッ!』


 若干イラついているトーカに、またしても背後から奇襲を仕掛ける蛇が1匹。

通常の蛇より一回りも二回りも大きい、もはや大蛇と言って差し支えないサイズの蛇は、だが、懲りずに襲いかかって来る蛇に嫌気がさしたトーカが放った振り返りざまの重鋼鉄棍による無慈悲な一撃によって、天高く打ち上げられる事となった。


 そのまま蛇は地上に戻ること無くHPを空にして空に溶け消えてしまう。


 ーーかと思われたが、大蛇の姿が消える事は無かった。


 確かにHPバーは空になっているのだが、その死体は一向に消える様子はない。長い滞空時間を終えて地面に叩き付けられても、大蛇の亡骸は消える事は無かった。


「なんだ……?」


 倒した敵の亡骸が残るという通常のエネミーでは今までで1度も経験のない出来事に、トーカは警戒心を高める。


 そんな彼の目の前で、ソレは起こった。

 周囲の萎びた木々や荒れた地面から黒いモヤのようなモノが滲みだし、大蛇の亡骸へ吸い込まれていく。

 その黒いモヤは蛇の亡骸に入り込むと、大蛇の色を黒く染め上げていく。ジワリジワリと黒いモヤに侵蝕されていく大蛇の姿に、トーカは言い知れぬ不快感を覚え眉を顰める。


 異常事態を感じ取ったトーカが自身にバフをかけ終えるのと、黒いモヤによる大蛇の侵蝕が終わるのはほぼ同時だった。

 ムクリとその巨体を起こす黒く染った大蛇の上には、確かに消し飛んだはずのHPバーが何事も無かったかのように鎮座している。


 HPバーの上の大蛇の名を示す欄には『守り神の眷属《呪蝕》』と黒文字で表示されている。基本的にあらゆるエネミーの種族名は白文字で表示されていたにも関わらず、この大蛇の種族名は黒文字で表示されているのは、先程のモヤと何か関係があるのだろうか。


 名前からして呪いに汚染されてしまったという守り神……ジャジャの眷属だろう。そんな明らかにヤバ気な黒いモヤを纏う大蛇を前に、臨戦態勢を取ったトーカは……


「【インパクトショット】!」


 とりあえず縮地からの不意打ちコンボで大蛇の後頭部を撃ち抜く事にした。


 《称号『邪々(じゃじゃ)堂々(どうどう)』を取得しました》


 ……久しぶりに来たな、名前がアレな称号よ。


ヒャッハーの続きが書きたい。

ただそれと同じくらいダンジョン系の小説が書きたい。


今後その場のノリで色々なスキル(複合スキル含む)や称号、武器防具アイテムを増やしていくと思うので何かアイディアがあればお願いします!


おかしい所や誤字脱字、誤用などがあったら是非ご指摘お願いします


ブクマしてくれた方や読んでくれてる方本当にありがとうございます!


今後も当作品をよろしくお願いします!

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