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第54話 ランキング発表①

執筆時間がぁ……


『さぁさぁ行っくよ〜!』


宣言出来て嬉しそうなエボ君が髪を妖精ちゃんに引っ張られながらもランキングの発表を始める。


『まず最初は死亡数ランキングだよ!とは言っても同率が多かったから順位だけ発表するよ』


エボ君がそう宣言すると同時に空中に現れる大きなウィンドウ。悔しがってエボ君の髪をいじっていた妖精ちゃんはここは自分の担当!とばかりにドラムロールをしっかりとしていた。


『結果は〜これだっ!』


ジャンッ!


=======================


死亡数ランキング(少)

1位……0回

2位……1回

3位……2回


死亡数ランキング(多)


1位……58回

2位……12回

3位……8回


=======================


妖精ちゃんがドラムロールを締めた直後にパッ!と表示されたウィンドウには二つのランキングの結果が同時に載せられていた。

死亡数ランキング(少)の方はまぁ順当な結果だろう、ただ……(多)の方の1位!お前死に過ぎだろ!


『これは凄いことになってるね〜むしろここまで来るとリスポン地点から戦線復帰するまでの時間の方が長いんじゃ無い?』


とエボ君も言うほどである。何人かのプレイヤーもどうやったらそれだけ死ねるんだよ!と突っ込んでいた、ノリのいい奴らだ。


ちなみに俺の死亡数は0回、やったね、ランキング1位だよ!


『続いては〜討伐数ランキングの発表っ!』


エボ君の言葉に合わせて出現するウィンドウにドラムロールをする妖精ちゃん。あれ?ドラムロールが少し長い気もするけど……気のせいか?


『結果は〜これだっ!』


ジャンッ!


=======================


ランキング

1位……13876匹

2位……1407匹

3位……1253匹


=======================


『わぁお1位がクレイジー!何があったんだろうねぇ(チラッ)』


ランキングは1位が2位に大差を付けて圧勝と言う結果に、何があったんだろうねぇと言った時にエボ君が俺を見てきたような気がするが気のせいだろう。全部【グラビトンウェーブ】が悪いんや(現実逃避)


下で結果発表を見ているプレイヤー達も『……はっ?』とぽかんとした表情を浮かべている。それも無理は無いだろう。

1位と2位との差が10倍近くなってしまっているのだ、いつもは騒がしい(死亡数ランキングの時も1位だっ!と叫んでいた)カレットも固まってしまっている。


『ん゛っん゛っ!なんか凄い事になったけどまだまだ続くよ!気にせず行こう!お次は〜』


そこで一拍あけるためかエボ君が言葉を切る。


『各武器種活躍ランキン『各武器種活躍ランキング!』


そしてまたもや言葉を被せる妖精ちゃん。そこまで言ったなら残りも言わせてあげようよ……

プレイヤー達の同情の視線がエボ君に集まり、エボ君は少し涙目になりながら『気にしてないから!』と言い放ち、発表を始める(妖精ちゃんは防音のビンに入れられた)


『こ、このランキングは各武器種1位のプレイヤーのみこの場で発表するよ!1位以下のプレイヤーも10位まではホームページで公開するからね!』


少し鼻を啜り、目を擦りながらながらエボ君が説明してくれる。きっとエボ君も花粉症なのだろう。花粉は辛いよね。


『最初は剣!剣と言っても色々あるけど、今回は大剣と短剣以外の剣に分類される武器でランキングだよ!』


エボ君が剣の定義について少し補足を入れてから発表を始める。


『では早速!各武器種活躍ランキング剣部門、剣と言う使用者人口が多い中、栄えある1位に輝いたのは〜ウィルクス、君だっ!』


ちなみに、引きの間に妖精ちゃんはビンの中でもドラムロールをしていたが、悲しいかな防音のビンはその音を完全に遮断されてしまい、外には全く届かなかった。


エボ君が言うと同時に、the正統派剣士と言った装いのウィルクスにスポットライトがあてられる。当のウィルクスは「えっ?俺?」みたいなぽかんとした顔をしていたが、スポットライトと周囲のプレイヤーの注目を浴び、ようやく実感が湧いたのか「よっしゃぁぁぁッ!」とガッツポーズをしていた。


『いやぁ剣をメインアームにするプレイヤーは沢山いるからね、接戦も接戦、大接戦だったよ!ほんとにもうね、討伐したのがあと1匹多ければ、当てた斬撃が後1発多ければ!そんな戦いだったよ!』


