発売記念番外編:ドキッ!メタ話だらけの大雑談回復!〜チート能力もあるよ〜
本日書籍版の発売を記念した番外編です
タイトル通りの内容になっておりますのでメタ話が苦手な方はスルーしていただいても特に影響はありません
「っつ……ここは?」
気が付けば、いつの間にか何も無い真っ白部屋の中で寝そべっていた。
前後の記憶が曖昧だが、確か今はイベント中じゃなかったか……。
そんな事を考えながらもトーカは辺りを見渡すと、そこには同じくぐーすか寝こけているリクルスとカレットの姿があった。
「2人とも、大丈夫か?」
軽く揺すりそう呼びかけると、2人は綺麗にシンクロした大きな欠伸と共に目を覚ます。
「む?ここはどこだ?拠点……では無いな?」
「あれ、動ける……?ってかここどこだ?」
「分からん。俺も気が付いたらここにいた」
リクルスとカレットの最後の記憶も、やはりイベント中のものだった。こんな場所に見覚えは無いし、メイのイタズラ心で拠点のリスポーンエリアがこんな風になっているにしてはコアやらが無い。
何かしらの不具合が発生したのだろうか。そう身構える3人の前に、突如として人影が現れる。
パーツどころか凹凸すらないのっぺりとした顔と、関節部分がむき出しになったマネキンのようなそれは、頭部を動かして3人を見渡すと、口も無いのに喋りだした。
『オハヨウゴサイマス』
「喋ったぞ!?」
「なんだ、なんかのイベントか!?」
恭しく一礼……なんてする事も無く、無機質な声で語りかけてくるマネキンに3人は臨戦態勢に入り……気付く。
「武器が……これは、亀甲棍……?」
「え、なんで俺大剣なんか担いでんだ?」
「私の杖がなくなってるぞ!?」
『ハイ。トウジニアワセテソウビヲヘンコウシテイマス』
マネキンの言葉に反射的に防具を確認してみれば、確かに身に着けているのは今の装備ではなく昔の装備だった。
『サテ、ジョウキョウヲゴセツメイシマショウ。ココハ、イワバナンデモアリノメタクウカン。ショセキハツバイキネンニアナタガタサンニンガワチャワチャスルダケノバショデス』
「え、待って。今なんかすごいこと言わなかったか?」
トーカが思わず突っ込む。こう……登場人物が認識してはいけないことを認識させられた、みたいな……。
『エエ。ソノトオリデス』
「地の文が読まれ……いや待てこの発言は……!」
「おっし、理解した。そういう事ね」
「ふむ。なるほど?だいたい分かったぞ!」
常識的な思考をしているトーカが混乱している一方、その場のノリで生きている2人は既に状況を飲み込んでいるようだ。
「うむ。郷に入っては郷に従え、だな」
ほら、もう地の文も認識してる。
『ダイタイワカッテイタダケタヨウデスネ。ソレデハコレカラ……』
「あ、タンマ。そのカタカナだけの喋り方だと絶対見づらいから直せるなら直してくれよ」
『あ、分かりました。これで大丈夫ですかね?』
「うむ、いいと思うぞ」
「おーい、トーカ。いつまでも固まってんなよー」
常識的な分、『理解出来ない非常識』には弱いのだろう。普段は率先して話をまとめるトーカはフリーズしたままだった。
「分かる、分かるぞ!トーカはそういう所あるぞ」
『そうですね。原理が分かってれば対応出来るけど今回みたいな理由も何も無いメタ空間とか苦手そうですし。それに比べて2人はさすがの適応力です』
「【グラビトンウェーブ】とかもまさにそうだもんな。あれ結構な理不尽だけど仕組みはあるもんな」
『あれ、結構使うタイミング難しいんですよ。規模が広過ぎて気軽に打たせられないっていうか、そんな感じでして』
「む、その割には私の【白龍砲】は結構頻繁に打てるでは無いか」
『【白龍砲】は線の攻撃だから被害が一部だけなんですよ。それに、広範囲に被害がある【白龍崩】の方はまだほとんど出てないですし。使うにしても特殊な状況ばかりです』
「言われてみればそうだな……」
『さて、トーカのフリーズが自然に治りそうに無いからちょっと無理やり……こう……地の文パワーで治しますね』
「む?なんだその強そうなパワーは」
「さっきから地の文が黙ってるのはそのパワーとやらを溜めてるのか?」
あ、違います。入るタイミング見失ってただけです。
『君たちよく喋りますからね。地の文結構入れるタイミング難しいんです』
「「はぇー」」
『じゃ、地の文パワー行ってみましょう!』
では僭越ながら。行きますよ〜。
ようやく状況を理解したトーカは、フリーズから回復した。
「はっ!なんか分からんが無理やり状況を理解させられた気がする……」
「おぉ!凄いな!」
「これが地の文パワー……!もしかしてだけどさ、今目の前に金塊とか出せたりするのか?」
お易い御用です。見ててくださいね。
突如として、リクルスの手の中に拳大の金塊が現れる。
「ぬぉ!?重っ!え、すっげ!」
ふふふ……これが地の文パワーですよ。私があると言えばそこにそれが存在するのです。逆もまた然り。
あ、保険かけとこと。
度重なる超常現象にも、もはや慣れたのかトーカがフリーズする事はなかった。
「あ……うん。そういう感じで行くのね理解したわ」
「あー、貰ったのはいいけど邪魔だから金塊処分してもらっていい?」
あ、はーい。
突如としてリクルスの手の中から金塊が消え失せる。1秒も経たず、元から何も無かったかのように空っぽの手のひらがそこにはあった。
「お、サンキュ。軽くなったぜ」
『もう地の文パワー使いこなしてますね。流石です』
「お、久しぶりに会話に入ってきたな。これが会話が続くと他のキャラが押し出される現象か……」
「あー、うん。多分俺ここ合わない気がする」
『そうだね。主人公だから呼んだはいいけど押し流され気味だね』
消しときます?
