第55話 ランキング発表②
あっあっあぁ……書きたくても書く時間がぁぁ……
なんかこの作品の投稿ペースがエタる作品のエタる直前の動きに思えてならない……
『さぁ、各魔法種ランキング、行ってみよう!』
涙目になりながら妖精ちゃんを投げ飛ばしたエボ君は、何事も無かったかのようにランキング発表を続ける。
『まずは〜各魔法種ランキング闇魔法部門!攻撃よりも相手の妨害を得意としたこの魔法!性格の悪さがにじみ出る闇魔法を最も上手く扱いこなしたのは〜ノルシィ、君だっ!』
バンッ!と先程までよりも少し暗めのスポットライトが当てられたのは、各武器種ランキング杖部門で1位を獲得したカレット曰くイベントで共闘したというノルシィと言う女性だった。
「あら〜性格が悪いだなんて酷いわねぇ」なんて言いっているが、知り合いと思われるプレイヤーが「いや、お前の魔法は相当イヤな場所に来るから怖い」とツッコミ、周囲のプレイヤーも笑っている。
カレットも、「的確に相手の翼をもぎ取っていくノルシィの魔法は恐ろしいぞ……」と言っていた。敵には回したく無いな……
『お次は〜各魔法種ランキング光魔法ランキング!1発1発の威力は低めだが、魔法の速度ならどんな魔法にも負けはしない!魔法界最速の光魔法を征したのは〜ノルシィ、また君だっ!』
バンッ!とこれまでより少し明るめなスポットライトが照らしたのはまたまたノルシィだった。そしてこれにはスゲェ!とザワつくプレイヤーと「当たり前だろ」とでも言いたげなプレイヤーの2種類に分けられていた。
ちなみにカレットも当たり前だと言いたげに頷いていた。俺は直で見た事は無いが……一人のプレイヤーが二つの魔法種ランキングを制覇出来るものなのだろうか。
各武器種ランキングで言えば二つの武器でランクインする様なものだと思うんだが……
『まだまだ行くよ!各魔法種以下略土魔法部門!母なる大地の力を宿す大自然の大いなる力を使いこなしたのは〜またお前か!ノルシィ、君だっ!』
バンッ!と少し茶色みがかったスポットライトが照らしたのはまたまたノルシィ。なんだあの人、凄すぎだろ……
当の本人は「あら〜」と実にまったりとしているが、正直それが恐ろしく思える。
『どんどん行こう!各魔以下略水魔法部門!流れる水は全てを洗い流し無へと還す!そんな生命の源、水を司る水魔法を征したのは〜えっマジで?またノルシィだ!』
バンッ!と浴びせられた青みがかったスポットライトに照らされたノルシィは「あら?また私なの?」と言って観衆に手をひらひらと振ってから手に持っていたグラスに入っている液体を踊らせる。
魔法ってあんな事も出来るのか?細すぎだろ……
と言うかさらっと力量見せつけてるし。
ちなみにノルシィのパフォーマンス(?)を見たプレイヤー達は「うぉぉぉぉぉぉぉぉッ!」と大絶賛。そしてカレットは親の仇でも見るかの様な……という程でも無いが、なかなかに険しい表情を浮かべていた。火魔法使いとして水魔法には少なからず思う所でもあるのだろうか。
『誰かっ!ノルシィを止めてくれ!か以下略風魔法部門!吹き荒ぶ風は殴り付ける風槌にも切り裂く風刃にもその姿を変える!荒ぶる風を乗りこなしたのは〜うぎゃぁぁぁッ!またまたノルシィだぁッ!』
バンッ!と薄く黄緑がかったスポットライトが照らしたのはまたまたノルシィ。あそこさっきからスポットライトが消えては付いてを繰り返してるけど……目痛くならないのか?
周囲の反応ももう驚きはなく、「またか」と言いたげな視線を送り、それでもいちいち反応はしている。
今度はノルシィが手のひらに小さなつむじ風を作り、木の葉を舞い踊らせていた。
芸が細かいなぁ。
『誰か助けてッ!お次は各魔法種略してかほうランキング!火魔法部門!さぁ燻れ火種よ!燃やせ焦がせ灰燼と化せ!遍くを飲み込み世界すら焼く業火となれ!世界を紅に染めよ!ただただ純粋な力、火の力を征したのは〜カレット!君だッ!』
いつも以上に力がこもった演説を終えたエボ君が発表した、火魔法を征し、ノルシィ無双に終止符を打ったプレイヤーは、幼馴染みのカレットだった。
『ほんっっとうに良くやってくれた!正直攻撃魔法のランキングがノルシィに総ナメされちゃうんじゃと本気で心配してたんだよ!』
バンッ!!うっすらと紅く染まったスポットライトを浴びたカレットは「んぐっ!」と蛇肉の串焼きを喉に詰まらせかけ、なんとか持ち直し、屋根の上から蛇肉の串焼き片手に広場にいるプレイヤー達にぶんぶんと手を振っている。
「おおっ!トーカ!私も何かやったほうがいいのか!?やっぱなんかやったほうがいいのか!?」
「そうだなぁ、ノルシィもやってるんだしいいんじゃないか?ノルシィ無双だったところにノルシィを抑えて1位にのし上がって来たんだし注目度も高いだろ、1発かましてやれよ」
ぶんぶんと手を振っているテンションが天元突破しているカレットが目をキラッキラさせて聞いてくるので、かましてやれと後押しをしてやる。根っからの目立ちたがりのカレットの事だ、愉快な事になるだろう。
俺の後押しを貰い、ガバッ!と立ち上がったカレットの首元から、鮮やかな紅色の首飾りがチラッと除いた。
あれ?カレットあんな装備持ってたか?