エボ君が拍手しながらそう言うと、周囲のプレイヤーにも伝播し、激しい拍手がウィルクスに送られる。


『さぁまだまだ続くよ!各武器種活躍ランキング短剣部門、栄光の1位をもぎ取ったのは〜ミミティア、君だっ!』


バンッ!と言う音と共にスポットライトを浴びた、両腰に短剣の鞘をかけ、動きやすいようにその他は最小限しか装備していないミミティアと言うプレイヤーは、照れくさそうにしながらもプレイヤー達から送られる賞賛とやっかみをその身に浴びていた。


『基本的にサブアームになる短剣をメインに張って戦い抜くその力量は素晴らしい!短剣部門はミミティアともう1人のプレイヤーの二強の対決になったけど、軍配が上がったのは彼の方だったね!』


流石に小っ恥ずかしくなったのか、ミミティアは「次行って!次!」とエボ君に催促し、他のプレイヤー達に「照れるなよ〜」とからかわれていた。


『どんどん行くよ〜!お次は各武器種以下略大剣部門!豪快な一撃(ひし)めく大剣の頂点に立ったのは〜アッシュ、君だっ!』


バンッ!とスポットライトが当たったのはいつぞやにフレンドになったアッシュだった。βテスターとの事だったがやはり強かったのか。


他のプレイヤー達も納得の表情で拍手を送っていた。


『正直言って大剣部門は彼の独壇場だったね!彼の豪快な一撃には惚れ惚れするよ!』


エボ君の賞賛にアッシュは照れくさそうにしていたが、周囲のプレイヤー達が「流石最強!」「豪快だなぁ!」「兄貴やっぱりすげぇや!」「やっぱアッシュか!」と盛大に盛り上がっていた。


『さぁさぁお次は各武器以下略籠手部門!籠手の間合い!それはほぼゼロ距離!そんな超至近距離の世界を征したのは〜リクルス、君だっ!』


「ぶほっ!」

「なぁっ!?ゲホッゲホッ!」


続いて発表された籠手部門、あまりに知ってる奴の登場に驚きを隠せない。まさかアイツがランクインするとは……

飲んでいたどこかで買ってきたオレンジジュースが気管に入ったのか(ゲーム内で気管に入るのかはともかく)むせるカレットを落ち着かせ、口元を拭いてやりながらスポットライトを浴びているリクルスを眺める。


『敵との距離が全くない超至近距離世界での殴り合い、躊躇わずにより深く踏み込めた彼の戦いには僕も心が踊ったよ!』


流石に大量の視線の中で褒められるのは照れるのか表情が硬くなっていたが、リクルスは右腕を真っ直ぐ持ち上げ、ウィナーポーズを飾る。

ノリのいいプレイヤー達が口笛や拍手で盛り上げ、リクルスも嬉しそうだ。


『まだまだ盛り上がっていくよ!各以下略槍部門!先程とは打って変わって遠くの間合いから繰り出される突きが持ち味の槍部門を制したのは〜リベット、君だっ!』


「おおっ!」


まさかの知り合い二連チャン、だが驚きは無い。なぜなら、他にも相当な使い手がいない限りリベットはランクインするとほぼ確信を持っていたからだ。正直あの戦いを見て燃えない男はいないと思う。


『堅実に、的確に、そして時には大胆に!彼が繰り出す様々なパターンの突きの嵐は喰らう側にはなりたくないね!』


スポットライトを浴びたのリベットは嬉しそうにしながら隣の(恐らく)ウォルカスに何かを言っていた。恐らく武器を作ってくれたお礼だろう。


『さぁさぁ次行くよ〜!か以下略杖部門!杖と言えば魔法職ほぼ唯一の武器!それはつまり魔法職の総当たり戦!火炎が猛り流水がうねり風刃が踊り土塊が吼える!魔法犇めく異常世界を征したのは〜ノルシィ、君だっ!』


バンッ!とスポットライトが当たったのは、中央広場の端の方にあるベンチに座って1歩引いた位置から結果発表を見守っていた女性だった。


「おおっ!ノルシィか!」

「あれ?カレット知ってるのか?」

「あぁ!イベントの時に一緒に戦ったのだ!彼女の魔法は凄かったぞ!」


へぇ、ここまでカレットが手放しに同じ分野の他人を賞賛するのは珍しいな、大体は同じ分野の人に負けると物凄い悔しがるのに。それだけノルシィと言うプレイヤーが凄いと言う事か。


「あぁッ!」

「っ!?急にどうした?」


なるほど、と心の中で思った瞬間にカレットが声を上げたせいで結構ビビった。不思議に思ってカレットに尋ねると……


「リクルスにぃ……負けたぁ……」


と言う事らしいです。ま、まぁしょうがないんじゃない?ノルシィが凄かったんでしょ?