「やめて?さすがにそんな気軽に消されたくないんだけど」
あ、はい。
「ってか、お前は誰なん?ナチュラルにいるけど」
「私も気になっていたな。状況が状況だから突っ込むのも野暮だと思っていたが」
『あ、そう言えば名乗ってませんでしたね。私は『書籍版発売記念になんか普段とは毛色が違うメタ話ってかメタい内容ありの雑談してる様子を書いてみたいけどメタ話のきっかけとして作者が出張るのもなんか違うからな……』と言うよく分からない思考の上に生み出された作者代理みたいな感じです。より正確に言えばメタ話のきっかけを与えるポジションですね。作者今忙しいですから』
「嘘こけ!俺知ってるぞ!発売日前日に友人とモ“ピーッ”ハンやってたの知ってるからな!」
『リクルスさん。不要な発言には気をつけてください。作者が今あなたの発言消そうとしてましたよ。あと名前出していいか微妙だったのでピー音入れときました』
「くっ、卑怯な……!あ、それはサンキュ」
ところで、そこで会話に混ざれず手持ち無沙汰なトーカさんは何かありますか?
「地の文に気を使われるのなんか悲しくなるな……。いや、なんかもう……疲れるからこのまま上手くフェードアウト出来ないかなって。イベント中だし」
「そう言えば、イベントはどうなったのだ?確か私が森を燃やして討伐対象になって斥候隊を見つけたところで終わっていたが……」
『あ、それなんですけど次の話はリクルス視点になる予定です』
「なぜだ!?」
『立ち絵紹介しときたいからですね。間に合いませんでしたが。あと、あの状態のカレットって間違いなく最強なので』
「そうだろうそうだろう。何せ『“ピーーーッ”』があるからな!……なぜピー音?」
『ネタバレ防止です。一応ヒントは撒いてありますが、今後お披露目予定なので』
「イベントの話になると俺まだ【サクリファイス】中だからな。カレットが死なないと出てこれないんだよな」
『はい。なので、実質イベント中に【サクリファイス】カレットが死ぬ事は確定してるんですよね』
「最強ではなかったのか!?」
『無敵とは言ってないので……』
会話が弾むとやっぱ私がハブられますね。普段はこんな感じでメタメタしく入れないから一層入りにくいです。
『作者も悩んでるよそれ。頑張ってね』
「んー、ところでさ、次俺のシーンって事は『“ピーーッ”』使用中のとこか?」
「ピー音入ったな!」
『そうですね。そのシーン+キャラデザ紹介を発売日前日までにやる予定でした』
「発売日今日なんだけど????」
『はい。ですので。地の文さーん』
ほい来た。地の文パワーはこんな事も出来るのさ!
『これがリクルスのキャラデザです』
「投げやり感が凄いんだけど!?」
「いいでは無いか!私やトーカは後書きでだぞ!?」
「いや、別に後書きだからとか無いぞ?間に合わないから雑に紹介されたって言われるとまぁそうとしか言えないだろうけど」
「でも後書きだと作者から直接感想言って貰えてるじゃん?2人はとんでも攻撃持ってるけど俺だけ微妙にしょぼかったり……差別だ!」
「いいじゃんその分『壱打確殺』の威力がとんでもない事になってんだから」
「でもそれ1発きりじゃん!俺もなんか欲しいんだと!」
『えー、作者から伝言です。『お前盛りにくいんだよ……』だそうです』
「俺が悪いの!?」
『でもほら、さっきネタバレ防止入りましたけど、リクルスさんにも用意されたじゃないですか。盛り要素』
「確かにあるけどさ……なんか俺のだけデメリット付きが多くない?」
『その分強力、がコンセプト(今考えた)。だそうです』
「本音出てる!」
さて、私がまたしても追いやられてるので、ここで存在感を出すためにそい!
