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第33話 爆弾魔とイベント終盤

ヤベェ……執筆時間が取れねぇ……


一度くらい風船を割った事があるのではないだろうか?

ドキドキしながら膨らませた風船を爪楊枝でつついたりして割ったことくらいあるだろう。

ではそれを生き物で行った事は?もちろん無いだろう。


それを今、荒ぶる神官がやってのけた。正確には彼が放ったアーツ【チェインボム】の影響ではあるが。


「ふぅ、きたねぇ花火だぜ」


破裂した《スタンピード・ラビット》から発生した衝撃波に巻き込まれた他のモンスター達が連鎖的にその身を光に変えていく。


『棍術Lv.6』で使用可能になるアーツその2、【チェインボム】。

このアーツは【グラビトンウェーブ】の様に純粋な広範囲攻撃ではなく、対象をこのアーツで撃破した時のみ効果を発揮する。


その効果は、アーツ名にもある【ボム】の名の通り、撃破したモンスターを爆発物に変えると言う少し癖のある効果を持っている。

爆発の威力は、【チェインボム】がトドメの一撃となった場合、その際に与えたダメージと同じダメージ量となる。


例えばHPが残り10の敵に50のダメージを与えて倒した場合は爆発は周囲に50ダメージをばらまくものになる。これは敵の残りHPには影響を受けないので、残りHPが1の相手に1万のダメージを与えた場合は周囲に1万ダメージをばらまく危険極まりない爆発物となる。


そして今回トーカが【チェインボム】を使った対象は、今回のイベントで出てくるモンスターの中でも最弱に位置する《スタンピード・ラビット》、距離的な問題で相当強くなっており、南側の町のすぐ近くの《スタンピード・ベア》よりも強いとは言え、所詮は最弱の《スタンピード・ラビット》である。

そして、『ラビット』であるということは与えるダメージが『ウサギの天敵』の効果で1.5倍になるのだ。


その結果、【グラビトンウェーブ】よりも範囲は狭いものの、地形には影響を与えずに、半径5m程の範囲のモンスターを殲滅するのに充分な威力を持った爆弾となり、辺り一帯のモンスターを光に変える事となった。


「まだまだ終わらねぇぞッ!」


【チェインボム】で爆殺した直後、運良く(または運悪く)効果範囲外にいた《スタンピード・ラビット》目掛けて『縮地』を発動、瞬時に真後ろまで移動し、再び【チェインボム】で殴りつける。


チェインボムはその性質上このアーツでトドメを刺さなければ効果を発揮しえず、その場合は【スマッシュ】と同程度の効果しか期待出来ない。­

それ故の救済なのか、【チェインボム】は驚くほどCTが短い。

その短さと言ったらLv.1で使用可能な【スマッシュ】(クールタイム5秒)よりも短いほどだ、その短さが分かってもらえるだろうか。


その結果、致死の威力を孕んだ兎爆弾が辺りに乱発される事となり、周囲のモンスターをその爆風をもって蹂躙していく。


「オラッ!花火大会だっ!」


『縮地』や、『空歩』による立体機動を駆使し、的確に《スタンピード・ラビット》を【チェインボム】で爆発させていく。本来ならば【チェインボム】で倒さないと効果を発揮しないが故の救済措置だったのだが、一撃で確殺出来るトーカにしてみたら何度でも放てる必殺クラスの攻撃でしかない。


その姿たるや、まるで爆弾魔にでもなったかの様である。


《称号『爆弾魔』を取得しました》


……その姿たるや、マジで爆弾魔である。


「た〜まや〜っ!」


世界一物騒な花火師の掛け声と共に地上数センチと言う高さに連続して花を咲かせる花火達(兎爆弾)

巻き起こる爆風もトーカにはなんら影響は与えられず、今のトーカにはモンスターの断末魔の叫びも歓声に聞こえるのだろうか、清々しい笑顔で兎を爆弾に変えて爆破しまくるその姿は、もはや狂人のソレである。


「ふぅ、花火もいいが流石に手応えが無さすぎるな。どこかにいい獲物は居ないものかねぇ……」


辺り一帯のモンスターを爆殺し終え、慈悲の欠片も無い殺戮により、レベルも上がったトーカが亀甲棍を肩に担ぎながら呟く。

イベント熱により常識的思考回路が焼き切れたトーカは、もはや自然災害となんら変わらない脅威となってしまっている。


それこそ、その気になれば辺り一帯を更地にするなんて簡単に出来てしまう程度には変な方向に振り切ってしまっている。


そんな生ける災害は新たな敵を求め、誰も居ない草原を奥へ奥へと歩み続ける。

彼の通った後は彼の侵攻を祝う様に、光の道が出来ていたと言う。


その光が何によって出来ているのかは……お察しの通りである。


◇◇◇◇


『そろそろ、かな?』

『もうイベントも終盤ですしねぇ〜』

『そそ、最後に1発大きいのをドカン!とね』

『それはいいですねぇ〜』


(それじゃ、せーの)