落ち込むカレットを慰めていると、周囲から向けられる賞賛に対応していたノルシィがチラッとこちら視線を向け、手をひらひらと振ってきた。が、カレットは顔を伏せていて気付いていなかったので、肘で軽くつついて気付かせてやる。


顔を上げたカレットがいつに無く落ち込んだ様子で力無くノルシィに手を振っていたので、視線だけで『すいません』と言って軽く会釈しておいた。


『まだだ!まだ終わらんよ!各武器種、略して、かぶきランキング戦棍(メイス)部門!え?硬くて攻撃が効かない?殴ればいいじゃん!え?魔法耐性が高過ぎて辛い?殴ればいいじゃん!え?再生能力が強過ぎて切ってもすぐくっつく?殴って磨り潰せばいいじゃん!大体の敵は殴ればいけるよ!ただし液状生物、てめぇはダメだ!そんなある意味最も身近で暴力的な武器、棍棒(メイス)ランキングを征したのは〜トーカッ!テメェだ!』


なんか言葉キツくない?ねぇ、前口上の言葉も結構キツかったけどさぁ、他のみんなは君だっ!で俺だけテメェだ!かいな。

バンッ!て言って当たるスポットライトは眩しいしなんとか気を取り直した(焼き兎あげた)カレットはまた落ち込みモード入るし……


唯一の幸いはこのスポットライトは対象プレイヤーしか照らさないらしくカレットが暗くて他からは見えない事だな。


周囲のプレイヤーからも『屋根の上!?』『えっなに、そこって行けるの!?』『お前らそこに居たんかいッ!!』『どうやって登ったんだ?』『メイス使う奴ってまだいたんだ……』と様々な声が浴びせられる。


ただ気になるのは他のプレイヤーみたいに賞賛とやっかみが入り混じった言葉じゃなくて屋根の上にいる事に対する興味の声だったんだけど……


とりあえず苦笑いしながら軽く手をひらひら振っといた。

カレットは焼き兎じゃ機嫌直してくれなかったので蛇肉の串焼きをあげたら少し機嫌を直してくれた。


『次でラストぉ!歌舞伎ランキング弓部門!遠距離から撃ち抜け!お前の攻撃当たんねぇ、でもこっちの攻撃どんどん飛んでく〜対近接職相手には圧倒的なアドバンテージを持つ遠距離攻撃!そんな弓を征したのは〜リーシャ、君だっ!』


またもや知り合い。リーシャってあの子だろ、メイに装備受け取りに言った時に襲いかかってきたメイの友達だったな。でもあの娘弓を弓として扱ってなかった様な……


ちなみにだけど今回はスポットライトが発生しなかった、中央広場にいないかログインしていないかのどっちかなんだと。


『さぁ気を取り直して行ってみよう!お次は〜』


腕に抱えたビンをチラ見しながらタメを作るエボ君。妖精ちゃんはビンを内側からどんどんと叩いていたが、その音がもれることは無かった。


『各魔法種活躍ランキン『各魔法種活躍ランキングッ!』


シーンと静まり返る広場に妖精ちゃんのドヤ顔がよく映える。

エボ君が無言で涙をしたらせながらビンを見ると……


『残念〜それは偽物だよ〜』


妖精ちゃんの宣言と共にビンの中の妖精ちゃん(偽物)の姿が掻き消え、ビンの中にはドラムロール用のドラムだけが残されていた。


『ふっふっふ、妖精を舐めちゃぁいけないよ、古来より妖精と言えば捕まって売り払われる等のピンチに陥るのがお決まり、なればこそ対策ぐらいするでしょうよ』


どこから取り出したのかグラサンをかけた妖精ちゃんが少し低めの声でエボ君に語る。そのエボ君はと言うと……


『う……』

『う?』

『うぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!』

『えっちょ!へぶっ!』

『うぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ、あぁっ!』

『いぃぃぃぃぃぃやぁぁぁぁぁぁあぶっ!』


……何が起こったのかと言うと、泣きべそをかきながらエボ君が妖精ちゃんを鷲掴みにし、その小さな身体を器用にロープ(紐?)でグルグルまきにして重りを取り付け、思いっ切りぶんまわして投げ飛ばしたのだ。


『ああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ……』


とドップラー効果の悲鳴を上げながら遠くへ飛んで行った妖精ちゃんを見てエボ君は鼻を啜っていたが、目元を手でぐしぐしして涙を拭うと。


『各魔法種ランキング発表するよっ!』


発表宣言を言い直した。



新キャラ2人はその場で作った存在ですので、今後登場するかもしれないししないかもしれません


1週間以内に投稿出来ればなぁと思っておりまする


今後その場のノリで色々なスキル(複合スキル含む)や称号、武器防具アイテムを増やしていくと思うので何かアイディアがあればお願いします!


おかしい所や誤字脱字、誤用などがあったら是非ご指摘お願いします

ブクマしてくれた方や読んでくれてる方本当にありがとうございます!

今後も当作品をよろしくお願いします!


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