『瞬のキャラデザですね。ちょっとやんちゃそうな感じです』
「ふむ……私達は見慣れてるが、逆に言えば私達以外は知らないもんな」
「あぁ。確かに。そういった面では俺たちの『護』と『明楽』もそうなのか」
ですね。ちなみに、作者がキャラデザ貰った中で1番気に入ったというか好きなのは『リクルス/瞬』だそうですよ。
「お、そうなのか?嬉しいじゃねぇか」
『特にバンダナが神の一手と騒いでましたね。描写忘れてただけで最初から付けてたって言ってました』
「あ、そうか。描写されなきゃ無いのと一緒なのか……」
「む?では護の背中にガッツリとタトゥーが入ってるのも他のみんなは知らないのか?」
「入ってねぇよ!?」
※入ってません
「あ、地の文さんありがとう」
今の私じゃなくて作者の注釈です。
「どっちでもいいよ。ったく……カレット、メタ空間利用して誤情報ばらまくんじゃないよ」
「ちっ、失敗か……」
「そういや、メイとリーシャとリーリアは呼ばないのか?アイツらもキャラデザ貰ってたろ?」
『あ、それなんですが。『流石にこれ以上増やすと収集つかない』と作者が判断したので呼んでません』
「まぁ確かに普段【カグラ】の8人一緒にいると特定の奴だけ多く喋ったりしてるしな。一応描写のない後ろでそれぞれでわいわいしてたりはするんだが」
……ほう。ほうほうほう。いい事を聞きました。
作者が収拾つかないと判断して呼んでないんですか。
それでは普段蔑ろにされる恨みを晴らすため。いざ!
突如として光が溢れ、トーカ達の視界を塗り潰す。
光が晴れるとそこには、メイ、リーシャ、リーリアの3人の姿があった。
※ありません
あ、ずるい!
「なんで作者は地の文と喧嘩してるのだ?」
「さぁ?分かんね」
「眩しいだけ俺ら損してる気がするんだけど」
『さてさて、元々は『なろう版のトーカ達と書籍版のトーカ達を対談させよう』的な企画だったのに何故かなろう版のトーカ達と私と地の文の対談になった訳ですが。字数も字数ですしそろそお開きとしましょうか』
「む、もう終わりか?」
「まぁいいんじゃね?記念になんか書きたいって思ったはいいけど普通に間に合わなくて慌てて書いてるだけだし」
「全く中身のない会話だったけどな……」
まぁいいんじゃないですか?たまにはこんな回があっても。
割と普段から中身のない会話してる気がしますが。
「だな。ところで、これ俺らメタ知識認識しちゃってるけどいいのか?」
『そこはご心配なく。元の時間軸に戻す時に処理しときますので』
「そこはかとなく怖い響きだな……」
「だが楽しかったぞ!また機会があれば呼んでくれ!」
『あ、次の機会があったら今回呼ばれなかった3人の予定らしいです』
「なんと……!」
「んじゃ俺らのメタ話回終わりって事か?」
「正直やっと終わった感があるな」
トーカさんは変な所で常識に縛られてますからね。さて、では元の時間軸にお送りしますよ〜。
不思議なひとときを過ごした3人は、突如として現れた柔らかい光に飲み込まれる。
元の場所に戻ったのだろう。彼らが次に目を覚ます時には、この場所での記憶を失っている。それは仕方の無い事だが……やはり、少し悲しくなってしまうのは仕方の無い事だろう。
『お疲れ様です地の文さん』
いえいえ、こんな機会でもないと自我を表に出せませんからね。新鮮な経験でした。
『さて、この後の投稿作業は作者に任せるとして……ひとつ気になる事が』
なんですか?
『これ、なろうの規約的に投稿して大丈夫なんでしょうか』
……
※……
ま、まぁ促販はしてませんから……。
『怒られたら素直に活動報告の方にでも移しておきましょうか。やはり活動報告まで目を通してくれる読者様もひと握りですし、せっかくなら多くの人に見てもらいたいですもんね』
という訳で、今回の『ドキッ!メタ話だらけの大雑談回〜チート能力もあるよ〜』はわたくし地の文と〜
『作者代理の謎存在マネキンこと私がお送りしました!』