俺がそんな疑問を口にするよりも早く、テンション爆上げのカレットがパフォーマンスを始める。
「よぉし!行っくぞぉ!【魔法遅延】、【ファイアボム】!【ファイアボム】!……設定完了!【火炎爆】!ちょっと待って、【ファイアストーム】【ファイアストーム】【火炎嵐】ッ!!」
気合いを入れたカレットは、なんらかのスキルを発動した後に2発の【ファイアボム】を2発放ち、更にリアルでカレットが教えてくれた【魔法合成】で【ファイアボム】2発の合成魔法を登録し、それを放つ。
そして計4発の【ファイアボム】が凝縮された火球が空に現れるが、普段ならすぐに爆発するはずのそれは丸い球体の形を保ったままで爆発しない。恐らくはカレットが使った俺の知らないスキルが影響しているのだろう。
カレットはその火球が充分高度を取ったところで、【ファイアストーム】2発と【火炎嵐】(恐らく【ファイアストーム】2発の合成魔法だと思われる)その火球に向かってぶっぱなす。
『蜥蜴鉄の緋杖』から渦巻きながら圧倒的な熱量を持った炎の嵐が吹き上がり、3つの嵐が集いその勢いを強め、空に揺蕩う4発分の威力を秘めた火球に触れた瞬間。
ドゴォォォォォォォォォォォォォォォォォォンッ!!!
とてつもない爆音と共に炸裂した【ファイアボム】4発分の爆発が凝縮された1発は、火球を巻き込みながら吹き上がった【ファイアストーム】4発分の炎の嵐諸共吹き飛ばしーー
空中に巨大な真紅の花が咲き誇り、夜空を紅く明るく染染め上げた。
「「『「「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉッ!!!!」」』」」
そして、夜空に咲く真紅の花を見上げるプレイヤー達から今日一番の歓声が湧き上がり中央広場を満たす。
「ふっ、名付けて【豪炎烈花】と言った所か……」
実際俺も、空に咲いた炎の花を呆然と眺める事しか出来ず、その花を眺めていた俺は、妙にカッコつけたポージングをしてチラッとこちらを見てくるカレットの言葉を聞き取ることは出来なかった。
「……ははっ」
カレットの生み出した真紅の花を他の人達よりも(発生源的にも現象的にも)近くで見ていた俺は、その花が持つ美しさと、ソレが孕んでいる圧倒的な破壊力に乾いた笑いを漏らしていた。
見た目も凄い派手派手しいが、正直言って威力もシャレにならないだろう。カレットは『火魔法』に特化した魔道士であり、当然その装備も『火魔法』を補助するものばかりだ。
その結果、カレットの『火魔法』は普通のプレイヤーのそれとは一線を画す威力を持っている。そんなカレットの【ファイアボム】と【ファイアストーム】それぞれ4発ずつの威力を注ぎ込んだ真紅の花には流石に恐怖を隠せない。
アカンって、アレはアカン。あんなん撃たれたらもう俺なんかなす術なく焼き尽くされるぞ?
ってよく考えたら俺って対魔法の手札が無いに等しいんだな。
土魔法の土塊とかならメイスでも弾けなくは無いだろうが、その他の属性となると手も足も出ずに逃げ回るか、一気に距離を詰めて殴るしか無い。……今度対魔法の手札を模索しておくか。
「トーカ!」
呆然としつつ今後の課題について考えていた俺は、そんなカレットの声によって意識を現実に引き戻された。
なんかむくれた様な顔をしていたが……どうしたんだろう?
半ば呆然としつつも、俺の頭はカレットの言葉の意味を探り出す。
今この状況でカレットが俺の事を呼ぶって事は……多分何かを求めてる時だな。そんでもって、別に褒めて欲しいとか賞賛が欲しいとかでは無いだろう。ならどういう事だろう。今のカレットに確実に不足しているものはなんだ?それはMPだ。魔法をバカスカ使ってればMPなんてあっという間に枯渇するだろう、と言う事は今カレットはMPを求めている。なら俺が渡すべきものは……(この間0.2秒である)
「ほれっ」
俺はカレットにMPポーションを投げ渡し、カレットはそれを受け取ると一気に飲み干し「ぷはぁっ!味がしないっ!」と愚痴る。うん、曲がりなりにも魔法を使う者としてその気持ちはよく分かる。
「まだだ、まだ終わらんよ」
MPポーションを飲み干したカレットは、空に浮かぶ紅蓮の大輪に見入っているプレイヤー達を見下ろしながらそう呟いた。
恐らくそのセリフを聞いたのは隣にいた俺だけだろうが。
「【魔法遅延】、【ウィンドランス】、【ウィンドランス】……よし、【暴風槍】ッ!」
そしてカレットが放った3発の風の槍は空中で一つに纏まると、咲き誇る紅蓮の大輪の中心を真後ろから突き破るように突っ込んで行く。
「「『「「うおっ!?」」』」」
突然紅蓮の大輪を突き破った風の槍に、花に魅入っていた人々が驚きの声を上げる。
しかしその直後、彼等は更なる驚きと興奮に包まれる事となる。
さて、何故彼等は更なる興奮に包まれる事になるのか……その答えは次回を乞うご期待!(自分を追い込んでいくスタイル)
次回も一週間以内に投稿できたらいいなぁ
今後その場のノリで色々なスキル(複合スキル含む)や称号、武器防具アイテムを増やしていくと思うので何かアイディアがあればお願いします!
おかしい所や誤字脱字、誤用などがあったら是非ご指摘お願いします
ブクマしてくれた方や読んでくれてる方本当にありがとうございます!
今後も当作品をよろしくお願いします!