『『さぁ、フィナーレと行こうか!(行きましょう!)』』


◇◇◇◇


「兄貴ッ!ポイントが1万超えたっす!」

「やるじゃねぇか!俺はもう2万だがなぁ!」

「さすが兄貴ッ!だけど負けねぇっすよ!」

「その調子だリクルス!だが俺も簡単には負けてやんねぇぞ!」


襲い来るモンスター達をアッシュが大剣で一掃し、撃ち漏らしをリクルスが仕留める。と言うパターンで殲滅を続けている2人は現在、北をぐんぐん奥へ進んで行っている。

頭のネジが吹っ飛んだ状態の2人は妙に気があっている様で、初めて組むとは思えない程の連携で辺りのモンスターを殲滅していく。


「……?兄貴、今微かに地面が揺れなかったっすか?」

「そうか?俺は何も感じなかったが……」

「うーん、気のせいか?でも確かに揺れた気がしたんだけどな……」

「もしかしたら何かのフラグかもしれん、気ぃ引き締めとけよ!」

「了解っす!兄貴!」


どこぞの神官が引き起こした災害の余波を敏感に感じ取ったリクルスの警告により、アッシュが警戒を強めながらも殲滅の手を緩めることなく辺りに死を撒き散らし進んで行く。


『グラァァァァッ!』


「【衝拳】!【衝拳】!【衝拳】!【衝拳】!【烈脚】!」

「ウォラァァァッ!吹き飛べッ!」


リクルスに4発の拳を打ち込まれ、追撃に鋭い蹴りを喰らってなお耐え抜いた《スタンピード・バイソン》は反撃しようと腕を振りかぶった所でアッシュの大剣に引き裂かれ、その身を光に変えた。


勝利したリクルス達だが、その表情はどこか暗いものがある。


「兄貴、そろそろ辛くなってきたっす!どうしましょう!?」

「あぁ、敵も強くなってる様だし、火力が追い付かなくなり始めたな……レベルは上がってるんだが肝心のポイントを割り振る余裕がねぇんだよな……」


そう、火力不足である。どっかの神官は色んな称号のおかげで元々頭悪い火力の上に、更に高威力かつ広範囲への攻撃手段を手に入れたおかげで、そんな事は気にしていなかったのだが……それは本当に例外で、本来は奥に行けば行くほどこういった問題に直面するはずなのである。


本来ならば段々とキツくなってきた辺りで奥へ行くのを止め、丁度いい箇所に戻るのだが……そんな当然の事をヒャッハー達が選ぶはずもなく……


「……そうだ!俺が時間稼ぐんで兄貴はポイント振ってくださいっす!」


一瞬の間の後、リクルスがポイントを割り振る余裕が無いなら作ればいいじゃない!と言う様に提案し、アッシュの返事も聞かずに『咆哮』を発動し、自身へとヘイトを集め敵陣へと突貫する。


一斉に襲いかかってくる大量のモンスター相手に、アッシュの方に行く個体がいないように注意を払い、ときおり『咆哮』を発動しながら、モンスターの攻撃を回避、または受け流ししていく。


ほんの数十秒だが、高密度な時間を過ごしたおかげで、『見切り』と『軽業』スキルレベルが上がり、それでもなおキツくなってきた頃、リクルスに群がっていた大群が一気に殲滅され、舞い散る残光の奥から大剣を担いだアッシュが姿を現した。


「考える暇なんかねぇからSTR全振りだぜ!今度は俺が時間を稼ぐ番だ!持ちこたえてやるからリクルスもぱっぱとポイント振りな!」

「ッ!さすが兄貴カッケェ!すぐ戻るっす!」


リクルスと入れ替わる様にモンスターの群れへ身を晒したアッシュは更に強化されたSTRにものを言わせ、モンスターを大量に葬り去っていく。


リクルスはその様子を尻目に、比較的モンスターの少ない地帯へ行き、ポイントを割り振る。

悠長に悩んでる時間は無いので即決しなければならない。よって、よく考える事すらせずにSTRとAGIに半分ずつ割り振り、急いで前線に復帰する。


「オラッ!【破豪】ッ!」


『グガァァァァァッ!』


復帰するや否やアッシュの背後に回り込んでいた《スタンピード・ベア》の後頭部を思いっきり加速を付けて殴り付ける。

SPを割り振ったことで強化されたSTRから放たれた一撃は、AGIに物を言わせた加速によってさらに強化され、正確に《スタンピード・ベア》の後頭部を打ち抜いた。


《『不意打ち』を取得しました》


「オラッ!【衝拳】!【衝拳】!【衝拳】!【衝拳】ッ!」


後頭部を殴り付けた後もそれだけでは終わらず、【連衝拳】へと派生し、《スタンピード・ベア》を光へと変える。


それに気がついたアッシュが豪快に笑いながら周囲の雑魚を一掃してから口を開く。


「遅かったじゃねぇか!ポイントがまた増えちまったぞ!」

「ここから巻き返すんで大丈夫っすよ!」


そんな事をいいながら、再びペースよくモンスターを殲滅していく。そのまま戦い続ける事十数分、テンポよく殲滅してく彼等の耳に、と言うかフィールド全域にアナウンスが流れる。


《東西南北各エリアにボスモンスターが出現しました》


『グラァァァァァァァァァッ!』


「なんだッ!?」

「兄貴ッ!後ろっす!」

「そっちか!……ってなんだありぁ!?」


アナウンスと同時に後方から響いた咆哮に辺りを見回すリクルスとアッシュ。

リクルスが何かを見つけた様で、アッシュがそちらに視線を向ける。その視線の先にあるものは……


「アレがボスモンスターか!」

「ぽいっすね!どうするっすか!?」

「もちろん行くだろ!」

「それっきゃないっすよね!」


恐らくボスモンスターだと思われる、炎を纏った巨大な蜥蜴だった。



ここから!という時に申し訳ありませんがストックが尽きてしまいました……

なので更新ペースが落ちる事になってしまいます

極力そこまで間を開けないようには努力いたしますので何卒ご容赦くだせぇ


今後その場のノリで色々なスキル(複合スキル含む)や称号、武器防具アイテムを増やしていくと思うので何かアイディアがあればお願いします!


おかしい所や誤字脱字、誤用などがあったら是非ご指摘お願いします

ブクマしてくれた方や読んでくれてる方本当にありがとうございます!

今後も当作品をよろしくお願いします!

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